離乳食を食べない時に考えたいポイント

離乳食を食べる赤ちゃんもいれば、食べない赤ちゃんもいるので、悩んでしまいますよね。

今回は、実際に離乳食を食べないで困っている親御さんへのアドバイスの例をお伝えします。

アドバイス側にたつ人も、育児に悩むママさんも、是非お読みください。

離乳食を食べない時のアドバイスは?

どうしても結論をいそいでしまいますが、「〇〇すればいい」というようなアドバイスはあてはまることもありますが、あてはまらないこともあります。

まず、そのことを伝えてみましょう。

そして下記のようなヒアリングが必要です。

1.離乳食をどうやって作ってる?

「ママ・パパが頑張って作っているのに、食べてくれない」となってしまうと、作る気がなくなってしまうことがあります。
まずはその苦労をねぎらって、作っても食べてくれないことに共感できるといいですね。

管理栄養士

離乳食づくりは、とても大変なんですもの。そりゃ食べてくれないと悲しいですよね

状況によっては、離乳食づくりをがんばって作りすぎているがゆえに、その合間にベビーせんべいやバナナ、ミルクなどでごまかしてしまっていることがあります。


それではごはんは食べられないので、そのような状況も簡単にヒアリングできるといいです。

離乳食アドバイザー

2.発育曲線に沿っているか確認

発育がパーセンタイル曲線に沿っているか、発育が滞っていないかを確認します。

もし、発育がずっと横で2-3ヶ月身長体重が増えていない場合はお医者さんに相談しましょう。

小さくても発育曲線に沿って増えているようであれば問題はないことが多いのですが、気になるようであれば相談するといいでしょう。

3.何ヶ月か聞く

生後7ヶ月くらいまでは、「食べる練習」なので、少しでも食べられればOKといっていいでしょう。

量が足りないとママ・パパが焦って悲観するよりも、食べたという喜びを多く経験していくことが大切です。いろいろな食材を試しながら、固さやとろみなども考えながら、今日は食べた食べない。。。というのを楽しんでいくことが大切です。

母乳をあげていれば栄養は足りていると思っていいのは、このあたりくらいまで。

生後6ヶ月くらいから母乳に含まれる鉄分やタンパク質がどんどん少なくなっていきますので、少しずつごはんに切り替えていかなくてはいけません。

乳児のエネルギー不足推移

ちょうど鉄分のストックもなくなる時期なので、しっかりと食べ物から鉄分やタンパク質をとっていく必要があります。
5.6ヶ月頃は食べる練習、7-8ヶ月頃は少しずつ栄養が補えるように、9ヶ月からは3食食べていきたい頃だと思っておいてください。

9ヶ月以降、3回食になってくると、さすがにしっかりと食べ物で栄養を補っていきたいところです。

小食なので、そこまで回数を増やせないという悩みも聞きますが、小食だからこそ、3回食にしましょう。1回の量は少なくても構いません。食事のリズムをつけていくことが大切です。

4.お腹が空いているか

母乳だと離乳食をあげる前にすぐあげてしまったり、反対にミルクだとつい一気にたくさん飲ませてしまったりと、実はお腹が空いている時間に母乳やミルクをあげてしまっていることがあります。

ごはんの量をたくさん食べさせたいなと思ったら、赤ちゃんのお腹がすくように、授乳間隔をあけてみましょう。

また、お散歩にでかけたりして気分をかえたり、おもちゃであそんだりしてゴロゴロと動かしてみたり、ベビーマッサージなども効果があるかもしれません。

「泣いたら母乳」というのを全く気にせず続けていくと、オムツ替えや環境への不快のサインなどを見過ごしてしまうこともあり、あまり回数が多すぎたりすると離乳食が進まないこともあるので注意したいものです。

母乳は欲しがるままに与えていいのですが、離乳食食べてくれないと思ったらちょっと立ち止まって考えることはときには必要かもしれませんね。

5.ママ・パパが最初は1さじから にこだわりすぎていないか

はじめてあげる食材は1さじからで、次は2さじ、、、とこだわるママ・パパは多いです。

たしかに、アレルギーが出やすい物は、最初は1さじからあげましょう。

1さじというのは、ベビースプーンで3-4さじのことなので、食べたそうにしていたら、このくらいまではあげることができますし、アレルギーの可能性の低い野菜類などは、この限りではありませんので、1さじから というのは、アレルギーがでやすいものだけとし、他の食材は1さじからにこだわりすぎず、赤ちゃんが食べたそうにしていたらあげて栄養はしっかり補っていきましょう。

離乳食 小さじ1 始め方

6.固さはあっているか

だいたいの固さの目安として、

離乳食の固さの目安

・5ー6ヶ月は ヨーグルト状
・7ー8ヶ月は   豆腐くらい
・9-11ヶ月は バナナくらい
・1歳-1歳半は 肉だんごくらい
の固さが目安です。
いつまでもドロドロしていたりすると、赤ちゃんが食べなかったりすることもあります。

しかし、ぱさぱさしていると飲み込むタイミングがわからないことがあるので、とろみをつけてあげるのもいいでしょう。

7.食べたくなるようなシチュエーションを作りましょう

手づかみで自分で食べさせると食べてみたり、スプーンより手のほうが食べたりすることはよくあります。
(反対に手づかみを嫌がり、食べさせてもらう方が好きな子もいます)

手づかみ

食べ物だけをだしておいて、ママ・パパが一緒に美味しそうに食べるところをみせるだけで放っておくと食べてくれることがあります。

赤ちゃんだけのご飯タイムにせず、食卓が囲めるといいですね。ママ・パパの美味しそうな顔をいっぱいみせてあげましょう。

お子さんの様子をみる必要性

「ごはんの量はどのくらい?」「必要な栄養素は?」と気になることも沢山あり、ついインターネットで検索しまう時代ではありますが、どうぞお子さんの様子をよくみて考えてみてください。

今日はどのくらい動いたかな?暑くないかな?寒くないかな?

このスプーンは食べやすい? などなど赤ちゃんの気分やごはんのちょっとした変化で同じものを食べたり食べなかったりしていきます。

そのようなことで確かに一喜一憂してしまいがちですし、それも良いのですが、少しでも食べたら一緒に喜んで、食卓を笑顔にすることが、何よりの解決策になっていくことでしょう。

離乳食は親と子の食卓作りの始まりに過ぎません。

いろいろなトライアンドエラーを繰り返しながらも、みんなが「美味しいね」とパクパク食べていることで、赤ちゃんもそのうちに並んでパクパク食べてくれる日が来ることでしょう。

プロフィール

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
All About 「離乳食」「幼児食」「妊娠中の食事」ガイド

女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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