妊婦は気を付けたいリステリア菌(アボカド検出事例を受けて)

アボカドにも

アボカドは、葉酸が豊富なので妊活期や妊娠初期には積極的に取りたい食材のひとつです。
アボカドとサーモン 妊娠中に食べていい?

しかし、この度、米国内で流通する国産・輸入アボカドを調査したところ、皮のサンプルの約18%からリステリア菌が発見されたとの報告が米食品医薬品局(FDA)からだされました。
これは2014年〜2016年までの18カ月間に、米国内産及び、メキシコやペルー、チリなどから輸入した1615個のアボカドのサンプルを調査。この内、12個(0.74%)がサルモネラ菌に陽性だったというものです。1)

さて、この結果をわたしたちはどう解釈したらいいでしょうか。まず、この菌が陽性かどうかというだけで、菌数がわからないので、発症するレベルかどうかをもう一度考え直さなければいけないのと、ついているのは皮であるので、皮を洗えば問題ないと考えることができます。

このことから、日本においては、「万全を期して皮を洗ってから食べましょう」という程度で考えておけば問題ないでしょう。

リステリア菌とは

リステリア菌は、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌です。最初はペットからヒトにうつるものとされていましたが、1980年頃から欧米諸国で牛乳やチーズにみられるようになりました。2)。健康な成人の場合には感染しても軽い胃腸炎症状や無症状であることも多いものなのですが、高齢者や免疫不全症(抗がん剤治療中やHIVエイズの方など)の方、乳幼児などは重症になることがあります。
妊婦は流産や早産、死産の原因になることから、妊婦さんに対するリステリア菌予防が日本でも指導されるようになりました。

リステリアに注意したい食品

アボカドとサーモン 妊娠中に食べていい?

スモークサーモンは海外で発症事例がある食品の1つ

欧米では、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品、コールスローなどのサラダなどでリステリアによる集団食中毒が発生しています。3)
また、国内では、乳製品、食肉加工品や魚介類加工品などから、とても菌数は少ないですが、リステリアが検出されています。1)
スモークサーモンや生ハム、非加熱のナチュラルチーズは気が付いたら避けておくと安心です。

ナチュラルチーズは、カッテージチーズやカマンベールチーズ、ゴーダチーズなど、数種類をまぜて加工したプロセスチーズ以外のものをさしますが、あくまでも避けるものは非加熱のものです。

尚、日本の大手メーカーのナチュラルチーズのほとんどは加熱されていますので、心配ありません。気になる場合は、商品パッケージやメーカーホームページなどで加熱か非加熱かを確認してみましょう。

 

リステリア菌 を予防できる5つの方法

まずは家庭で予防するように心がけましょう。これらは食中毒全般にも言えることなので、妊娠中から気を付けて、赤ちゃんが生まれてからも継続できるといいですね。

1.生野菜や果物などは食べる前によく洗いましょう

今回の事例にあったアボカドも、皮をきれいに洗えば問題ありません。皮を剥くからと過信せず、包丁についてしまうと中まではいってしまうので、事前に洗うようにしましょう。

2.賞味期限内に食べきりましょう

賞味期限や保存方法を守っていれば、食中毒が発生するほどの菌数にはなりません。リステリア菌は4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できるので、塩蔵製品も気を付けましょう。

3.開封後は、期限にかかわらず、なるべく早く食べきりましょう

一般的に、賞味期限や消費期限は開封前のことを指します。冷蔵庫保管でも菌は増殖するので、開封後は期限にかかわらず早く食べきるようにしましょう。

4.冷蔵庫を過信しすぎないようにしましょう

リステリアは4℃以下の低温でも増殖できるので、冷蔵庫内でも増えてしまいます。

5.加熱してから食べましょう

リステリアは加熱により死滅するので、加熱して食べることも、予防対策の一つです。

さいごに

国内では食事由来のリステリア菌発生事例はないので、考えすぎる必要はありません。ただし、輸入品も手に入りやすくなった昨今、安心して妊娠生活を送るためにも、可能であれば、ストレスにならない程度で、気を付けておくといいですね。いろいろな食材をまんべんなく食べることが、母体にも赤ちゃんにも良いので、きちんと食材を洗ったり賞味期限をまもって楽しく食べていきましょう。

厚生労働省 資料はこちら

 

【参考文献】

1)USA TODAY「Eat avocados without washing them? That’s an avoca-don’t, FDA says」

2)リステリア菌による食中毒 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html
3)平成 21 年度食品安全確保総合調査 「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」
より抜粋 (社団法人 畜産技術協会作成)

 

プロフィール

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
All About 「離乳食」「幼児食」「妊娠中の食事」ガイド

女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている

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