豆腐を離乳食に使うときにちょっとだけ気を付けたいこと
豆腐は柔らかいので、そのまま離乳食ですぐに食べられそうだと思っていませんか?
たしかに、豆腐は便利な食材なので、離乳食づくりの強い味方ですが、使うときには気を付けるべき点があります。
豆腐は離乳食に最適
ご存知のとおり、豆腐は大豆でできているので、良質の植物性タンパク質を豊富に含んでいます。
消化もよいので、離乳食に適した食材です。使いやすいということも利点です。
豆腐を離乳食で使う時に気を付けるべき注意点
しかし、豆腐を離乳食で使うときには、気を付けるべき注意点が3つあります。
1.大豆アレルギーは頻度は高くないが注意する
2.茹でると弾力がでるので、小さく切る
3.衛生面を考えて状況に応じて加熱する
1.大豆はアレルギーは頻度は高くないが注意する

大豆は「5大アレルゲン」と言われていましたが、乳児期にアトピー性皮膚炎をともなうような例がみられますが、年齢とともに寛解していくことが多いことのが特長です。
平成23年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果をみても、大豆製品は即時型のアレルギー症状ではほとんどあがってきません。
しかし、最初に食べるときは、1さじからにしておくと安心かと思います。
大豆のアレルギー性は発酵では薄まりますが、加熱をしてもアレルゲンが弱くなることはありませんので、豆腐であっても少しからのほうがいいでしょう。
2.茹でると弾力がでるので、小さく切る

実際に調理をするとわかりますが、豆腐は茹でると、水分が移行して少し固くなり弾力をおびます。
これは麻婆豆腐などをつくるときに、豆腐が煮崩れないように下茹ですることからもわかるでしょう。
大きさや固さの目安
離乳初期:茹でてから裏ごし
離乳中期:軽く茹でてから5㎜程度に切る
離乳後期:軽く茹でてから1㎝程度に切る
以上を目安にして作ると良いでしょう。
中期でも5㎜程度が食べにくいようであれば、スプーンの裏で簡単につぶせるのは、豆腐の利点です。
離乳中期では、ちょうどこの「スプーンの裏で簡単につぶせる」固さが赤ちゃんの舌でつぶせる固さといえるので、オススメです。
赤ちゃんの様子をみあがら、そのままあげたり、スプーンでつぶしてあげたりして加減することで、調理の手間もはぶけます。
3.衛生面を考えて状況に応じて加熱する
豆腐は水につかっているので、密閉されたパッケージをあけたり、豆腐屋で購入したもので密封されていなかったりするものは、冷蔵庫に入れて早めに食べることがポイントです。
現代ではほとんどが密閉されたパックとは思いますが、状況に応じて加熱をしましょう。
また冷蔵庫に入っているものは赤ちゃんにはそのままだと冷たいので、衛生的だったとしても軽くあたためてあげるといいですね。
参考文献
「食物アレルギーの診療の手引き 2020」 厚生労働科学研究班
平成 24 年度食品表示に関する試験検査「即時型食物アレルギーによる健康被害、 及びアレルギー物質を含む食品に関する試験検査」 -抜粋- 内閣府 食品表示部会
著者

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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