離乳食 食べない悩みの原因と解決策のヒント

離乳食を食べてくれないけど、どうしたら良いの?と不安になったりしますよね。まずは、赤ちゃんが元気か、2週間前と比べて大きくなっているかを、みてみてくださいね。この記事では気になるポイントを一緒に考え、解決のヒントになるといいなと思います。
「離乳食食べない」は多くの親子が通る道
まず、離乳食や幼児食の時期には、「食べるのに時間がかかる」「偏食」「むら食い」「遊び食べ」といった「食の困りごと」はよく見られます。
これは決して、今ここに検索してたどり着いてくださった、あなただけの悩みではありません。多くの保護者が抱える悩みです。
筆者は、戦後すぐくらいからの離乳食の本を趣味で集めていますが、いつの時代も同じように悩んでいるのです。
さて、そんな悩みを検索しても残念ながら、一問一答で解決できることはなかなかありませんが1つでもヒントになることがあれば幸いです。

「離乳食 食べない」3つの理由と考えたいポイント
「食べない」の背景には、子どものお口な体の発達、感覚特性、食事環境など、いろいろな原因・理由が複雑に絡み合っていることがあります。
1.口の発達と食形態の不一致
離乳食においては、お口の発達と食べ物の形態の不一致が理由であることがとても多いです。
食形態の難点:粒感や温度、滑らかさ
その中でももっとも多いのが「粒」です。離乳中期くらいになると5mm程度の微塵切りにすることがあります。
しかし、硬い粒はまだ食べることができず飲み込んでしまいます。飲み込めない、口の中で異物と判断すると、赤ちゃんな口から出します。
食形態が原因で食べない時の解決法
- 加熱してからみじん切り:
みじん切りにしてから加熱すると硬いままのことがあります。
大きめにきって加熱し、そのあとにみじんぎりにしたりつぶしたりしていみましょう - きれいに切らずにブレを:
きれいに何ミリなどに切らなくてOKです。また角切りなどもきれいにきららなくて大丈夫です。
大きいものをハサミで切ったり、スプーンの背でつぶしたものも試してみましょう - つぶした豆腐やじゃがいも、おかゆとあわせる:
硬いことがあると舌で粒を過度に感じてしまいますので、食べやすいように食感のギャップを防ぐべく、たとえばつぶした豆腐やじゃがいも、おかゆ等とあわせてみましょう。 - とろみをつける:
粒をなめらかにまとまりやすくするために、水溶き片栗粉などでとろみをつけるのもおすすめです。 - 食感を変える:
赤ちゃんはすごいスピードで成長しています。
例えばもう少ししっかりとごはんのようになっているほうが食べるのかもしれません。 - 食べ物の温度を人肌程度に:
食べ物が熱すぎたり冷たすぎたりすると赤ちゃんがびっくりしてしまいます。
いままでの母乳やミルクが人肌程度ということを考え、熱すぎないか見直してみましょう。

2.お腹がすいているか
生活リズムや空腹ペース
気休めとして、お水や麦茶、また赤ちゃん用菓子(せんべいなど)をあげてしまっていませんか?
それらが悪いというわけではありませんが、食事に影響してしまうことがあります。
空腹にならなくて食べないときの解決法
- 食事時間をだいたい決めてみる:この時間になったら食べる というのを少しずつ決めてみましょう。用意する方も、食べるほうも1日のサイクルが決めやすくなります。
- 間食はあげない:基本的に離乳食時期におやつは必要ありません。気分転換としてあげたくなることもあるかもしれませんが、離乳食に響かないようにしましょう。案外少しだけでも影響してしまいます。
- 乳汁(母乳・ミルク)の時間とあけてみる:食事が来る時間にお腹が空いていないこともあるかも
- 睡眠や遊びのサイクルを見直す:お外で気分転換をしてみる、難しい時は窓をあけ、外の空気や音を聞くだけでも変わるかもしれません。またしっかり睡眠をとることも大切です。
3.食べる環境が整っているか
食べない理由は、周囲かも。
赤ちゃんは、うまく話せないので、食べない理由がわからないものですが、意外と見落としがちなのが「環境」です。赤ちゃんの周囲の環境が騒がしくないかを確認しましょう。
環境が原因で食べないときの解決法
- 周りの人も食べる:大人がバタバタしていると食べる気持ちに向かないことがあるので、周りの人も食べたり、食べるマネなどをしましょう
- テレビやおもちゃは片付ける:片付けられない場合は見えないように椅子を配置しましょう。
- 過度に強制しない:保護者の「食べてー!」」という気持ちが強すぎるかもしれません。焦らずゆったりとした気持ちで、食べなければいいですよという程度に構えておくことも大切です。
- 公園やフードコート、支援センターなどで食べてみる:ほかの人が食べているのをみて一緒に食べるというのが効果があることもあります。
- お口を過度に拭き取らない:食べて何度も口や手を拭くと、その行為を赤ちゃんが嫌なのかもしれません。食事が終わってから手や口を拭きとるといいでしょう。
- 部屋の温度、赤ちゃんの体感温度:赤ちゃんが暑いと感じていると、食欲が薄れてしまったりすることがあります。汗をかきすぎていないか、元気があるかも着目できるといいでしょう。
赤ちゃんの食べない 理由は複合的かも。
上記のほかにも赤ちゃんに元気がなかったり、アレルギーなどで口やお腹に違和感があるときも赤ちゃんは食べません。
こんな時は専門家に相談を
- 食べる量が極端に少なく、体重が増えないなど、成長に問題が見られる場合
- 食べられるものが極端に少なく(例:1〜3品程度)、特定の食品しか受け付けない状態が続く。
- 吐き出す、むせる、窒息しそうになるなどの症状が頻繁にある
- 食事の時間が親子ともに大きなストレスになっている、苦痛を感じている。
- 便秘がひどいなど、医学的な問題が疑われる場合。
- 保育所や幼稚園での集団生活に支障が出ている(給食が食べられない、水分が摂れないなど)。
相談できる場所
かかりつけの小児科医、自治体の保健センター、離乳食教室など
さいごに:赤ちゃんの成長をみましょう
「食べない」という悩みは、いつの時代も保護者にとって心配なものです。
これはときに育児の自信をなくす原因にもなってしまうこともあるかもしれませんね。
てすが、子どもは自分で食べる量を調整しながら成長していく力を持っています。
大切なのは、他の子の食べる量と比較するのではなく、赤ちゃんが安心して、食べることを楽しいと思えるような環境を整えることです。
焦らず、子どものペースを大切に、様々な工夫を試しながら、家族みんなで食卓を囲む時間を楽しんでくださいね。
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離乳食を食べてくれません。どうしたらいいですか
理由はさまざまです。食事の形態・空腹度・環境を見直してみましょう。 大人からの「食べて」という気持ちが強すぎても赤ちゃんが感じてしまうことがあるのでおおらかな気持ちで周囲の方が楽しそうに食べている姿をみせてみましょう。
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赤ちゃんが、離乳食を食べなくて心配です。
この時期は母乳やミルクでも栄養をとっていますので、過度な心配は不要です。体重が増えているかに着目し、もし増えていない場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。また、離乳食のいろいろな形態を試してみて、お好みを少しずつみつけてみてください。
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離乳食を食べてくれません。病気でしょうか。
お腹が痛いなどの病気で食べないこともあります。他に症状がないかをみて、心配であればかかりつけ医にご相談ください。ただ、離乳食を食べないだけでは病気と断定することはできません。他の人と比べず、赤ちゃんが大きくなっているかに着目してくださいね
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離乳食は何gまで食べれば大丈夫ですか?
赤ちゃんがどれだけ動くのか、どれだけ母乳やミルクを飲んでいるのか…で必要な離乳食の量は全くことなります。
離乳食には目安の量はありますが、それが基準であったり、それだけ食べていれば大丈夫などの数字でもありません。あまり数字にとらわれず、赤ちゃんの様子をみてみましょう。 離乳食の量に決まりはありません。あくまでも不安に思う人のための目安にすぎません。
参考文献
- 厚生労働省研究班.授乳・離乳の支援ガイド (URL)(2025年5月31日 閲覧)
著者のプロフィール

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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