ベビーフードの種類と選び方|管理栄養士が解説

初めての離乳食。市販のベビーフードに頼りたい!と売り場に行くと「ドライ」「レトルト」「瓶詰」……種類が多くて、どれを選べばいいのか迷うものです。

また、SNSなどでもさまざまな情報やおすすめがでてくるのでさらに迷います。
この記事では、ベビーフードの各タイプの特徴と選び方をご紹介します。

なんと今回は、【日本ベビーフード協議会】に取材してみました!
その取材と、公式データ、使う上での所感などをお伝えします。
管理栄養士

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日本ベビーフード協議会って?

日本ベビーフード協議会は、我が国でベビーフードを製造・販売する企業によって構成される業界団体です。
1960年(昭和35年)の設立以来、赤ちゃんの健康と健全な発育に寄与することを目的に、安全性・品質向上のための自主規格づくりや行政との連携、普及啓発活動などに取り組んでいます1)。

現在の会員企業は4社(アサヒグループ食品株式会社/江崎グリコ株式会社/ピジョン株式会社/雪印ビーンスターク株式会社)で、国内で流通するベビーフードの大半を担っています 。

ベビーフード協議会 会員

主な活動は、下記の通りです。

  1. ベビーフード・ベビー飲料・ベビーおやつの自主規格の制定・改訂
  2. 農林水産省・厚生労働省・消費者庁など関係行政官庁との連携
  3. 展示会・試食会などを通じた普及啓発
  4. 乳児院への寄贈
  5. 生産統計などの調査

この記事は、そんな日本ベビーフード協議会に取材した回答を軸にお届けします。
管理栄養士

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そもそもベビーフードにはどんな種類がある?

保存方法タイプ形状主な特徴
常温ドライ顆粒・固形軽くて長持ち、食べる分だけ調整できる
ウェット瓶詰、成形容器、パウチ高温加熱殺菌済みで時短向き
冷凍・チルド冷凍食品等冷凍パウチ他手作りに近い感覚で使える

ドライタイプは軽くて持ち運びにも便利!

 「ドライタイプ」とは、お湯を注いで調理するものや加熱調理を前提としたもの、食品にそのまま加えて混ぜて使うものなどがあります。

多くは、個包装になっていて、箱に入っているものが多いですね。

メリットは何と言っても「軽い・かさばらない・常温で長期保存できる」こと。

外出先でのひとさじ、旅行、災害時の備蓄にも向いています。

食べる分だけ調整できるので、離乳初期に「ちょっとだけ」試したいときにも便利です。
管理栄養士

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ベビーフード協議会 安全性

レトルトは常温で長持ちして食材が豊か

ウェットタイプのレトルトは、調理済みのベビーフードをパウチやトレー、カップなどの容器に密閉し、高温高圧で加熱殺菌(レトルト殺菌)したものです。温めるだけで食べられます。

野菜やお肉類と穀類などが入っているので、1食である程度のバランスがとれる商品も多く出回るようになりましたね。足りないときは組み合わせたりするのもバリエーションがあって楽しいものです。
管理栄養士

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レトルトの製造工程

和光堂(アサヒグループ食品)さんによると、【調理】→【充填】→【レトルト殺菌】→【検査・包装】という流れで、殺菌が確実に行われたかを検査してから出荷されています2)。

調理したものを容器にいれるだけではなく、そのあとに高温高圧で殺菌しているので、衛生的で日持ちするということですね。

【関連記事】今考えたい。ベビーフードの選び方

レトルトのベビーフードに保存料は入っている?

日持ちするので心配されるのが「保存料」ですが、保存料は入っていません。

レトルト食品が常温で保存できるのは、高温加熱殺菌で微生物を死滅させているからであり、保存料の効果ではありません。

「舌でつぶせる固さ」はこうして決まっている

ベビーフードの大きな特徴は、月齢に応じて「固さ・物性」が規格化されていることです。日本ベビーフード協議会の自主規格では、摂食時の物性を次の5段階に定めています3)。

  1. 均一の液状
  2. なめらかにすりつぶした状態
  3. 舌でつぶせる固さ
  4. 歯ぐきでつぶせる固さ
  5. 歯ぐきで噛める固さ

これは1996年に厚生省(現・厚生労働省)が示した「ベビーフード指針」 の物性区分(タイプ1〜5)とも通じる考え方です4)。

乳幼児はそしゃく機能が未発達で誤嚥のリスクが高いため、発達段階に応じた固さを製品として担保しているのです。

パッケージの「月齢目安」と「物性」表示は、この規格に基づいています。

市販品は味が濃い?——その違和感の正体

市販のベビーフードを味見して、「味が濃い?」と感じたりしますよね。

特に、調味料を一切使わない手作り離乳食に慣れていると、その差ははっきり感じられます。

無塩の手作りと比べれば、市販品が味が濃く感じます。

ただし、ここで押さえておきたいのが「日本ベビーフード協議会の自主規格」です3)。

ベビーフードの塩分量は、月齢に応じて上限が定められています。

・12ヵ月までの商品:100gあたりナトリウム200mg以下(塩分約0.5%以下)
・12ヵ月以降の商品:100gあたりナトリウム300mg以下(塩分約0.7%以下)

日本ベビーフード協議会では、この設計を「薄味が基本。赤ちゃんにとっての美味しさのため、味付けは必要最低限とし、塩分の目安となるナトリウム量で規定しています」と説明しています。

ベビーフードの塩分約0.5%は、大人には「薄め」でも、無塩の手作りに比べれば「塩味がある」と感じる濃度域ですが、これは赤ちゃんが食べやすい味にしているためです。

実は塩分の基準は大人も赤ちゃんもあまり変わりがありません。
一般的に「赤ちゃんは薄味」といわれているのは、そもそも大人が味が濃いものに慣れてしまっているので、赤ちゃんは薄味ということになります。
管理栄養士

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つまり、市販品の味付けは「手抜き」でも「過剰」でもありません。
乳幼児は腎機能が未熟であるため、ナトリウム量を制限しています。そのうえで、食べやすい味にしているのです。

無塩の手作りと比較して「濃く感じる」のは、市販品が「塩分ゼロ」ではなく「必要最低限の塩分」を設計値として持っているからです。

もし、まったくの無味だった場合、やはりどうしても食材特有の味が全面にでて食べにくいことがあります。
赤ちゃんがしっかりおいしく食べて栄養補給をするために必要な味になっているのですね。
管理栄養士

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ベビーフードの3つの利点

日本ベビーフード協議会さんにズバリうかがいます。
ベビーフードの利点っていろいろあると思いますが、3つあげるとしたら何になりますか?
管理栄養士

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3つにまとめるなら、
①食経験の広がり
家庭では使いにくい食材(例えばレバーなど)や多様な食材に触れる機会を提供できる。
②発達サポート
月齢に応じた具材の大きさやかたさ、味付けを調整されているため、そしゃく機能や味覚形成をサポートできる。
③保存性、安全性、利便性
常温で長期間保存でき、衛生的に管理されているため安心して使用できる。外出時にも持ち運びやすく、すぐに食べられるため便利である。

ではないでしょうか。
日本ベビーフード協議会

日本ベビーフード協議会

ありがとうございます!
たしかに、食の経験が広がりますよね。
離乳食は手作りがいいからと頑張って疲れてしまうのではなく、ベビーフードなどの市販品も上手につかえるといいですね。
管理栄養士

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まとめ

いかがでしたか?ベビーフードは「安全性」が気になりますが、各形態でそれぞれの基準があり、どの形態であっても安全に設計されていることがご理解いただけましたでしょうか?

「どれが正解」ではなく「今の自分に合うのはどれか」で選ぶのが、結果的に安全で無理のない離乳食につながります。

たとえば
・離乳初期や味付け用・持ち歩きを軽くしたい → ドライ
・日々の時短に・さまざまな食材を試したい → レトルト・瓶詰
など、各目的やライフスタイルにあわせて選んでいきたいですね。

よくあるご質問

  • Q ベビーフードに保存料は入っていますか?
    A

    レトルト・瓶詰は加熱殺菌で保存性を確保しているため長期保存が可能です。保存料は使っていません。

  • Q 市販品は味が濃いと感じるのですが、塩分は大丈夫ですか?
    A

    12ヵ月までの商品は100gあたりナトリウム200mg 以下(塩分約0.5%以下)という上限が自主規格で定められています。無塩の手作りと比べると塩味を感じますが、絶対量は抑えられた設計です。気になる場合は栄養成分表示で確認できます。

  • Q 月齢表示は何を基準にしているの?
    A

    物性(固さ)と栄養設計に基づく目安です。対象月齢・物性の表示は自主規格で定められています。

【関連記事】ベビーフードは無添加やオーガニックがいい?

メーカーの方へ

日本ベビーフード協議会は、ベビーフードを販売する企業に向けて次のようなメッセージを発しています。

日本ベビーフード協議会では、赤ちゃんに安心して召し上がっていただける製品づくりを支えるため、自主規格の整備に加え、行政とも連携しながら、ベビーフードの安全性に関する情報収集や普及啓発活動に取り組んでいます。
今後も、安全性と品質の向上、健全な市場形成に向けた取り組みを継続してまいりますので、引き続き当協議会の活動へのご理解とご協力を賜れれば幸いです。  

加盟企業は、この協議会の活動を通じて以下の情報・仕組みにアクセスできます(いずれも協議会への取材回答に基づきます)。
・自主規格の制定・改訂への参画(最新は2024年9月改訂の第Ⅵ版)
・技術・普及委員会を通じた会員企業間・行政との継続的な情報交換
・規格の考え方・制定経緯をまとめた解説書(会員企業向け資料)へのアクセス
・食品衛生法・食品表示法
・CODEXなど最新の規制動向のキャッチアップ
・「協議会自主規格に基づく製品」として消費者に伝えられる立場

*この記事は乳児の食品安全のために、日本ベビーフード協議会と共同で作成しています。

参考文献

  1. 日本ベビーフード協議会.協議会と加盟について(2026年9月18日 閲覧)
  2. 和光堂.和光堂ブランドのこだわり > 製造について > ベビーフードの品質管理(2026年9月18日 閲覧)
  3. 日本ベビーフード協議会.ベビーフード自主規格 第 Ⅵ 版 (2026年9月18日 閲覧)
  4. 厚生省. ベビーフード指針について(2026年9月18日 閲覧)

著者のプロフィール

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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