離乳食を食べない時に考えたい。食べるようになる5つのヒント

離乳食 食べない と悩んでしまうことありますよね。
離乳食を食べる赤ちゃんもいれば、食べない赤ちゃんもいるものです。SNSなどをみたり友達の話を聞いたりして、「うちの子はなんで食べないんだろう」と悩んでしまうことありますよね。
今回は、そんな離乳食を食べないで困っている保護者の方へのヒントをお伝えします。アドバイス側にたつ人も、育児に悩む保さんも、是非お読みください。
離乳食を食べない時に考えたい心構え
「離乳食を食べない」と困ったときには、どうしても結論をいそいでしまいます。
しかしながら「〇〇すればいい」というようなアドバイスは、必ずしもあてはまるとは限りません。
まず、
「これだったらいいという簡単に伝えられるものはないのですが…」
と前置きをさせてください。
赤ちゃんの状況は、なかなかわからないものであり、昔から代々その悩みは変わっていないのです。
【関連記事】昔と比べてどう違う?昭和の育児書にみる離乳食の考え方
いつの時代でも「子どもが食事を食べない!」「好き嫌いがあって困る」というような悩みはつきないのです。
離乳食 食べない から困るなと思ったら、まず初めに考えたいことは、
- 赤ちゃんの成長を見る
- あせらない
- すぐには直らないかもしれないけど、少し試してみることはあるかな程度に考える
の3点です。
離乳食を食べない時の解決ヒント
1.発育曲線に沿って成長しているか確認しましょう
まず、離乳食食べないなと思ったら、「他人」や「標準」と比べるのではなく、
赤ちゃんの発育がパーセンタイル曲線に沿っているか、
発育が滞っていないかを確認しましょう。
母子健康手帳に、赤ちゃんの身長や体重の点をうっていますか?
その点を線でつなげた時、全体のカーブと同じように成長していれば構いません。
もし、発育がずっと横ばいで
2-3週間身長体重が増えていない場合は医師に相談しましょう。
小さくても発育曲線に沿って増えているようであれば問題はありません。
その場合は、食べないなと思っていても何らかの栄養を摂っていると考えられます。
- 母乳やミルクのタイミングを見直してみる
- お菓子などをあげたりしていないか
- 母乳やミルク以外の水分をあげていないか
などをチェックしましょう
2.まだ食べる練習と考えて、回数を増やしてみましょう
多少離乳食を食べないなと思ったら、月齢を考えることは大切です。
生後7ヶ月くらいまでは「食べる練習」なので、少しでも食べられればOKといえます。
量が足りないとママ・パパが焦って悲観するよりも、食べたという喜びを多く経験していくことが大切です。
もし、7ヶ月を過ぎても「全く食べない」となったら、あせってしまいますが、その場合は栄養を摂ることを重視していくのもいいかもしれません。
ちょうど鉄分のストックもなくなる時期なので、
しっかりと食べ物から鉄分やタンパク質をとっていく必要があります。

しかし、ここで「食べさせなくては!」「栄養が足りない!」と焦ってはいけません。

管理栄養士
大切なことは、「栄養を摂る」ことなので、食べないなと思ったら、少しずつでもいいので、食べるチャンスを増やすために食事を5回ほど用意してみたりしましょう。
離乳食 食べない と思ったら、食べるチャンスを増やすのです!
小食なので、そこまで回数を増やせないという悩みも聞きますが、
小食だからこそ、3回食にしましょう。
1回の量は少なくても構いません。
食事のリズムをつけていくことが大切です。

3.ベビーフードを試してみましょう
実は「赤ちゃんが離乳食を食べない」というお悩みの背景には、「せっかく作ったのに…」という作り手の気持ちがあることもあります。
「頑張って作ったのに、離乳食を食べてくれない。」となると、作る気がなくなってしまいますよね。
食べてくれないと悲しいですよね
食べてくれないと悲しいですよね

管理栄養士
状況によっては、離乳食づくりをがんばって作りすぎているがゆえに、食べないことへの不満が募ってしまうことがあります。
まず、赤ちゃんのために手作りしたいという気持は素敵なものです。
ですが、手作りをするために頑張りすぎる必要は全くありません。
離乳食づくりが楽しくなくなったら、手作りをやめてベビーフードなどに頼るのも1案です。
今までとは違う食感などで食べてくれることもあるかもしれませんね。
離乳食を食べてほしいと思ったら、
離乳食づくりはあまり頑張りすぎず、市販品などを使いながら
なるべく早くに用意できるものがいいかもしれませんね
4.気分転換でお腹が空かせてみる
母乳やミルクでこんなことはありませんか?
- ・離乳食をあげる前にすぐあげてしまう
- ・反対にミルクだとつい一気にたくさん飲ませしまう
実は、お腹が空いている時間に、母乳やミルクをあげてしまい、お腹がいっぱいになってしまうことがあります。
そのこと自体が悪いわけではありません。
でも、もし、ごはんの量をたくさん食べさせたいなと思ったら、
赤ちゃんのお腹がすくように、授乳間隔を考えなおしてみましょう!
「泣いたら授乳」というのを全く気にせず続けてしまいがちですよね。
でも、泣くのは授乳だけではありません
- オムツ替え
- 環境への不快(熱い・寒い)
- 退屈(遊びたい)
など、成長によってさまざまな欲求のバリエーションが増えているのです。
泣いたら授乳としていて、授乳回数が多すぎたりすると離乳食が進まないこともある
もしお心あたりがあったら、少し注意したいものです。
離乳食食べてくれないと思ったらちょっと立ち止まって考えることはときには必要かもしれませんね。
赤ちゃんが泣いたらすぐ母乳ということではなく、
そのうちの1回をごはんに変えてみるようなイメージでもいいかもしれません。
離乳食を食べない時には気分転換も効果的
離乳食を食べないなと思った時には、「食べなくてもいいかな」と捉えて、気楽に構えることもポイントです。
また気分転換も大切なので、お散歩にでかけたりして気分をかえたり、
おもちゃであそんだりしてゴロゴロと動かしてみたり、ベビーマッサージなども効果があるかもしれません。
5.離乳食のかたさを考え直しましょう
赤ちゃんに、食べやすい形態ではないから、なかなか赤ちゃんが食べてくれないということはありませんか?

だいたいの固さの目安として、
- 5ー6ヶ月は ヨーグルト状
- 7ー8ヶ月は 豆腐くらい
- 9-11ヶ月は バナナくらい
- 1歳-1歳半は 肉だんごくらい
の固さが目安です1)。
いつまでもドロドロしていたりすると、赤ちゃんが食べなかったりすることもあります。
しかし、ぱさぱさしていると飲み込むタイミングがわからないことがあるので、とろみをつけてあげるのもいいでしょう。
どんな食べ方が好きか観察&実験
食べ方の好みは、お子さんによっても変わりますし、ブームが訪れたり、去ったりするものです。
手づかみで自分で食べさせる
スプーンより手のほうが食べたりすることはよくあります。
(反対に手づかみを嫌がり、食べさせてもらう方が好きな子もいます)
食べ物だけをだしておいて、ママ・パパが一緒に美味しそうに食べるところをみせるだけで放っておくと食べてくれることがあります。
赤ちゃんだけのご飯タイムにせず、食卓が囲めるといいですね。ママ・パパの美味しそうな顔をいっぱいみせてあげましょう。
お悩み解決方法
無料の育児相談・離乳食相談を活用
保護者のかたは、無料の育児相談も利用してみましょう。
近くの子育て支援施設や保健所、もしくはこちらの一覧から電話相談なども探してみましょう。
近くの離乳食アドバイザーに相談
離乳食アドバイザーは、保育園、保育所など各エリアにきっといることでしょう。地元でお教室を開いている方もいますので、ぜひ探してみてくださいね。
離乳食アドバイザーを取得するといつでも相談は無料なので、アドバイザーが困ったときでも協会に連絡することができます。
さいごに
「ごはんの量はどのくらい?」「必要な栄養素は?」と気になることも沢山あり、ついインターネットで検索しまう時代ではありますが、どうぞお子さんの様子をよくみて考えてみてくださいね。
元気があり、大きくなっているのであれば、それはそその子なりの成長かもしれません。
今日はどのくらい動いたかな?暑くないかな?寒くないかな?
このスプーンは食べやすい? などなど赤ちゃんの気分やごはんのちょっとした変化で同じものを食べたり食べなかったりしていきます。
そのようなことで確かに一喜一憂してしまいがちですし、それも良いのですが、少しでも食べたら一緒に喜んで、食卓を笑顔にすることが、何よりの解決策になっていくことでしょう。
離乳食は親と子の食卓作りの始まりに過ぎません。
いろいろなトライアンドエラーを繰り返しながらも、みんなが「美味しいね」とパクパク食べていることで、赤ちゃんもそのうちに並んでパクパク食べてくれる日が来ることでしょう。
参考文献
- 厚生労働省.授乳・離乳の支援ガイド2007年版(2025年8月26日 閲覧)
著者のプロフィール

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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