食の情報で不安になったら考えたいヘルスリテラシー

添加物や砂糖など、いろいろな情報が多く、不安になったりすることはありませんか?

そんな時に考えたいヘルスリテラシーについてお話しします。

◎◎は危険!?と不安になったら

特にInstagramなどのSNSでは、「◎◎は危険!」「知ってた?◎◎には注意!」など、まるでそれが新しい情報であり、知らないとよくないのかと思わせるような情報がたくさんあふれています。

今回は、実際に寄せられたご質問に基づいて、会話形式で一緒に考えてみましょう

食事のヘルスリテラシー

白砂糖が不安な方のご相談事例

以下は、いただいたご質問をもとに変更や脚色などしています。

添加物や白砂糖など体に悪いっていわれると、そこまでなの?と疑問はあるものの、あまりにもSNSに書いてあると、不安になってしまいます。

管理栄養士

管理栄養士

ご相談ありがとうございます。そうですね。不安になりますよね。

まず、砂糖ですが良いか悪いかは、誰がどんな時にどんな状況で食べるかという背景によって変わるんです。
ちょっと難しいのですが、食べ物はどんなものも量で危険か安全かを議論できるといいんですよ。

でも、量が多かったら危険ということでしょうか。やっぱり不安です。

管理栄養士

管理栄養士

なにごとも、量は大切なんですよね。
例えば、塩は毎日摂りますし、生きる上で少量の塩分は欠かせないものですが、たくさん食べたら害になってしまいます。
しょうゆも塩分やアルコールを含みますので、がぶがぶと飲んでしまったら害なのです。

しょうゆはあまり危険とはいわれないような…白砂糖は何でよくみかけるのでしょうか。やはり危険なのですか?

管理栄養士

管理栄養士

さて砂糖について、どんな情報を見られたでしょうか?
ちょっとよくわかりませんが「白砂糖が悪」ということは、ないかなと思います。
しかしながら、どれだけ食べてもいいかと言われると、答えはNoとも言えます。
答えが長くなりますが、「白でも茶色でも、とりすぎやとり方を考えるべき」です。
例えば、お菓子とかは知らない間に砂糖をとってしまうことにもなりますし、同時に油分も知らない間にとってしまったり、アイスクリームなどは、ものすごい砂糖が入っているのですが、なかなか冷たいので感じにくかったり・・・・
お菓子作りするとわかりますが、すごい量が入っているんですよね。お菓子って。
なので、安易な砂糖のとりすぎの注意は必要かなと思います。

砂糖は、あまり多くなりすぎないほうがよくて、お菓子などは食べ過ぎに注意ということですよね。
では、白とか茶色とかの違いはあるんですか?

白砂糖と茶色の砂糖の違い

管理栄養士

管理栄養士

そもそも白と茶色は何が違うかと言うと、精製度が違います。
A子さんのみられたものが、どのようなものかわかりませんが、「精製に漂白剤が〜」なんてことが書いてあったりするのかもしれません(違ったらごめんなさい)。
まず、そのような手法で白くするわけではありません。
農林水産省のページがとてもわかりやすいので、是非下のリンクをみていただきたいのですが、そもそも砂糖って無色の結晶なのです。
外部リンク:農林水産省「砂糖の種類」
茶色くみえるのはミネラルなども含む不純物です。白いことが異常なわけではなく、そもそもの形(純粋な砂糖の結晶)ともいえますね。

ありがとうございます。
ちょっと安心しました。今後、こういう情報に踊らされないために、情報源って何を見たらいいですか?

正しい 食の情報源


まず、正しい栄養の知識が総合的にまとまったものは、きっと教科書かもしれません。

もしくは、国で出している指針やガイドラインかもしれません。

しかし、私がお答えしていることが
そのまま教科書に載っているかというと、そうではありません。

何が正解「正しい栄養学を知ること」を目指すのではなく、
『調べて出会った情報は確からしいかをある程度判断出来る』ことが大切なのかなと思います。

確からしさを判断することは難しいですよね。

まずはそのような情報を見かけた時に確認したい点を 『価値もない(かちもない)』で判断すると言われています。

ヘルスリテラシーを高める「価値もない」

昨今SNSなどの普及によって、ヘルスリテラシー(内容を精査するちから)が問題になっています。

栄養士会では「価値もない(かちもない)」という言葉を使っていたので、ご紹介します。

ヘルスリテラシーを高める「価値もない」
日本栄養士会雑誌vol.63子どもの健康を守るためのヘルスリテラシー

たしかに、考えてみたら、その人はインスタグラマーさんで、栄養士でもなかったかもしれません!
でも論文がどうのこうのとかいてありました。。。

論文といっても、その読み込みが確かであるかどうかなどはわかりにくいので難しいですよね。
わかりやすいのは、商品やサービスを売る立場の人であるかどうかというのもありますね。
アフィリエイトなどで商品を買ってもらいたいからとしているものもあったりします。
例えば、少し値段がはるような商品で「身体に悪い白砂糖は使いません」みたいな情報をつけたりすることもありそうですよね。

商品を売っているわけではなさそうなのですが・・・
なんでも「危険!」「危険!」と書いてあるイメージです。
なぜこのようになるのでしょうか。

そうですね。ちょっと難しいですが、『良いか悪いか白黒ハッキリしすぎている情報』『〇〇は危険と不安を煽る情報』は、読まなくて良いかもしれませんね。 食べ物でそこまで危険なものは存在しないのではないかな?とも思います。
『かちもない』はとても使える見分け方なので是非使ってくださいね。
それでも、親切そうに見えて怪しげな情報は多々あるなと感じる今日この頃です。

今回ご質問いただけたことは、とても嬉しいですが、私がこうして発信する情報にも「かちもない」かどうかを見てもらっていいかと思いますし、少し疑いの目でみてもらってもいいのかなとも思います。

今回の参考文献は、ほとんどありませんので、これも「かちもない」かもしれませんが、
皆さんがヘルスリテラシーを高めていくことで、少し社会が変わるかもしれません。

食や健康の情報があふれる中、自分が目にした情報が大切であるか、是非、多方面から検討していきたいですね。

参考文献

日本栄養士会雑誌vol.63 子どもの健康を守るためのヘルスリテラシー

著者

奥野由
奥野由
管理栄養士/母子栄養指導士
子育て家族の食卓研究「FooMiLab」主宰
大手加工食品メーカーでの開発・基礎研究の経験を活かし、赤ちゃんも大人も笑顔になれる食卓づくりについて、レシピ研究・情報発信・教室運営をしています。離乳食相談実績多数。ベビーフード開発・監修実績あります。
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