生野菜、いつから食べさせて良い?
離乳食の時期は何かと、
「この食材はいつから食べさせてよいのかな?」と気になります。 本やWEBで調べるとその答えは様々で本当は何が正しいのかな?と思ってしまいますよね。
「何をいつから?」という質問の回答の多くは、明確に断言出来るものはないので、メディアや専門家によってもまちまちになってしまうのです。
今回は生野菜について考えてみましょう。
生野菜はなぜダメなの?

赤ちゃんに生野菜はあげてはいけないといわれている理由は、
- 食品の衛生状態
- 赤ちゃんの消化状態
- 赤ちゃんの噛める状態
3点の心配があるからです。

普通にトマトを裏ごししてあげてしまいました!あれは生です!ダメだったんですね

いいえ。「生野菜をあげてはいけない」わけではありません。 ここで説明するのは「赤ちゃんに生野菜をあげてはいけないといわれている理由」です。 下記を理解していれば問題ないシチュエーションもたくさんあると思いますよ

よかったです!生野菜をあげてもいいんですね

はい。生野菜はあげても大丈夫です。
ただ、下記にお話するようなことが守れるかなぁ?という不安はあるので、読んでみてくださいね
赤ちゃんは生野菜を避けた方がいい理由
赤ちゃんに生野菜をあげてはいけないわけではありませんが、避けた方が無難ではあります。その理由は上記にも示した3つになります。
・食品の衛生状態
衛生状態は、切っている包丁やまな板などの管理、冷蔵庫などでの保管状況などによって大きく変わってきます。
また、農薬をつかっているか、きれいに洗ってあるかなどにも関係するかもしれませんね。
赤ちゃんは、まだまだ 細菌類に弱いので条件が重なるとお腹を壊してしまうかもしれません。
まな板などはきれいに洗浄されたものを使い、そのあとすぐに調理したり食べたりすることで、食品衛生として安心して食べることができます。すぐに食べられない場合は生野菜の管理は充分に気をつける必要があるでしょう。
・赤ちゃんの消化状態
生のものは、加熱したものと比べて消化が困難です。
無理なく消化させたいと思ったら、加熱がオススメです。
赤ちゃんの腸は消化機能が万全ではないので、食物繊維も赤ちゃんにとっては多すぎると負担になり、便の状態に影響を及ぼすことがあります。

食物繊維が多い物は避けてあげたり、じっくり煮てあげるといいでしょう。
・赤ちゃんの噛める状態
赤ちゃんはだいたい9ヶ月頃から、歯ぐきで物をつぶすことができるようになります。
そうすると、バナナくらいの固さであり、大人の指でぎゅっとつぶせるくらいが1つの目安です。
生野菜は硬い物が多く、なかなか大人の指でつぶせませんので、食べさせる時にはそのくらいの固さになっているかも重要な目安です。
指でつぶせる生野菜というのは、ほとんどないと思います。
これらのことから、9ヶ月までに食べられる硬さの生野菜はほとんどないといえるのではないでしょうか。
いつから生野菜を食べられる?

つまり、野菜はできたら加熱したほうが安心です。
でもいつまでも加熱したものよりも、シャキシャキとした食感が新しく楽しく美味しく思える時がくるかと思います。
生野菜は赤ちゃんにいつからあげたらいいかというのは、新鮮なものでよく洗ったものであって咀嚼にあるようであれば、1歳前後から様子をみてあげてみてもいいかもしれません。
最初にオススメの野菜は下記のとおりです
- トマト
- きゅうり
- レタス
トマトやきゅうりは、最初は皮を剥いてあげると安心ですね。

トマトは、柔らかいので9ヶ月頃から生で食べることができるかもしれませんね。
シャキシャキの食感が好きな子、苦手な子、それぞれですので焦らずにお子さんの様子を見て試してください。
あえて手づかみでキュウリなどを家族の人が美味しそうに食べてみると、赤ちゃんも食べたそうにするかもしれませんよ。
新鮮で甘い大根が手にはいれば、大根でもいいでしょう。
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どんな形がいい?
1歳前後にあげるときは、大人の指でぎゅっとつぶしてみて、つぶれるくらいの固さが理想です。
薄い斜め切り にしてみて指でつぶせるか確認してからあげるといいですね。
まだまだニンジンなどは硬いので、生では難しいかと思いますし、レタスも案外指ではつぶしにくいかもしれません。

まずは大人の指でつぶせるかという目安を、試しつつ生野菜は焦ってあげなくてもいいでしょう。

赤ちゃんに 硬い野菜スティックを あげてしまうと なにかの拍子で噛み切れた場合に、「小さくて硬いもの」になって誤嚥事故につながります。 生なのか加熱なのかではなく指でつぶせるか を試してみてくださいね
野菜は加熱すると栄養が逃げる?
赤ちゃんには加熱をしてあげましょうというと、このような質問が来ます。

でも生野菜のほうが、酵素やビタミンが摂れるのですよね?
確かに若干は生野菜のほうがとれるビタミンは多いこともあるでしょう。
しかしながら、ゆでることで、カサが減りたくさん食べられるとするなら、あまり細かいビタミンなどの量を気にするよりも、しっかりたくさんおいしく食べられる方法を考えた方がいいでしょう。

赤ちゃんはまだ消化吸収能力に乏しいので、すべての栄養素がからだに吸収できるわけではありません。
そこまで気にするよりも、吸収しやすくしてあげることも併せて考えれると良いでしょう。
著者

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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