ぶどうはいつからあげたらいい?離乳食や幼児食でのあげ方
秋の味覚ぶどうを、赤ちゃんにあげたいと思ったら、心配になることもありますよね?
離乳食や幼児食の時期にどのようにしてあげたらいいのでしょうか。
ぶどうを無理にあげる必要はありませんが、大人が食べているのをみてあげたくなったりしたら、あげてもOKです。
そのほか気を付けたいところを管理栄養士 が解説します。
ぶどうの旬
ぶどうの旬は、夏~秋にかけてになり、品種によって異なります。デラウェアは7‐8月頃。巨峰などは8-9月頃が旬になります。9月頃にはたくさんのぶどうの種類が並ぶので楽しみですね。
ぶどうのアレルギー
ぶどうは、アレルギーを起こす可能性がゼロではありません。しかし、乳幼児期にはとくにブドウのアレルギーは多く見られません。
果物のアレルギーはおもに7‐17歳頃に多く発症します。
そして果物アレルギーの原因物質はキウイが約3割となり、そのほかにバナナ、モモ、リンゴ、サクランボの順になります。
ぶどうはこれらの統計には入ってこない程度になりますので、
過剰な心配は不要でしょう。
ぶどうは離乳食でいつから赤ちゃんにあげたらいいの?
赤ちゃんは生後5-6ヶ月頃から、ぶどうを食べることができます。
では、ぶどうは生後5-6ヶ月頃からあげたほうがいいのでしょうか?と考えると、
答えはNoとも言えます。
似たような質問ですが、ちょっと違うのはわかりますか?
食材リストや、何品クリア!みたいなものがあるかもしれませんが、特に食べなくても構いません。
早く食べたからといってアレルギーになりにくいかどうかなどは、
昨今の研究ではわかっていませんので、焦らなくて大丈夫です。
管理栄養士
ぶどうは、赤ちゃんは生後5-6ヶ月から食べられますが、焦ってあげなくても全然大丈夫です。
おうちにぶどうがあったらちょっとあげてもいいですね。
ぶどうを幼児にあげるときの注意点
皮がついたままだと、ぶどうは固くてつるっと丸いため、
窒息に気を付ける必要があります。
ぶどうの下ごしらえ
皮をむいてぶどうの種を取り除き、細かく切ってからあげましょう。
シャインマスカットなどは、種もほとんどなく、
皮をむかなくても食べられるといわれていますが、
種があるかな?と探しながら割って食べるようにするといいでしょう。また、皮があるとつるっとしてしまうので、皮はむくようにするといいですね。
離乳食初期、ぶどうのあげ方(生後5‐6ヶ月頃~)
離乳食初期の赤ちゃんには、ぶどうの果汁やトロッと煮て
つぶしたペーストならあげることができます。
但、この「あげることができる」というのは、積極的にあげるという意味ではありません。
まだ食べることにあまり慣れていないようなこの時期に、
果汁でおなかいっぱいにさせてしまうのはあまり良くはありません。
離乳食中期以降(生後7ケ月以降)のぶどうのあげ方
離乳食中期以降の赤ちゃんにぶどうをあげるときは、皮と種を取り除き、細かく刻んであげましょう。
ゆびでつぶせないほどに硬い場合は、軽く茹でるとやわらかくなっていいでしょう。
4才までは4つに切って
日本小児科学会では、食品による窒息を予防するためにガイドラインを発表しています1)。
この中で丸くてつるっとしているため、ブドウは、1/4に切ってからあげるようにとされています。
ぶどうの皮には、カリウムや食物繊維などの栄養素が多く含まれていますが、
窒息のリスクがあるため、小さい赤ちゃんには与えないようにしましょう。
管理栄養士
ブドウカッターのようなものをつかってもいいですが、皮をむくという作業は手先の作業になるので、子どもにとってはなかなか難しいものですが、手先の難しい動きも経験できるといいですよね。「種あるかなぁ?」と探せるような声がけをすることで、種をさがしたり、知らず知らずのうちに小さく切ることができますね。
ぶどうは丸いので、すぽっと喉にはまってしまうことが考えられます。特に皮があるとかたいので、丸呑みしてしまうと喉にはまってしまう可能性があります。
このほかにも窒息のために気を付けたいこと
食材を切るだけではなく、窒息事故を防ぐには
・食べることに集中させる(遊ばせない)
・水分を摂ってのどを潤してから食べさせる
なども大切になります。食事中に立ったり、歩き回ったり、驚かせたりしないようにしましょう。
デラウェアは赤ちゃんにあげてもいい?
デラウェア(小さい粒のもの)は、種もなく、粒も小さいので、窒息の危険性は少ないものの、ゼロではありませんので、しっかり食事に集中してたべるようにしましょう。
皮をむくときと同時につるっと喉のほうにいれてしまうような食べ方をすると危険なので、皮を手でむいてから落ち着いてたべるようにすれば特に小さく切らなくてもいいかもしれませんね。
保育所給食ではぶどうの提供を避けるとされている理由
総務省が発表した、事業者向けのガイドライン「教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン」の取り組み紹介の1つとして、「ぶどうは給食での提供を避ける」と記載があります。理由は「球形という形状が危険」とされています2)。
実際、「ぶどうを保育施設であげてはないけない」というのは、ちょっと酷かなとは思います。ぶどうを食べるのは、なるべく自宅で経験したいということになりますが、なかなか難しいですよね。
保育所などであげたい場合は、小さく切ったりできるといいですね。
【関連記事】乳幼児期に気を付けたい果物:保育園給食のガイドラインからのから学ぶ!
まとめ
ぶどうは、秋を感じる果物で、絵本などにもよくでてきますので、ぜひ経験したいものですが少し窒息が心配でもあります。
しっかり皮をむいて切り、赤ちゃんといっしょに楽しく食べたいですね。
参考文献
1)日本小児科学会,提言・ガイドライン「食品による窒息 子どもを守るためにできること」2020年10月30日 (2023年9月7日閲覧)
2)内閣府「教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン」(2023年9月7日閲覧)
著者執筆の記事一覧
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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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