子どもの好き嫌い は なぜ起こる?

子どもの好き嫌いに困ったら考えたいこと

子どもの好き嫌いに困っているという声をたくさん耳にします。
そもそも、なんで「嫌い」になってしまうのでしょうか?

科学的な視点から好き嫌いについて考えてみましょう。

子どもの好き嫌いはあるのが当たり前!

「子どもは好き嫌いがあって当然である」と考えられます。
なぜかというと、子どもと大人では味の感じ方、味覚の「敏感さ」が異なるためです。

子どもは苦味を本能的に拒否

昔嫌いで食べられなかった物を、大人になってから食べられるようになった、という経験はありませんか?
これは大人になって味覚が発達し、味の感じ方が変化したためです。

新生児は生まれながらに苦味を拒否する反射を備えています。
苦味のある物質には毒性があることが多いため、本能的に拒否するのです。
この反射は生後6ヶ月頃まで起こります。

子どもは薄い味にも反応する敏感な舌の持ち主

また、幼児と大人の味覚や食嗜好を研究において、低濃度〜高濃度の味溶液を口に含んで味わった際に、幼児の方が低濃度の溶液で味を認知することが報告されています。
このことからも、子どもの味覚は大人より「敏感」であることがわかります。

これらのことから、
普段大人が気にしていない、ちょっとした苦味や酸味といった本能的に嫌う味を、強く感じている可能性が考えられます。

だから、受け付けない食べ物が多く出てきてしまうのかもしれませんね。

食べ物の「おいしさ」は学んで知るもの!

「おいしさ」を感じることは「おいしい味」を感じる、ということだけではありません

「おいしさ」は舌で感じる味覚だけではなく、嗅覚・視覚などの五感の他に、生理状態や心理状態、経験や知識などを総合して感じ取っていきます。

子どもの好き嫌いを考える時に注目すべきなのは「経験」と「知識」です。

たくさん食べて「おいしさ」を学ぼう

子どもは大人と違って食び経験が、まだまだ圧倒的に少ないですよね。

1日3回の食事だとすると、たった1年で約1000回分食経験の差が生じます。

何回食べたら「食べ慣れる」のかという明確な基準はありませんが、幼児期に苦手だったものが大学生になって食べられるようになっているという意識調査の結果からも、繰り返し食べて「おいしさ」を学んでいくと考えられます。

キャベツ 好き嫌い 子ども 解決

おいしそうと思えるお話をしよう

また、その食べ物が「おいしそう」と感じるに至る知識も乏しいです。

例えば春キャベツを食べる時、大人は
「野菜はビタミンや食物繊維が豊富だからちゃんと食べよう」
「春キャベツは今だけで、葉が柔らかくておいしいのよね」など、
食べることのメリットや季節感など、直接的な味に関わること以外の、おいしさに関わる「知識情報」を持って食事を選択しています。

でも、子どもはなかなか理解できないものです。

子どもは目の前に出された物からの情報に限られます。そのため、「おいしい」と感じるストライクゾーンが狭くなることが考えられます。
情報を知らない子どもは、それらの話では「おいしさ」を感じにくいのです。

おいしさを判別する知識は、大人と子どもでは異なるので、いろいろな食の話題と経験を少しずつ増やしていきたいですね。

食べて語って、いろいろな味を経験!

食べ物の話題で おいしさの感度を広げる

子どもの食経験をすぐに増やすことは難しいですが、知識は少しずつ増やせます。

「今日の給食は何がおいしかった?」
「今日の晩ごはん何が食べたい?」
「春になってたけのこが並んでいるね」
など、毎日少し、食べ物に関する話題で会話してみましょう。

好き嫌いをなくす秘訣!?

嫌いなものが今すぐに大好きになる魔法はありませんが、みんなで一緒に食卓を囲み、「おいしいね」「これは何?」と食べ物について語り合うことが早く好き嫌いを無くす秘訣と言えるかもしれませんね。

 

<参考文献>

・子どもの味覚を育てる:ジャック・ピュイゼ
・幼児の食味嗜好性および味覚閾値:田口田鶴子、岡本洋子
・「鰹だし」風味の食餌の初期経験が後の嗜好性に及ぼす影響:川崎寛也、山田章津子、伏木亨
・野菜の嗜好の発達的変化に関する研究 : 小学生時と大学生時との比較:堀尾 強, 沢本 凌

プロフィール

奥野由
奥野由
母子栄養指導士 / 管理栄養士
離乳食教室 FooMiLab 主宰

前職は加工食品の研究開発職。
自身の出産を機に離乳食アドバイザーを取得し、活動を開始する。
大阪府高槻市にて離乳食教室開催、育児広場での相談会などを実施。
食品科学、調理学をベースに手軽で美味しいレシピの考案に尽力している。