柿はいつから食べられる?離乳食の果物

秋頃から市場にでまわる「柿(かき)」。
赤ちゃんはいつごろから食べられるの?注意点はある?加熱したほうがいいの?と心配になったりしますよね。

まず、赤ちゃんが食べても全く問題ありません

ただし、食べやすい形状であげる必要があります。

その理由などについて見ていきましょう。

離乳食 柿 レシピ いつから

赤ちゃんは柿をいつから食べられる?

赤ちゃんが食べられるのかなぁ?と心配になりますが、発育には個人差がありますので
「何ヶ月になったから、食べられる」というようなものではありません。

そのような明確の基準はありません。

柿は生後6ヶ月頃から食べられるともいえますが、無理にあげる必要はありません。硬さはどうしたらいいのかなども考えていきたいものです。
今回は硬さについて考えてみましょう。

総務省「教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン」の中にある
浦安市の保育園向け指示例の中には
「柿は1歳半まではりんごで代用する」と書いてあります。

つまり保育園では1歳半未満の子には柿をだしてはいけないという意味です。

家庭においてはどうなのでしょうか。

それには明確な基準はありませんが、
上記のガイドラインの意味も考えながらあげていきましょう。

【関連記事】 離乳食の加熱、いつまで必要?

離乳初期(5,6ヶ月)と離乳中期(7,8ヶ月)

離乳初期は、ごっくんと飲み込めるくらいが目安で、
わかりやすく食材にたとえるなら、ヨーグルトやポタージュ状がいいでしょう [*1] 。

柿をどのようにして、ヨーグルトポタージュ状にしたらいいのでしょうか。

1つの例として「加熱してすりつぶし」がいいでしょう。

クタクタと煮てからブレンダーでつぶしてピューレ状にしましょう。

柿は、5-6カ月から食べることはできますが、硬いところがないか、また渋みがでないか注意が必要です

柿 ペースト 離乳中期 離乳初期

離乳後期(9ー11ヶ月)と離乳完了期(12ー18ヶ月)

離乳後期は、歯ぐきでつぶせる硬さになった頃といえます。

だいたい生後9ー11ヶ月頃であれば、おくちでモグモグとできているかなと思いますので、
モグモグしてそうでしたら、「柿のコンポート」を食べることができるでしょう

離乳完了期は、歯ぐきでかみつぶせる硬さとなり、何回か噛むようにできますが、
柿においては、大きな違いはありません。生のままだと硬いので注意しましょう。

咀嚼の上で食べられるか、そうでないかは、
大人の親指とひとさし指でつぶせるかどうかが1つの判断基準です。

発育に差異はありますし、一概には言えませんが、参考にするといいでしょう。

柿は離乳食で食べられるか
レシピ

柿のコンポート(離乳食)

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  • 監修: 川口由美子
柿のコンポート(離乳食)

生のままでは硬い「柿」。
うすく切って、さらに細かく切ってから煮るとやわらかく食べやすいものになります。

対象 対象
離乳食, 幼児食
カテゴリ カテゴリ
おやつ
調理時間 調理時間
2分(準備時間:3分)

材料 材料

15g
大さじ1程度

作り方 作り方

  1. Step1

    柿は皮をむき、種をとります

    柿は皮をむき、種をとります
  2. Step2

    柿は皮をむいて薄切り(右)にしてから、粗く刻みます(左)

    柿は皮をむいて薄切り(右)にしてから、粗く刻みます(左)
  3. Step3

    耐熱容器に1を入れ、水をひたひたになるまでいれ、ラップをして電子レンジ(600w)で1分加熱する

    耐熱容器に1を入れ、水をひたひたになるまでいれ、ラップをして電子レンジ(600w)で1分加熱する
  4. Step4

    指でつぶせるくらいまで加熱されているか確認する

    指でつぶせるくらいまで加熱されているか確認する

離乳食で柿を使う時の注意点

ここまで、柿を使う方法をかいてきましたが、 実は消費者庁「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」の中の「誤嚥・窒息につながりやすい食べ物」の中にラインナップされています [*2] 。

【関連記事】 乳幼児期に気を付けたい果物:保育園給食のガイドラインから学ぶ!

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かたさに注意

この資料によると

「咀嚼により細かくなったとしても食塊の固さ、切り方によってはつまりやすい食材」として、

・りんご

・梨

・柿

があがっており、りんごと梨は「完了期までは加熱して提供する」とされているものの、柿は「完了期まではりんごで代用する」となっており、実は保育施設などでは1歳半以前には提供しない食べ物されています [*2] 。

ですが、これは、すりおろし であったり、9ヶ月以降に薄く切って加熱であれば問題はないと筆者は考えます。

万全を期して、1歳までは与えないということでも問題はありませんが、もし家庭に柿があり、食べさせたいなと思ったら、薄く切って加熱、もしくはすりおろしで食べさせてあげてくださいね。

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便の状態をみて

柿を食べ過ぎると、お腹がゆるくなってしまうことがあります。最初から1/4個など多くを食べずに、20g程度までにとどめておけると安心かもしれませんね。

渋みがあることも

柿は渋みを含むことがあります。これはタンニンなどの成分によるものですが、このタンニンはカルシウムの吸収を邪魔する方向に働きます。
また、加熱時間が長くなると、このタンニンも増えて苦くなってしまうこともあります。

多くなければ全く問題ありませんが、「カルシウム不足が心配」というときは避けてもいいかもしれませんね。もちろん苦みがでたときも避けてもいいでしょう。

先ほどの「柿のコンポート」はヨーグルトとの相性もよいレシピです。
タンニンを含むからダメということではなく、全くとれないというわけではないわけですから、ヨーグルトと一緒に楽しむのも良いですね。大人ももちろん同じレシピで大丈夫です。

柿 赤ちゃん  いつから 

参考文献

[*1] 厚生労働省,授乳・離乳の支援ガイド,2007

[*2]内閣府,教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン,P.23,平成28年

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マイナビ子育て「離乳食の柿はいつから?初期・中期・後期レシピ【管理栄養士監修】」 

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川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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