イクラは何歳から食べられる?

乳幼児を持つ家族にとって、
「これって何歳から食べられるんだろう?」
「食べても大丈夫かな?」と不安になると思いますが、
多くの食べ物においては「〇ヶ月から食べられる」という明確な指標はありません。

いくらが何歳から食べられるのかという正式な回答はありませんが、
どういう食べ物でどういうリスクがあるのか知っておくことは大切です。
一緒に考えてみませんか?

いくら(イクラ)とは?何の卵?

イクラ アレルギー 離乳食 乳児

本来、イクラとは、魚卵を指す言葉です。卵の膜で覆われている筋子から、1粒ずつ取り出したものが、イクラです。

代表的なものは、鮭の卵ですが、他のものでもイクラと呼ぶこともあります。

値段の安いイクラは何でできている?

高級品であるイクラが、安く手に入ることがあると本当のイクラなのかと心配になりますよね?

人工イクラもあるようですが、本物のイクラの中でも、値段に違いがあります。それはなぜでしょうか。

主に

・産卵が近い時期にとったイクラは、皮が固く、少し臭みが感じられることもあり、値段が下がる

・鮭ではなく、マスの卵は、粒が小さく、値段はかなり下がる

の2つが考えられます。

マスの子とイクラ
イクラ(左)とマスの筋子(右)

また、鮮度が落ちていたり、何度も冷凍して保存しているものも値段が下がります。

安いものは、ほんとうの魚卵ではない のでアレルギーがでにくいという説もありますが、本物の魚卵である可能性も高いので注意は必要です。

乳幼児にイクラをはじめてあげるときのポイント

乳幼児にイクラをあげるときに、考えたいポイントは3つあります。

1.衛生面

イクラは、茹でたりしていない、生の状態です。

しょうゆ漬けをすることで鮮度を保っていますので鮮魚売り場で購入は1-2日で食べきるようにしたいものです。また、瓶詰はある程度日持ちしますが、開封後はなるべく早く食べきりましょう。

生の魚卵であることをお忘れなく。

【関連記事】妊婦さんは イクラを食べても大丈夫?リステリア菌について

2.塩分:しょうゆ漬け

2つ目は塩分です。しょうゆ漬けの味の濃さにもよりますが、
いくらの軍艦巻き 2貫 で約1gくらいの食塩相当量といわれているので、乳幼児では、1食にとっていい食塩相当量を、いくら軍艦 2貫だけでとってしまう計算になります。

つまり、

他にしょうゆやみそ汁などを食べると塩分過多になる 計算です。

3.魚卵アレルギー

イクラは、アレルギー特定原材料(任意表記)の1つです。
特定原材料とは、食物アレルギーをもつ人の健康危害の発生を防止する観点から、
過去の健康危害等の程度、頻度を考慮して消費者庁が定めているものです。

以下を表にして年齢群別原因食物(粗集計) 0歳(1,876)1・2歳(1,435)3-6歳(1,525)7-17歳(906)≧18歳(338)1鶏卵60.60%鶏卵36.30%木の実類27.80%牛乳16.90%小麦22.50%2牛乳24.80%牛乳17.60%牛乳16.00%木の実類16.80%甲殻類16.90%3小麦10.80%木の実類15.40%鶏卵14.70%鶏卵14.50%果実類9.80%4魚卵8.20%落花生12.00%甲殻類10.20%魚類7.7%5落花生6.60%魚卵10.30%落花生9.10%木の実類5.90%6小麦5.80%小麦6.70%果実類7.80%牛乳5.00%7小麦7.60%小計96.20%89.80%87.50%82.80%67.80%注釈:各年齢群で5%以上の頻度の原因食物を示した。また、小計は各年齢群で表記されている原因食物の頻度の集計である。 原因食物の頻度(%)は小数第2位を四捨五入したものであるため、その和は小計と差異を生じる。 【引用文献】令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書 (2022年4月 消費者庁)

イクラは、特に幼児期にアレルギー出現の可能性が高い食べ物です(上図「魚卵」参照)。

特に乳幼児期に初めて食べてアレルギー症状がみられるものとして、頻度の高いものです。

最初に食べるときは少しだけにしておくと安心でしょう。

最後に

イクラは、何歳から食べても大丈夫という明確な指標はありませんが、
異変があったときなどに伝えられるようになる3歳以降だと、少し安心かと思います。

ただし、塩分も多くアレルギーも起こりうるものなので、少量のみにしておきましょうね。

何歳だから大丈夫! ということはないと覚えておきましょう。

【関連記事】おせちの数の子やいくら、赤ちゃんはいつから食べられる?

参考文献

・アレルギー表示について 消費者庁

消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する貯砂研究事業報告書」

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川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている