妊娠糖尿病とは妊娠中に初めてみつかるもの

糖尿病はインスリンの分泌が低下して、糖質の処理能力がにぶったりする病気(糖代謝異常)です。

妊娠中に起こりうる糖代謝異常 には、
1.妊娠糖尿病
2.妊娠中の明らかな糖尿病*
3)糖尿病合併妊娠 の3つに分類されます。

そのうち、妊娠糖尿病 Gestational Diabetes Mellitus (GDM)は、「妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常」を指します。
つまり、妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合は、妊娠糖尿病には含まれません。
妊婦さんの約1割弱くらいが罹患するので、身内に糖尿病の人がいるなどリスクが高い場合には注意が必要です。

妊娠糖尿病はどうやって診断されるの?

妊娠糖尿病の診断には、検診時の採血にて随時血糖をはかり、これが高いときにはブドウ糖負荷試験(75g経口ブドウ糖負荷試験)をしていきます。

妊娠初期に異常がみられなくても、妊娠が進むと血糖を下げるインスリンが効きにくくなったりするので、また血糖値をはかってスクリーニングしていく必要があります(下図)。

<診断基準> *日本糖尿病・妊娠学会 2015年
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合には診断する。

  1. 空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
  2. 1時間値 ≧180mg/dl   (10.0mmol/l)
  3. 2時間値 ≧153mg/dl   (8.5mmol/l)

    一度疑いがあっても75gOGTTでは正常と判断する場合が多くあります。

よく「妊娠糖尿病の疑いといわれた」という話を聞きますが、多くはこの75gOGTTでいったん正常と判断されたことを意味すると考えられます。

 

妊娠糖尿病になると何が問題なのか

妊娠糖尿病は、母体(お母さん)にも胎児(赤ちゃん)にもさまざまな影響があります。

お母さん:妊娠高血圧症候群、羊水過多、尿路感染症など *産後も糖尿病になるリスクが高いのでチェックが必要
赤ちゃん:巨大児、流産、胎児仮死の頻度増加などがみられ、新生児になっても低血糖、黄疸などの合併症がみられるリスクが高まる

食事はどうしたらいいのか

妊娠糖尿病が疑われる場合には、食事のあとに高血糖にならないように血糖コントロールが有効です。
ただ、妊娠中なので、お母さんと赤ちゃんが健全に妊娠を維持するのに必要なカロリーはとることが求められるのが難しいところです。加えて、なかなか運動もできないのが課題です。

食事療法としては、
食物繊維を多く含む食物と、糖質指数の低い(食後血糖値の上昇が起こりにくい)食物をバランス良く摂取することが基本です。

一度に高カロリーのものを摂取しないように心がけ、3食分をおやつ時間など、5回にわけて食べるなどなるべく少しずつ食べる工夫も有効です。
つまり野菜や海藻類など食物繊維をしっかり取り、精製度の低い穀類などを選ぶことが大切になります。

わかめと野菜の和え物

わかめは、乾燥わかめをつかうと簡単に調理できるので、妊娠期間中にも取りやすい食材の1つです。

野菜の細切りとともに茹でて、三杯酢などで和えるのがオススメです。そのときにちょっとゴマをふりかけると、さらにいいでしょう。

 

参考:
母子健康・栄養ハンドブック、医歯薬出版株式会社
日本糖尿病・妊娠学会「妊娠中の糖代謝異常と診断基準(平成27年8月1日改訂)」
日本産科婦人科学会「病気をしろう」

 
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