しょうゆや味噌、大豆油は大豆アレルギーでも大丈夫?

しょうゆや味噌、大豆油などは大豆からできていますが、
大豆アレルギーが心配で離乳食をすすめられなかったり、
豆腐でアレルギーのような症状がでたので、怖くてしょうゆを使えない...という声もききます。

さて、大豆アレルギーが心配だった場合、
それらからできているしょうゆや味噌は食べてもいいのか、考えてみましょう。

しょうゆや味噌に含まれる大豆のアレルゲン

醤油 味噌 大豆アレルギー しょうゆ 乳児 赤ちゃん 離乳食

食物アレルギーの場合、基本的に、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を除去します。

しかしながら完全除去だけではなく、経口負荷試験などで少量ずつ確認しながら解除できるものを探すことができると、
生活に幅がでてきます。

栄養学的にも精神的にも少し楽になるので限界値を知っておくといいでしょう。

ご存知のとおり、しょうゆや味噌は大豆から作られています

大豆アレルゲンは発酵によって変性

ですから、大豆アレルギーの人はしょうゆや味噌も避けるべきと思われがちですが、
選択の幅を広げると生活の質も変わりますので、食べられるかもしれないのであれば医師との相談の下、試していきたいものです。

一般的に、
しょうゆや味噌は発酵する過程で大豆のアレルゲンが変性するので、
基本的には食べることができます。

ただし、変性してもアレルギー症状がでるようなケースもありますので、
医師の指導のもと、発酵したものは大丈夫かどうかテストしていくといいでしょう。

小麦アレルギーでの注意事項

しょうゆは大豆アレルギーでも基本的には除去する必要がないというお話をしましたが、
その他のアレルゲンとして小麦も注意は必要です。
しょうゆの原材料として小麦が利用されています。

しかし、このしょうゆの小麦アレルゲンも
製造過程でアレルゲンが変性するので、
小麦アレルギーの方でも基本的にはしょうゆを除去する必要はありません。

ただ、中には材料として小麦成分を添加している、しょうゆベースの調味液もあります。
それらは、変性されていないので注意が必要です。

また、重篤な小麦アレルギーの場合は、
このように発酵していても症状がでることもありますので、必ず医師にご相談ください。

<しょうゆベースの調味液の例>

すき焼きのたれ、焼肉のたれ、ポン酢

【関連記事】塩こうじはいつから食べられる?

味噌やしょうゆをどのようにたべさせたらいいのか

まず、離乳期などにおいて小麦や大豆アレルギーがなく
「なんとなくアレルギーが怖いので食べさせられない」という方は、
食べさせてみても問題がないことが多いので、あげてみましょう。

離乳食は薄味が基本なので、味噌やしょうゆは大人の味付けの半分くらいが目安です。
全体量も少ないので使用する調味料はごくわずかですので、過度な心配はいりません。

小麦や大豆のアレルギーがあり、
なおかつ超微量摂取でも反応があった既往があった場合は、
医師とともに解除できるかもしれないので医師に相談しましょう。

しょうゆを食べると口の周りが赤くなる!?

また、しょうゆを食べると口の周りが赤くなるという離乳食相談もよく受けますが、
口の周りにつくしょうゆの刺激によるものが想定できます。

食べる前に口の周りにワセリンをぬって肌への直接の刺激を防ぐと、
かぶれを起こしにくくなるので、試してみるといいかもしれませんね。

園や学校でのアレルギー対応はどうしたらよい?

園や保育園などの集団給食の場合は、
預かる子にアレルギーがあった場合には、完全除去が基本です。

この定義でいくと、しょうゆや味噌も除去になりますが、
基本的に自宅で食べることができている調味料については提供できます

このため、現場の管理を少しでもわかりやすくするためにも、
医師と相談して調味料を確認してもらうことを面談などで促せるといいでしょう。

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン 2019
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019「生活管理指導表」の一部

参考文献

学校給食における食物アレルギー対応指針 ,文部科学省
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019,厚生労働省

著者

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている