オートミール 離乳食の利点、注意点とオススメレシピ

オートミールは、離乳食に使った方がいいのでしょうか。

その利点と注意したい点を管理栄養士がお伝えします。

オートミールとは

オートミールは、オーツ麦を食べやすく加工したものです。

鉄分や食物繊維が豊富なことから、最近、日本でも注目を集めています。

オートミール 離乳食 利点

オートミールを離乳食に使う利点

赤ちゃんは、生まれたときから持っている「貯蔵鉄」を、少しずつ使っていきます。

生後6-7か月頃になると、その貯蔵鉄の減少が現れやすいので、
鉄を補う必要があります。

完全に失ってしまうと、なかなか取り返すことが難しくなってくるので、
鉄を適宜補っていく必要があるのです。

利点1.鉄を含む離乳食として摂りやすい

鉄を含んだ食べ物としては
・赤身の肉(赤い色をしている肉)
・赤身の魚(マグロ、カツオなど)
・フォローアップミルク
・ほうれん草などの青菜
・豆腐などの豆類

などが挙げられます。

これらと同様、オートミールも挙げることができます。

オートミールも摂り入れてもいいでしょう。

ただし、いろいろな食べ物の1つとして摂り入れるのがオススメです

*鉄の吸収率は高くありませんので、
「鉄を含んでいる食材」として、「少しは入っているかも」
というレベルで考えましょう。

利点2.用意がしやすい

オートミール 離乳食

オートミールは、粉ミルクなどで溶くだけでも
すぐにおかゆのように柔らかくなるのが利点です。

例えば、離乳初期などでおかゆを作るのを忘れたというときにもいいですよね。

オートミールを離乳食で使うときの注意点

離乳食に、オートミールを使うことはオススメです。

しかし、昨今のSNSでの影響で
「食べないとダメなのか」
「食べないとどうなってしまうのか」
「うちの子は食べていないが大丈夫か」
という問い合わせが後を絶ちません。

オートミールは、わざわざ利用する必要はありません。

食べさせたいということであれば食べさせても構いませんがいくつか注意が必要です。

お腹の調子をみて

オートミールは食物繊維も豊富です。

そうすると、便通が良くなるかと期待したくなりますが、
食物繊維をとったからといって便秘が治るかはわかりません。

食物繊維が多すぎて消化不良で下痢を起こしてしまったり、
反対にカスが多すぎて便秘に
なってしまうことも。

過信をしすぎず、赤ちゃんの便の様子はみてあげましょう

クイックタイプのものを

オートミールにもいろいろな種類があります。

蒸したあと、ローラーなどでつぶしてあったり細かくなっている「クイックタイプ」のものにしましょう。

表記にクイックタイプ、加熱済、蒸したあと・・・などの表記があるものにしましょう。

加熱時間はパッケージの表記をよく見て使ってくださいね。

いろいろな食材の1つとして

オートミールも食材の1つです。

しかし、鉄をとるのであればオートミールという安易な決めつけは偏ってしまいます。

魚、肉、豆類、青菜などのローテーションの中にいれて無理なく楽しく食べてみましょう。

オートミールだけで解決 ということではありません。

あくまでも、穀類、野菜、肉魚豆腐類をとることが重要です

【関連記事】鉄分ちょい足し!レーズンレシピ

鉄がどれだけ吸収できる?

あいにく、赤ちゃんがオートミールをたべて鉄がどれだけ吸収できて
貧血にどう影響するかのデータは探せませんでした。

オートミールには、鉄の吸収を阻害するフィチン酸が含まれるほか、
食物繊維が豊富なことにより、そのまま便となって排出されることも懸念されます。

しかし、それらを気にして「食べない」という選択では、ゼロになってしまいます。

オートミールを食べることによって、少なくとも鉄はプラスに働きます。

あまり細かい吸収率を気にして食べるというよりも、
いろいろな食材の中の1つとして無理なくとりいれていきましょう。

管理栄養士

管理栄養士

「オートミールをとらないといけない!」
「オートミールをとらないと鉄欠乏になる!」
ということではなく、いろいろな食材の1つとして偏らずにとりましょう。

オートミールのオススメレシピ

オートミールはそのまま粉ミルクやお湯ですぐ溶けば簡単に作れますが、
それだけでは「かむちから」も心配です。

9ヶ月頃になったら、豆腐と一緒にまぜあわせておやきにしてもいいかもしれませんね

【関連レシピ】オートミールと豆腐のおやき

参考文献

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改定版(2020年

著者

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている