離乳食 1さじってどのくらい?

「離乳食は1さじからはじめるんでしょ?」そんなことを聞いたことありませんか?

離乳食の始め方とともに1さじはどのくらいなのか、なぜ1さじから食べる必要があるのか考えてみましょう。

離乳食のはじめ方は1さじから!?

よく育児書などにあるものは、このように1さじからという表です。

つぶしがゆを1さじずつはじめて、増えたら野菜というようになっています。

当協会のアドバイザー講座でも2018年まで伝えていましたが、その中でも「こういう表はイメージです」とお伝えしています。

1さじ 進め方 離乳食 初期

食べられるようならどんどん増やしても構いません。

しかし、アレルギーの心配があるものは、少しずつだと安心ではあります。

とくに最初は「つぶしがゆ」になることが多いので、
食べるということに慣れていなくて、少ししか食べられないようであれば、このような感じでいいですよ。
という意味です。

「これ以上あげてはいけない」という意味ではなく、
「(無理にしすぎずに)少しずつでもいいですよ」という目安
と思ってくださいね。

離乳食の1さじは何g?

離乳食の本などで書いてある、「1さじ」は、
一般的に日本では1さじを「小さじ」と表現することから、
小さじ1さじ(=5g)と考えてもいいでしょう。

よって、離乳食の1さじは、小さじ1であり、
離乳食スプーンだと3~4さじになります。

1さじは「少し」という意味

しかしながら、「最初は1さじから」だからといって、
離乳食スプーンで4さじでやめる必要はありません。

一方で、「離乳食スプーンで4さじも食べさせられない」
と悲観的になる必要もありません。

1さじ というのは「少し」という意味だとおおらかに捉えましょう。

管理栄養士

管理栄養士

1さじという言葉は厳密にgの意味ではなく、「だいたい1スプーンくらいの少しだけね」という意味です

離乳食 小さじ1 始め方

「1さじ」の概念が支援ガイドで改訂されたの?

栄養士などの間で、「授乳離乳の支援ガイドの2019年 改訂により1さじの概念が変わったのではないか」という噂があるようです。

結果からいうと、

そのようなことはありません。1さじの概念は変わっていません。

2007年 授乳離乳支援ガイドには「1さじずつ」となっています。

次に、

2019年の改訂はこちらようになっています。

これだと、「離乳食用のスプーンで1さじずつ」と思ってしまいそうな文章ですが、厚生労働省に聞いたところ、
「離乳食用のスプーンで与え」にかかっている言葉であって、「離乳食スプーンで1さじ」ではありません。

【関連記事】昔と比べてどう違う?昭和の育児書にみる離乳食の考え方

1さじという概念はなぜある?

アレルギーの心配のあるような、卵、牛乳、小麦、大豆などは最初は少しからはじめておくと安心です。

このようなものは、少しずつ(1さじから)はじめるといいでしょう。

1さじはいつまで?

1さじはいつまで続けたらいいのかという質問もありますが、特にそのような決まりはありません。

食べられるようであれば進めてもらえれば構いません。

私たちの食欲にムラがあるように、
赤ちゃんも今日1さじ食べたから明日は2さじ食べるというわけでもありません。

いつまで続けるということはありませんので、食べられそうであれば食べさせてあげましょう。

ただ、その際に、なんとなく、ごはんと野菜と肉魚類などのバランスを意識できるとさらにいいですね。

たとえば、「ごはんだけたべてお腹いっぱいになってしまった」ということのないように、
他の食品群のものも少しずつ食べていくといいかもしれませんね。

まとめ

離乳食は、何をどのくらいと書いてあることもありますが、あくまでも目安です。

基本的に、乳児の食欲や成長・発達の状況に応じて調整することがもっとも大切なことです。

母子健康手帳にある成長曲線を毎月つけてみて、身長や体重が曲線に沿って変動しているか、
発育が滞っていたりしていないかを確認することが何より大切です。

特に、米、野菜や、一度食べたことのある食材などであれば、あげても構いません。
赤ちゃんが食べたそうにしていたら、1さじだけではなく、もう少しあげてみてくださいね。

【関連記事】離乳食 初期の野菜は複数種混ぜてあげていい?

参考文献

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改訂

著者

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている