ピーナッツアレルギーは予防できる?対象者·頻度·量など 管理栄養士解説
ピーナッツアレルギーは、年々日本でも増えています1)。
なぜかSNSにて「ピーナッツ早く食べれば予防できる!」と言われており、育児相談でも非常に相談件数が増えています。
本記事では、ピーナッツは早く食べたほうがいいのか?でも怖いな…という保護者さん向けです。
ピーナッツの早期摂取でアレルギー予防になるかはわかっていない ということを解説します。
結論:一般的には「ピーナッツは避けずに普通にあげる」程度
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド (2019年改定版)」2)作成時、ピーナッツ早期摂取の話が出ました。
そこで「日本の食生活に当てはめることはやはり難しい」としました3)。
これにより、ピーナッツを早期摂取する旨は、日本のガイドにはあえて組み込まないことになりました。
しかし、さまざま研究で、条件が揃えばアレルギーリスクが低減することはわかっています。
- 条件が揃えば早期導入でリスクが下がる可能性はある
- 効いたとされる条件は、基本的に 「かなり早く、一定量を、一定期間継続」
- 重要なのは、誰に当てはまる話なのか(リスク層) と、どこまで医療化(検査)するかで、推奨の意味が変わることです4)
管理栄養士
LEAP研究:予防は「少量を一度」ではなく、5歳まで続けた介入
ピーナッツの有名な研究にはLEAP研究があります5)。
この研究を読み解くポイントは、「ターゲット」「開始時期」だけでなく、摂取量・頻度・継続期間にあります。
LEAP研究の特徴
LEAP研究は、下記のような研究です5)。
- RCT(ランダム化比較試験)+二次解析
- 4~11ヶ月齢の重症な湿疹がある(もしくは卵アレルギー)の乳児640人
- ピーナッツを摂取する群と、60ヶ月(5歳)までピーナッツを避ける群に無作為に割り付け
- 摂取群はピーナッツタンパク質6g/週、避ける群は0g。
「アトピー性皮膚炎か卵アレルギーのある乳児が」
「0歳から5歳まで、週3回以上ピーナッツを規定量食べる」
場合には、
アレルギー発症リスクが抑えられた ということです。
「アトピー性皮膚炎か卵アレルギーのある乳児が」
「0歳から5歳まで、週3回以上ピーナッツを規定量食べる」
場合には、
アレルギー発症リスクが抑えられた ということです。
管理栄養士
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その診断によるので、わかりませんが、場合によっては、
医師の診断のもと、ピーナッツの摂取を5歳まで週3回以上摂取を薦める可能性はあるかもしれませんね。
その診断によるので、わかりませんが、場合によっては、
医師の診断のもと、ピーナッツの摂取を5歳まで週3回以上摂取を薦める可能性はあるかもしれませんね。
管理栄養士
アトピー性皮膚炎児がピーナッツアレルギーを予防する場合の頻度と量
つまり、LEAP研究を基にするなら、重症な湿疹がある場合は、週あたり6gのピーナッツたんぱくを、週3回以上に分けて、5歳まで継継続すると、ピーナッツ回避群 13.7% vs 摂取群 1.9%(60ヶ月時点のピーナッツアレルギー有病率)とされました。

予防のためのピーナッツ量は、1週間にピーナッツバター25gを3回以上に分ける
このLEAPでは、0-5歳の間、週6gたんぱくとしています。
これはピーナッツバターにすると25g/週(目安)程度となります*。(*日本食品成分表8)では29g、商品パッケージも参考として25gとした)
つまり「ひと口」ではなく、週3回以上×5年間 ということになります。予防をするためとはいえ、ちょっと大変な量・回数・頻度ですね。
NIAID補足ガイドライン(2017)にみるLEAP研究の実用化
LEAP研究を受け、米国のNIAIDでは、「ピーナッツアレルギー予防の補足ガイドライン」を発表しました。
ガイドラインのポイント:乳児を3つのリスク別に
NIAID補足ガイドラインは、乳児を大きく3群に分けています4)。
① ハイリスク(重症湿疹・卵アレルギー、または両方)
4〜6か月で月齢に合ったピーナッツ食品の導入を検討します
ただし、導入前に検査(sIgEや皮膚テスト)や専門的評価を考慮し、導入方法(家庭か医療機関か)を決めます4)。
管理栄養士
② 中リスク(軽〜中等度の湿疹)
6か月頃から、家庭で導入してよいとしています。医療機関での必須評価は前面に出してはいませんので、自宅で始めても構いません。
③ 低リスク(湿疹なし・食物アレルギーなし)
ピーナッツの導入はいつからでも構わない とされています。また、導入を遅らせる必要は基本的にないとされています。
つまり「あげるのはダメではないが、量などに決まりもない」こととなります。
家族の嗜好・文化に合わせて、他の離乳食と同様にはじめていいということになります。
管理栄養士

LEAPの“発想の起点”イスラエルと英国の比較
Katzら(2008)は、ユダヤ系の子どもがピーナッツアレルギー有病率が 英国在住児 1.85%、イスラエル 在住児 0.17%と大きく異なることを示しました6)。
イスラエルの乳児は、Bambaというピーナッツスナック菓子を好んで食べます。
量は月あたりピーナッツたんぱく 7.1gで月8回が中央値でした。
これと比べ 一方、英国では 0g/0回(中央値)だったということがLEAP研究のヒントになっています。
しかし、これは観察研究なので、「それが原因で差が出た」とは断定できません。
それでも、「単発ではなく、生活として“続けて食べている”」という仮説があるかもしれないとして、LEAPの設計につながったとしています。面白いですよね。
一般家庭では同じもの、同じ量を「続ける」のは難しい
EAT研究という、一般乳児に複数アレルゲンを早期導入した試験があります。
これは、なんと、3ヶ月までの早期導入群と6ヶ月からの通常導入群に分けました。
しかし、生後3ヶ月ということもあり、
早期導入群でピーナッツ(ピーナッツバター約小さじ1.5/週)をあげることができたのは、約4割でした。
3-4ヶ月~1歳まであげつづけられた人は、ピーナッツアレルギーの発症が予防できたとされています。(6ヶ月以降、数量を特に定めなかった児にはピーナッツアレルギーがみられました)
この研究では、生後3-4ヶ月からピーナッツバターをしっかりとした量あげ続ければ、湿疹有無にかかわらず、ピーナッツアレルギー予防ができるとされましたが、そもそもあげられる人が少なかったという反省点もあるのです。生後6ヶ月未満にピーナッツバターをあげるのは、ちょっと大変ですよね。
でも、アトピーではないうちの子にも、ピーナッツをあげてもいいってことですよね?
でも、アトピーではないうちの子にも、ピーナッツをあげてもいいってことですよね?
ピーナッツを避けてもアレルギー予防になるとはされていません。
なので、ピーナッツをあげてもいいのです。普通の食品と同じようにとりいれればいいでしょう。
ピーナッツを避けてもアレルギー予防になるとはされていません。
なので、ピーナッツをあげてもいいのです。普通の食品と同じようにとりいれればいいでしょう。
管理栄養士
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ピーナッツも、形態を工夫すれば早期摂取を行えます
国立成育医療研究センターでは、ピーナッツは安全に摂取可能で、指導あるとしています。
湿疹を適切にコントロールしながら、
ピーナッツ等をパウダーまたは滑らかなペーストの形態で少量ずつ混ぜて摂取することを指導したところ7)、下記のようになりました(N=33名)。
- 1歳までに食べられた児:48.5%
- 2歳までに食べられた児:78.8%
本研究では、ピーナッツの量はわからず、少量である可能性はあります。
しかし、粉やペーストであればピーナッツの早期摂取も最初の1歩を安全支援ができることがわかりました。
まとめ
一般的にピーナッツを早くに食べさせたからといって、アレルギーが予防できるわけではありません。しかしながら、避けたから予防できるということもありません。
すなわち、家族が食べるのであれば少しわけてあげることくらいが程よいでしょう。ジーマミ豆腐など食べる風習ご家庭であれば、避けずにいいかもしれませんね。
もし、予防を期待するとしたら、0-5歳まで隔日でかなりの量のピーナッツ食べることになります。
必ず医師に相談の上、おこないましょう。
よくある質問
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ピーナッツは早くに食べたほうがいいですか?どのくらいあげたらいいですか?
日本において現在ピーナッツの早期摂取は推奨されていません。いつから、どのくらいあげるという明確な指標はありません。
しかし、食べてはいけないともされていませんので、保護者が食べる機会があれば、少しペーストをおかゆや蒸しパンに混ぜてしまうことは悪くはないでしょう。しかしながら、アレルギーの予防になるかどうかは、わかっていません。重症湿疹があれば医療機関で指導のもと早くに食べることがありえます。重症湿疹の場合は、医師の診断のもと、ピーナッツ約24 g / 週を0-5歳まで続けることが有用といわれるかもしれません。現在これについては証明されています。 -
ピーナッツはいつから?4〜6か月?6か月ですか?
NIAIDでは、ハイリスク児の場合は4〜6か月で「評価→導入検討」、中リスクは6か月頃とされています。しかしこの中で、普通の何もリスクがない場合は、家庭のタイミングで構わないとされていますので、医師からの指示がない限りは、何か月からでも構いません。
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うちの子は「ハイリスク」?重症湿疹ってどの程度?
NIAIDでは「重症湿疹」とは「保湿だけでは落ち着かず、処方薬レベルの外用抗炎症薬が頻繁に必要になるような、持続・反復する状態」として定義しています。しかしながら、この診断は医師がするものです。必ず自己判定せず、まず小児科/皮膚科で評価してもらってください。
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Q5. 導入前に検査したほうがいい?家庭でやっていい?
NIAIDはハイリスクで検査(sIgE/SPT等)を強く考慮します。一方で、スクリーニングには過剰診断や導入遅延などの副作用も議論されており、地域の医療資源や家族の価値観を含めた共有意思決定が重要、という批判的論点もあります。該当しそうなら「検査の是非」自体を受診で相談してOKです。 Source Source
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「1週間に6〜7gのピーナッツたんぱく」って、食品だとどのくらい?
たんぱく量は食品で違うため、換算は“目安”です。NIAIDの例では、Bambaは 21本でピーナッツたんぱく2g(=週3回で約6gに近い)と示されています。
ピーナッツバター換算はだいたい、25‐29gくらいですが、製品差が出るので、「たんぱく量で考える」ことが必要です。商品パッケージから計算してください。 -
ピーナッツを離乳食であげるには、途中でやめたらどうなる?1日おきに食べないとダメ?
まず、重篤な湿疹がない限り、ピーナッツの早期摂取が予防に有効かはわかっていません。実験は0-5歳までずっと毎週3日以上(1日起き程度)あげつづけています。例えば、1歳でやめたらどうなのかなどの研究はでていませんが、5歳でやめても予防効果はみられたことはLEAP Trio
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ピーナッツは何g食べられたらアレルギークリアですか?
ピーナッツは何g食べられたらアレルギーがない、と決める基準はありません。
ただ、少量から食べて症状がなければ、通常量まで増やしていくことで確認します。 -
ピーナッツは早くからあげたほうがいいですよね?
重症な湿疹がある場合は、医師の診断のもと、ピーナッツ約24 g / 週を0-5歳まで続けることが有用ですが、あまりに継続期間が長いこと、食べる量もとても多いことで、なかなか難しいものです。離乳期に少しだけあげたとして、それが予防効果になるかはわかりませんが、家族が食べるようであればあげることは構いません。
参考文献
- 消費者庁.食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書(2026年3月15日 閲覧)
- 厚生労働省.授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)(2026年3月15日 閲覧)
- 厚生労働省.「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する 研究会 第1回議事録 (2026年3月15日 閲覧)
- Togias A, et al.National Institute of Allergy and Infectious Diseases(NIAID).Addendum Guidelines for the Prevention of Peanut Allergy in the United States Report of the NIAID-Sponsored Expert Panel (2026年3月15日 閲覧)
- Feeney M, et al. Immune Tolerance Network LEAP Study Team.. Impact of peanut consumption in the LEAP Study: Feasibility, growth, and nutrition. J Allergy Clin Immunol. 2016年6月;138(4):1108-1118(2026年3月15日 閲覧)
- Du Toit. Early consumption of peanuts in infancy is associated with a low prevalence of peanut allergy. J Allergy Clin Immunol. ;122(5):984-91(2026年3月15日 閲覧)
- Harama, D., Saito-Abe, M., Hamaguchi, S., Fukuie, T., Ohya, Y., & Yamamoto-Hanada, K.. Feasibility and Safety of the Early Introduction of Allergenic Foods in Asian Infants with Eczema. Nutrients. 2024年12月; 16(11): 1578(2026年3月15日 閲覧)
- 文部科学省. 日本食品成分表. 2023. ;八訂:
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著者のプロフィール

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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