妊婦さんが妊娠中避けたいチーズ/ナチュラルチーズはOK?NG?

妊娠中にナチュラルチーズがダメと聞いたことはありますか? 
それは本当にごく一部の稀な商品の場合です。
妊娠中でも、日本の有名メーカーのチーズは、食べることができます
カルシウムなども含まれますので、妊婦さんでもチーズを食べてみてくださいね

ではご説明いたします。

妊娠時には避けるべきナチュラルチーズとは?

非加熱のナチュラルチーズには、リステリア菌やトキソプラズマが含まれている可能性があります1)ので、妊娠中は避けましょう。

ただし、日本の通常の流通で売られているものは、加熱して殺菌された牛乳を使っているので問題ありません

妊娠中に避けるべきナチュラルチーズは、海外製品や「未殺菌牛乳で作ったチーズ」として販売されているものになります。

管理栄養士

管理栄養士

避けたいチーズは、「未殺菌乳で作られた」もの。
日本で一般的には流通されているものは全て殺菌されているのでナチュラルチーズでも食べることができますよ!

【関連記事】ベビーチーズは離乳食期はいつから?

ナチュラルチーズとは

ナチュラルチーズには下記のようなものがあります。
・モッツアレラチーズ
・カマンベールチーズ
・リコッタチーズ  (スイーツ作りで使われる)

などが該当します。

しかしながら、日本の「ナチュラルチーズ」は
作る上でほとんどは殺菌されている牛乳が使われているので、多くは大丈夫です。

一般的に販売されているもののことを指すので、
「未殺菌牛乳」などの流通されていないような特別販売品は避けておくといいでしょう。

輸入品は、どのようなものかわかりにくいので、
避けておくと安心ともいえるかもしれませんね。

チーズ 妊婦 食べていい  ダメ

妊娠中にナチュラルチーズを食べるときの3つのポイント

日本の通常のスーパーなどで売られているいわゆる一般向けの食品のチーズは、
加熱殺菌されている生乳をつかっているため、
ナチュラルチーズは妊婦さんでも食べることができます

1.海外のナチュラルチーズはしっかり加熱して食べる

海外のものは、リステリア菌やトキソプラズマが含まれている可能性があるかもしれないので、
輸入元に確認するか、しっかり加熱してから食べると安心です。

2.国内有名メーカーのナチュラルチーズなら妊娠中もOK

国内で販売されている大手メーカーの、生で食べられるナチュラルチーズは危険性はほとんどありません。(森永乳業、明治乳業 調査結果)

日本の大手メーカーもの*は
「原乳の時点ですでに殺菌」されており、出荷前に検査もしているので、リステリア菌やトキソプラズマの危険性はありません。

管理栄養士

管理栄養士

日本の一般的に流通しているチーズであれば、ナチュラルチーズでも大丈夫!食べられますよ!

ご心配であれば、メーカーに問い合わせるとより安心かもしれませんね。

3.心配があったら加熱

妊娠中は何かと心配になりますし、不安は払しょくしきれないこともあるかもしれません。

どうしても心配な場合には加熱をして食べるといいでしょう。

よくあるご質問

妊娠中、輸入モッツァレラチーズは食べられないのでしょうか。
モッツァレラチーズは非加熱なので避けた方がいいですよね?


輸入でも加熱していれば構いません。
たしかに輸入品などにみられる非加熱のナチュラルチーズは、製造方法がわからないので、非加熱で食べることは避けておくと安心でしょう。

しかし、輸入チーズであっても、
モッツアレラチーズとトマトのピザ(マルゲリータ)というメニューやグラタンなら、
加熱されているので心配はいりません。

つまり、しっかりと加熱されたチーズであれば、種類を問わず安心ということです。

グラタンなど 加熱されていれば OK チーズ 妊婦
グラタンなどのように加熱されていればOK

また、スーパーでチーズを買うときは、
「種類別」の部分が”ナチュラルチーズ”のものではなく、
”プロセスチーズ”と書いてあるものを選べば、加熱されているということなので、
妊娠中に食べてもOKということになります。

よくあるご質問

妊娠中、チーズケーキを食べてもいいですか?

ベイクドチーズケーキなら、全く問題なくOKです。
日本で一般的に販売されているチーズを使っていれば
レアチーズケーキでも問題はありません

でも、もし原料がわからなくてどうしても心配ということであれば、
妊娠中であればベイクドチーズケーキのほうが、より安心でしょう。
レアチーズケーキは、ナチュラルチーズのクリームチーズが使われているうえ、
加熱をせずに作りますので、もし、海外で食べるとか、
自然食品店などで非加熱牛乳で作った…というようなものがあれば避けましょう。

妊娠中はカルシウム補給を

気を付けたいチーズは、非加熱牛乳を使ったナチュラルチーズであって、ほとんどのチーズは食べることが出来ます。

チーズはカルシウムが手軽に補給できる、嬉しい食材です。

食事バランスを整えながら、
・味付けに粉チーズを使う
・朝ごはんを野菜チーズトーストにする
など、上手にチーズをとりいれてみてください。

食の支援者は、避けるだけではなく、
しっかり食べられることも伝えたいですね。

【関連記事】妊娠中、生ハムやスモークサーモン大丈夫?/妊婦は気を付けたいリステリア菌

参考文献

1) 厚生労働省.「リステリアによる食中毒」(2019年 12月6日山椒)
2)平成 21 年度食品安全確保総合調査 「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」
より抜粋 (社団法人 畜産技術協会作成)

電話取材協力)森永乳業 お客様相談室、明治乳業   お客様相談室  ありがとうございました。

著者

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている