そば(蕎麦)は何歳から食べられる

赤ちゃんは蕎麦(そば)をいつから食べられるようになるのでしょうか?
例えばハチミツのように、
厚生労働省研究班の「授乳・離乳の支援ガイド」などに載っているわけではなく、
明確な指標はないので、一概に言えないため、いろいろな出典元によって違いがあります。

管理栄養士
そばは いつから?
大手出版社から出ている離乳食の本でも、
生後9か月頃から食べられるとしているものもありますし、
「離乳初期からすりつぶしてあげましょう」と書いてあるものもあります。
また反対に、そばは1歳すぎまであげないように としているものもあります。
しかし、明確な基準はありません。
たしかに、そばアレルギーは、卵や牛乳のように乳児期に多く発症するようなアレルギー臨床型ではなく、
年齢に関係なく、
むしろ幼児期以降にみられる即時型アレルギーという臨床型に該当する
といわれているため、何歳でもみられるアレルギー1)です。
今まで食べていたが、大人になってから発症するという事例もあります。
そばは 1歳半頃からが安心
いつ食べてもいいのか?と聞かれれば、
「ある程度体力がついている時期であり、活動範囲が広がるであろう時期」と答えます。
1歳半前に食べても全く構いません。
あくまでも、もし、
いつがいいか聞かれたら、そばは1才半頃からが安心かと思います。
安心というだけで、それまでに食べてはいけないということではありません。
そばに含まれる栄養は、他のものでも代替が可能であることと、
食生活を考えても他のもので、代替しやすいものだからです。
例えば、うどんなどで代替もできることが 多いですよね?
例えば、うどんなどで代替もできることが 多いですよね?

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初めてそばをあげる時の注意(与え方)
最初は、多量に食べてしまい重篤な症状がでるよりも、できたら少しだけで様子を見たほうがいいので、
・そばを茹でた湯で茹でたうどんを少し
・1㎝くらいのそば
など、少量で試すと安心かもしれません。
そばを最初に食べる時の時間帯
蕎麦はいつから あげたらいいのかの答えは大変難しいのですが、
・1歳半をすぎた頃である
・体調がよい
・平日の昼頃まで(午前中)
などがいいでしょう。
食べてから2時間以内に発症することが多いので、何かあっても病院にかけこめるときだと安心だからです。

そばのアレルゲンは、熱にも強く、茹でたら茹で汁にも溶出してきますので、アレルギーがある場合にはそれでも反応します。
もしどうしても心配であれば、そばの茹で汁でゆでたうどんなどがいいかもしれませんね。おそばやさんでうどんを食べるというのも1つの手段かもしれませんね。
そば粉が飛んでいるような場所でも発症する人もいます。
そばのアレルギーの症状
そばのアレルギーにかかる率はそれほど高くないので、多くの方は心配いりません。
ただし、症状が激しくでることが多いのが特徴です。
湿疹のような皮膚症状より、主に気管に症状があらわれやすいので、呼吸困難や顔面蒼白などがみられます。
アレルギーの詳細は未だ解明されていない部分も多いので、アレルギー物質も細かく特定できていません。
遺伝もわかってはいませんが、近親者にそばアレルギーの人がいる場合は、食べさせる前に医師に相談しましょう。
そのほかに注意すべき食べ物
そばアレルギーの人は、以下のものにも注意をしましょう *2)
・そばと一緒に茹でたうどんなど(前述のとおり)
・そばボウロ
・ガレット(そば粉クレープ)
・冷麺…韓国のものはそば粉を使っているものがあるようです
・そば殻を使った枕
・そば茶
・雑穀米…十穀米などの複数ミックスされているものには、そばの実が入っていることもあります
・そば粉が舞っている可能性のありそうな場所
・胡椒…そば粉で増量しているものもあるとのことなので、なるべく粒コショウを購入して自宅で挽けると安心。
・お菓子…一部のお菓子類において、製造上でそばが混入している可能性があると記載してあったりするので、商品のアレルギー表示をよくみることも大切です。
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そばを少しずつ食べたらアレルギーにならない?
少しずつ食べることで、アレルギーが少しよい方向に経口免疫3)はまだまだ試験段階ではありますので、そばがこれに合致するか、そこまでする必要があるかはまだ一概に決められません。
ただし、はじめてあげるときにたくさんあげすぎてしまうと、
症状がより大変になる可能性もあることから、
少量からあげた方が安心だという意味です。
また、卵やピーナッツのように、少しずつあげたらアレルギーが低減できる
というような発表はソバには現時点ではいえません。
まとめ:病院が開いている時間に少量から試してみて
アレルギーの症状が強めにでる「蕎麦」ですが、
実は発症率はそれほど高くはありません。
とはいえ、はじめてあげるときには心配です。
そばは、生後何ヶ月でもあげることはできます。
ただし、何で泣いているのかわからないような離乳食の時期は避けておくと安心です。
しかしながら、蕎麦は代替がきくことが多いので、しばらくはうどんなどでしっかり食べておくといいでしょう。
そばは、茹で汁にもアレルゲンが含まれますので、注意は必要ですが、不必要に避ける必要はありません。
もし、機会があれば、理由が少しわかりやすくなる1歳半頃がいいかもしれませんね。
ただし、年末年始などは病院がお休みなので初めてあげるのは避けておきましょう。
年末は避けて
年越しそば などから試したくなる人も多いのですが、
年末の夜に症状がでてしまうと大変なのでできるだけリスクは避けることをオススメします。
年越しそばの風習を伝えることもとても大切ですが、
赤ちゃんには別鍋で茹でたうどんでもいいでしょうし、
もう少し大きくなってから、その意味も一緒に伝えてあげられるようになってから食べる日がくることを楽しみに待ってみてくださいね。

管理栄養士
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参考文献
1)食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017 – 食物アレルギー研究会
2)クミタス 商品情報 https://www.kumitasu.com/
3)佐藤大記ら,アナフィラキシー既往のあるそばアレルギーに対し緩徐経口免疫療法を施行した2症例,日本小児アレルギー学会誌,33(1),2019
著者のプロフィール

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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