めかじきは離乳食でいつからあげていい?管理栄養士解説

めかじきはどのようなお魚で、どのくらいの時期に食べられるのでしょうか。管理栄養士が解説いたします。

まず、問題は赤身魚なのか、白身魚だからなのか・・・という点ではなく、離乳食の本来の意味を考えるとわかりやすいですよ。

魚はいつから離乳食であげられる?

赤ちゃんに魚を与える時期は、生後6ヶ月頃からがオススメです。

離乳食は、だいたい5、6ヶ月頃からあげることが望ましいのですが、5ケ月はまだまだ食べることを楽しむ程度で構わないためです。

5ケ月頃は、あまり焦らずつぶしたおかゆや野菜くらいでもいいでしょう。慣れてきたら豆腐や魚などもを少しずつはじめます。

以上の点から魚を離乳食であげる月齢は、だいたい6ヶ月頃からといえるでしょう。

5ケ月から食べても構いませんが、焦る必要はありません。

さて、めかじきは何ケ月くらいから食べられるのでしょうか。

めかじき いつから 離乳食

魚を何ケ月か食べられる?と思ったときに考えたいこと

まず、離乳食においては何ケ月から何を食べられる、食べたほうがいいというようなことはありません。

離乳食の魚を選ぶときは、
・硬さがどうなのか
・衛生的か
で判断していきますので、明確な答えはありません。

めかじきは、離乳食を始めていたら、何ケ月からでも食べることはできます。

今回は考え方の参考として、めかじきを食べさせる時期や注意点について解説します。

赤身魚と白身魚の違い

魚は、色素タンパク質のミオグロビン含有量によって赤身魚と白身魚に分けられます。

ミオグロビンというのは血の色をしているので、血合いが多いものや、身が赤いものなどで判断することができます。

  • 赤身魚:サバ、イワシ、サンマ、マグロなど
  • 白身魚:タラ、ヒラメ、カレイ、サケ、マスなど

赤身魚の種類と特徴

赤身魚は、サバ、サワラ、ブリ、イワシ、サンマ、マグロ*、などがあげられます。

いわゆる青魚、青背魚といわれるものもここに含まれます。

(*マグロには、タイセイヨウマグロ、コシナガ、キハダ、メバチ、ビンナガ、ミナミマグロ、タイセイヨウクロマグロ及びクロマグロが分類されます2)


赤身魚は、身の色が赤く血合いがあり、焼くと身が硬くなるのが特徴です。

白身魚の種類と特徴

白身魚は、タラ、ヒラメ、カレイ、サケ、マスなどがあげられます。

サケやマスなどは、身が紅いですが、
ミオグロビンの色ではないオレンジ色(アスタキサンチン)です。

そのため、サケやマスは、2つにわけるなら白身魚に分類されます。

このほか、赤身魚・サケマス類・白身魚などにわけることもあります。

【関連記事】鮭、サーモンは、何歳から食べられる?

赤身と白身の判断は一概にはいえない

赤身魚と白身魚の判断は、ミオグロビン量です。

しかし、いわゆる「中間」に属する魚は多く、
マアジやカンパチは中間色魚と区分されている文献もあります2)

したがって、白身だから赤身だからと区分して
何かを分けるのは少し難しいものなのです。

ミオグロビン量も、食品成分表などで出てこない量のため、
文献を探すことも難しいものです。

【関連記事】離乳食の鉄補給 ツナ缶やレバー、あさり・オートミール・ライスシリアルは?

めかじきは赤身魚

身が白いので白身魚に分類されることもある、めかじきは、分類上は赤身魚といえます。

めかじきは、焼くと身が硬くなり、少し畜肉のような食感になるのが特徴です。

まかじきとめかじきの違い

まかじきとめかじきがありますが、いずれも赤身魚といえるでしょう。同じかじき科になります。

めかじきは何ケ月から食べられるのか

めかじきは、赤身魚なので、離乳中期からでしょうか。離乳後期からでしょうか。

答えは

めかじきは、離乳初期(5.6ヶ月頃~)食べることができます。

でも、赤ちゃんは初期は白身魚で、赤身魚は中期とか後期とか言われいるのでとても不安です。

管理栄養士

管理栄養士

ですよね。わかります。
私たちもメディア毎に違うと、申し訳ないなと思ってなるべく初期には白身魚でレシピを書くことが多いです。
実は本来は白身なのか赤身なのかという区分を気にしなくていいのですが、ちょっと硬くて面倒っていうことくらいなので、次を参考にしてみてくださいね

赤身魚でも離乳初期から食べられる理由

赤身魚でも、離乳初期から食べることはできます。

よく、離乳食の本に
「離乳初期は白身魚」
「中期は赤身魚」
「後期は青魚」と書いてあったりする理由は、
白身魚は身がやわらかく食べやすいという意味です。

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」によると、
「離乳が進むにつれ、魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へ、卵は卵黄から全卵へと進めていく」3)
と文章にあるのみです。

赤身魚(とくにそのうちでも青魚)は、
鮮度が悪いとヒスタミンという成分を生成してしまいます。

このため、赤ちゃんがかゆがったりすることがあるので、
最初のうちは白身魚のほうが身が柔らかいし調理もしやすいからおすすめですという意味で紹介しています。

管理栄養士

管理栄養士

離乳初期は白身魚、中期は赤身魚…というのは、オススメであって、決まりではありません。白身魚のほうがやわらかく調理しやすいという意味です。

めかじき 赤身魚 白身魚 離乳食 いつから

めかじきは、加熱すると身が硬くなり、焼くと豚肉にも似た食感や見た目になります。

噛み切りにくいので注意が必要ですね

めかじきは妊婦では水銀が注意ですが、赤ちゃんは大丈夫

妊婦さんの場合は、めかじきを毎週食べるのだとしたら、
1回80gとして週1回程度くらいまでにとどめると良いとされています4)

しかしこれは、毎週毎週食べ続けた場合のことであって、
胎児への影響としても、
例えば、音を聴いた場合の反応が1/1000 秒以下のレベルで遅れるようになるようなものです。

ゆえに将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。

このため、極度に避ける必要はないとされています4)

生まれれば水銀は、排出することができるため、
赤ちゃんは水銀はそこまで過度に心配する必要はないとされています4)

赤ちゃんに必要な魚の栄養

めかじき等魚類は、タンパク質、DHA、EPAなどの脂質などを含み、
鉄などのミネラルも含みます5)

とくに赤身魚は、白身魚よりも鉄を多く含みますので、
鉄を摂りたい乳児期にはお勧めの食材です。

「離乳食のリストにないから食べない」ということがないようにしましょう。

もし購入する機会があればぜひとりいれたい食材の1つです。

【関連記事】鉄分補給離乳食レシピ「レバーのポタージュ」

めかじきを離乳食であげるときの注意点

めかじきを離乳食に取り入れる際には、以下の点に注意しましょう。

  • 鮮度がよいものを使いましょう。
  • 月齢によって身を細かくほぐしましょう。
  • 加熱しすぎると身がパサパサになるので、たべにくい場合はおかゆやとろみのある食材と混ぜましょう

月齢別のめかじき離乳食レシピ

身が硬いめかじきは、月齢にあわせて身をほぐしたりつぶすと食べやすくなります

めかじきペースト(離乳初期 6ヶ月頃~)

①めかじき 50gを適宜切り、水約150mlとともに茹でて、中まで火を通します。

②1をゆで汁とめかじきとを容器にいれブレンダーでペースト状にし、4-6回分の小分けにして冷凍します。

管理栄養士

管理栄養士

食べるときは全量食べることを目指さず、残しても全然大丈夫な量です。完食を目指さなくてもいいですよ。こぼしたり口から出すものです。
足りなければもう少し多めでもいいですので調整してくださいね。

めかじきのおかゆ(7ヶ月頃~12ヶ月頃)

①めかじき 50gを適宜切り、水約150mlとともに茹でて、中まで火を通したのち、包丁で細かく切ってほぐします

②3-4回分に小分けにして冷凍します。

③食べるときに、お好みの硬さのおかゆに混ぜます。

めかじきのパサつきは、おかゆの粘度とあわせることで食べやすくなります

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まとめ

めかじきは、何ケ月からでも食べることができます。

しかし、身が硬いので離乳初期に頑張ってペーストにしてまで食べるよりも、離乳中期や後期になってほぐしてごはんに混ぜるくらいがオススメです。

めかじきには、DHAやEPAなども含まれています。

また、鉄も白身魚より多いので、もし見つけたら、親子で一緒に食べてみてくださいね。

離乳食に取り入れる際には、鮮度がよいものを使い、身をほぐしてあげましょうね。

おくちの中で噛み切れずお団子のようになってしまうこともありますので、オエっとしたら、お口からだしてもいいよ と声掛けしてあげてください。

参考文献

1)農林水産省,消費者相談「畜産・魚介類」鰆は赤身魚か白身魚か(2023年9月10日閲覧)

2)一般社団法人 東京水産振興会,「さかな丸ごと食育ニュースレターNo.5」2016年10月25日(2023年9月10日閲覧)

3)厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド 2019年改定」(2023年9月10日閲覧)

4)厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて」,2004年11月2日(閲覧日 2023年9月11日)

5)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂),(閲覧日 2023年9月10日)

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川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている