手づかみ食べ、本当に必要? いつから?

手づかみ食べはいつからやったらいいのでしょうか。

なぜ必要といわれているのでしょうか。管理栄養士が解説します。

離乳食の「手づかみ食べ」って必要?

「手づかみ食べ」とひとことでいってしまいますが、
食べ物を目で見て→つかみとる→口に運ぶ→味わう
といった一連の動きは、その流れにとても大きな意味があります。

  • 目で見る ・・・ 食べ物だと認識する
  • つかみとる・・・ 食べ物の固さを実感する
  • 口に運ぶ ・・・ 食べるための適量や、運ぶ場所などを知る

これらを十分に行うことで、

  • 自分の口にはどのくらいが入るのか、
  • モノには柔らかい、固いなどがあり、それに対して柔らかく持つのかしっかり持つのかの手加減

などを学んでいくのです。

赤ちゃんは、こうした行動をしていくことで、自分で食べることが上手になり、スプーンやフォーク食べが上手になっていきます

できる限り手づかみ食べをさせてあげられるといいですね
できる限り手づかみ食べをさせてあげられるといいですね
管理栄養士

管理栄養士

赤ちゃんの手といちご 手づかみ 離乳食 幼児食 発達

手づかみ食べは、いつから?

いつから?と意気込んで、やらせようとせず、赤ちゃんが食べ物に手を伸ばしたら少し様子を見守ってみましょう。

最初はうまく口に運べなかったり、食べ物をぐちゃぐちゃにするだけで食べなかったりもしますが少しずつ練習していきます。

それが親の負担になってしまいそうであれば、その遊びはそこでおしまいにして、余裕のあるときに、「これながら手づかみしてもいいよ」というものを作ってあげられるといいですね。

9ヶ月がすぎてから手でしっかり持つことができ、
1歳頃になると、お口に運ぶことができる赤ちゃんが増えてくるので、その頃になったら、手づかみしてもいいような環境を整えられるといいですね。

手づかみ食べの練習のコツ

手づかみ食べを始めると、食べ物をぐちゃぐちゃにしたり、投げたり・・・などと、思わぬハプニングがあるので、食べ物で遊んでいるのでは?と心配になりますよね。

実はこの行動、こどもにとって学習なのです。

食べ物への興味の広がりの第一歩ですし、
・手で触った感触
・指の力の入れ方
・持ち方
などは体験しないと覚えられない能力です。

最初のうち指をうまく使えないので、握りつぶすことはよくありますから、温かく見守ってあげたいものです。だからといって、「存分に好きなように・・・」にも、ママも限度があります。

手づかみをしやすくする コツをご紹介しましょう。

コツ1:赤ちゃん用は別に分ける

食べることがまだ上手でない時期は、

「手づかみ食べ用のもの」
「ママが食べさせるもの」
別々に用意するとよいでしょう。

コツ2:汚れてもいい環境にする

・机の下に新聞紙やレジャーシートを敷く
・スモッグ型の食事用エプロンを身に着ける

などの対策がおすすめです。

ポケットに食べこぼしが入る、エプロンがおすすめ!
ポケットに食べこぼしが入る、エプロンがおすすめ!
管理栄養士

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他にも試して欲しいのは・・・

①椅子にカバー、もしくはタオルを敷いて
赤ちゃんがすべりおちないような工夫は必要になりますが、椅子にカバーやタオルなどを敷いておくと掃除がラクになりますよ。

②椅子の下にマットを
よくレジャーシートを広げるなどといいますが、私はちょっと掃除が大変でした。(結局レジャーシートを拭くので)
新聞紙はそのまま捨てられるので、オススメできます。
でも新聞紙だと食環境が美しくないな…と思った時はバスタオルや使わないおむつがえマットが活躍しました。
掃除の時には、お風呂場などでパンパンと叩いてから洗濯機で洗えます。

コツ3:無理にやらせない

中には 手づかみ食べしないお子さんもいます。
でも、大切なのは見守ることです。
無理やりやらせることで食べることが嫌いになってしまっては大変です。

無理せず、食べ物をフォークで刺しておいてあげるのでも自分で食べることになります。

焦ってしまう気持ちはよくわかりますが、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。

見守る大人の方が汚れることが嫌なタイプだと、お子さんも、手が汚れるのが苦手な傾向が見られますので、過度にふくのもやめましょう。

手やお顔が汚れてもしばらく放っておくくらいのおおらかな気持ちが大切ですね

手づかみ食べの離乳食のポイント

手づかみしやすい離乳食のポイントは3つあります

① 「ギュッ」とまとめる

軟飯をまとめて小さなおにぎりにしたりするのがおすすめです。

ラップにのせてから手でぎゅっとまとめると食べやすくなります。

②「ジュッ」と焼き固める

まとめても食べにくそうなものは、表面を少し焼き固めましょう。
表面を焼くことで食中毒のリスクも下がるので、持ち歩きたい時などにもいいでしょう。

③「クルッ」と巻く

野菜料理はなかなか手づかみさせにくいですが、春巻きの皮で巻いて焼くのもいいでしょう。
かぼちゃのマッシュを春巻きの皮に包んで、軽く焼くと食べやすくなります。
薄焼き卵で巻いてもいいですね。

④「ピタッ」とはさめる

バラバラだと食べにくいことがあります。そのようなときははさめるのがおすすめです。

サンドイッチや薄く広げたひろげたごはんに、はさめてから、小さめにきりましょう。

赤ちゃんでも食べやすくなります。

【関連記事】味付けなしでOK!手づかみおやきレシピ

手づかみ食べレシピのご紹介

手づかみ食べをするとき、最初のうちは長細い形だと口の中に押し込んでしまって、前歯でのかじり取りがうまくできないことがあります。
最初のうちは小判型が持ちやすく、おすすめです。

旬のサツマイモを使った簡単な手づかみ食べおやつの紹介をします。

レシピ

さつまいものおやき

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  • 監修: 夏目千恵子
さつまいものおやき

離乳後期(9カ月頃~)食べることができます。 乳成分を含みます

対象 対象
離乳食, 幼児食
カテゴリ カテゴリ
主食, おやつ
調理時間 調理時間
10分(準備時間:)
量の目安 量の目安
作りやすい量

材料 材料

さつまいも
小1本
スライスチーズ
1枚(細かくカットする)
牛乳
小さじ2
適量

作り方 作り方

  1. Step1

    さつまいもの皮をむき、輪切りにして電子レンジ加熱をする。(竹串が刺さるくらい)

  2. Step2

    熱いうちにつぶしてチーズと牛乳を入れて小判型に成型する

  3. Step3

    フライパンに油をひき、②を並べて焦げ目がつくくらい焼いて出来上がり。

【関連レシピ】焼き芋をつかったお月見レシピ

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よくある質問

あなた:
  • Q 手づかみ食べはいつから始めるのがよいですか?

    A

    赤ちゃんが食べ物に手を伸ばし始めたら、手づかみ食べのサインです。9ヶ月頃からしっかり持てるようになり、1歳頃には自分で口に運べる子が増えてきます。無理に始めず、赤ちゃんの様子を見ながら進めましょう。

  • Q 手づかみ食べの練習をする際のコツはありますか?
    A

    はい、いくつかのコツがあります。例えば、赤ちゃん用の食事を別に分けることや、汚れてもいい環境を整えることが大切です。また、無理にやらせず、赤ちゃんの興味やペースに合わせて進めることがポイントです。

  • Q 手づかみしないのですが、どうしたらいいですか?
    A

    手づかみしなくても全く問題ありません。無理に手づかみをさせなくても、スプーンやフォークの練習を通して自分で食べる力は育ちます。大切なのは「自分で食べたい」という気持ちを育てることです。

最後に

手が汚れるのが苦手で、手づかみを嫌がる子もいます。

それを悲観的にとらえず、フォークやスプーンになったら食べる子もいますので、見守ってあげられる余裕をもってくださいね。

参考文献

  1. 厚生労働省.授乳・離乳の支援ガイド (URL)(2025年5月20日 閲覧)

著者のプロフィール

夏目千恵子
夏目千恵子
母子栄養指導士
管理栄養士

幼児食、学童食などを基軸として食のアドバイスを行う。
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