赤ちゃんに麦茶は薄める?いつからいつまで?水出しでもOK?

赤ちゃんには白湯や麦茶を飲ませましょうと聞いたことはありますか?その根拠はなんでしょうか?

なぜ麦茶なのか。そして麦茶はどのようなものを飲ませたらいいのか?薄めた方がいいのかとその理由についてなどをみていきましょう。

赤ちゃんにあげるものは、〇×で考える方が頭に入りやすいかもしれませんが反対に悩んでしまうこともありますので、しっかり理由を勉強しておくといざというとき考える力がついてぐっとラクになりますよ。

赤ちゃんの麦茶は大人用でも大丈夫

麦茶とは、大麦などを焙煎したものになります。 「茶」とは書きますが、いわゆる緑茶や紅茶になる「お茶の木」の葉をつかったものではありません。

お茶の葉っぱを使った緑茶や紅茶にはカフェインが含まれますが、大麦を使っている麦茶はカフェインを含みません

この大麦にも種類があり、麦茶には

・六条大麦

・二条大麦

が使われます。

また、大麦に似ているハトムギも「ハト麦茶」などとされて販売されていることがあり、これも麦茶の一種です。

どれでも赤ちゃんは飲むことができますが、妊婦さんの場合、ハトムギのエキスを濃縮したものを服用すると子宮収縮などがみられることもあるため1)、普通に飲む分には全く問題はありませんが、何かの効果を期待してこくに出したハト麦茶だけで水分補給をするというようなことは避けておくと安心かもしれませんね。

麦茶 大人用でも大丈夫? 赤ちゃん用麦茶 おすすめは?
丸のままの麦茶用の麦  六条と二条では風味も違いますが、焙煎方法によっても変わるため一概にはいえない

赤ちゃん用の麦茶はおすすめ?

赤ちゃん用として売られている麦茶とは、いろいろな種類があるようですが、赤ちゃん用としてベビー用品店などで扱われている粉末のものやペットボトルの麦茶のことでしょうか。

まず、粉末のものはちょっと水だと飲まないけれど、どうしようかな・・・と言うときに重宝しやすく日持ちするのと、個包装なので少しだけ作れるのがオススメポイントです。

ペットボトルの麦茶は何が大人用と違うのか考えてみましたが、少し味が薄いというだけで基本的には大人用と同じです。

麦茶は赤ちゃんにいつからあげていい?

「麦茶は赤ちゃんにいつからあげていい?」と聞かれれば、麦茶は特にハーブのような薬効成分もないことから水と同じと考えれば生後1ヶ月頃から可能ですという答えになるでしょう。しかしながら、まだ母乳やミルクで栄養を摂っている乳児が別の水分を摂る必要は基本的にはありません。

離乳食を始める5、6ヶ月頃であれば食事の誤飲防止のために用意したり食事のあとに軽く口の中をさっぱりさせるために飲むということは多少はあるかもしれません。

しかしながら基本的には水分補給は、母乳またはミルクで充分であり、それらで栄養を摂っていきましょう。水や麦茶のようなカロリー(エネルギー)のないものは赤ちゃんの成長に良い影響は与えないかもしれませんので、注意しましょう。

管理栄養士

生後1ヶ月~ などいう表記などをみて「麦茶をあげるべきなのか!」と誤解しないようにしたいですね。飲んでも構いませんが基本は母乳やミルクとなります。余計な水分で小さな胃をいっぱいにしないようにしたいですね。

麦茶をどうやってあげたらいい?

麦茶 赤ちゃん 薄める? いつから?

麦茶はストローなどでたくさん飲めなくても、全く問題ありません。むしろストローや哺乳瓶にいれて飲むとたくさん飲み過ぎてお腹が水分でいっぱいになってしまうかもしれませんね。

月齢が小さいうちは、スプーンですくってちょっと口に含ませるくらいで大丈夫です。もしくは、小さなおちょこのような容器に直接口をつけ、唇でとりこむようにして飲んでも良いかもしれませんね。上の写真のような器が1つあると便利です。

麦茶の薄め方 薄めた方がいい?

基本的に麦茶は薄めなくても赤ちゃんは飲むことができるので、薄めなくても大丈夫です。

ですが、よく「麦茶を薄めて・・・」と言われていますよね。科学的根拠はありませんが、これは「苦みがあると飲みにくいので薄めると飲みやすいよ」という意味です。

麦茶を薄めるときはお湯でお好みに薄めるだけ

でも赤ちゃんには「薄めた麦茶」とわざわざ書いてあるのよね。薄めたい場合はどうやって薄めたら良いですか?

管理栄養士

薄めたい場合は水やお湯で薄めてあげましょう。ポットのお湯でいいですよ

麦茶を薄めるのは〇倍にうすめるなどの決まりはなく、なんとなく苦くないかな・・飲みやすいかな・・・程度で大丈夫です。

そもそも普通の麦茶でも飲めれば全く問題はないですので、どのくらいでも構わないのです。ペットボトルのお水などでもいいですし、きれいな水道水でも構いません。

井戸水などは絶対に避けてください。お湯をつかうと飲みやすい温度になりやすいのでおすすめです

お湯で薄める利点

麦茶をお湯で薄める利点は、苦みが少なくなって飲みやすくなる他、「冷たい麦茶」を飲みやすい温度にするという効果もあります。

麦茶は保存しておくときに冷蔵庫などで保管されていることもあったり、自動販売機などで購入すると冷たいこともありますよね。冷たい飲み物は赤ちゃんはびっくりしてしまいます。母乳やミルクと同じ「人肌くらい」が赤ちゃんには最適ですので、冷たくないものにしましょう。

そうすると麦茶を一旦電子レンジであたためるの?湯煎?と大変なことになってしまうかもしれませんよね。

そういうときに便利なのが「お湯で薄める」ということになります。

お湯で薄める必要はないのですが、赤ちゃんにあげるときにはお湯で薄めるとちょうどいい温度にもなる ということですね。

麦茶に書いてある乳児用規格適用とは?

麦茶のように赤ちゃん用だけではない場合には、放射性物質の検査基準値が赤ちゃん用なのか一般用なのかどちらを基準にしているかわかりにくいため「乳児用規格適用」と書いてあることがあります。 これは放射性物質の基準値が一般用より低いということになります。

赤ちゃん用に入っている麦が違うとか、お茶の濃度が違うというようなことではありません。

参考記事:https://boshieiyou.org/nyujiyoukikakutekiyou

水出しと煮出し麦茶の違い

麦茶(むぎちゃ)には、煮出し用と水出し用がありますね。また「どちらもOK」というのもあります。

まず、煮沸用と水出しのおもな違いは、粒がそのままか粉砕されているかです*。

煮沸用粒がそのままのものが多い*
水出し用
湯出し用
粒が小さく砕かれているものが多い*
*近所に市販されているものでのデータのため、違うものもあるかもしれません。(2022年5月母子栄養協会調べ)

水出し麦茶の作り方と注意点

水出し麦茶で気をつけたいことは、「作り方を守る」という点です。パッケージに書いてある作り方は「おいしい」だけではなく、「衛生的に保つ」という意味があります。

おもな水出し麦茶の作り方は下記の通りになっているかと思います。ご購入されたパッケージにしたがっていただきたいですが、こちらも参考にされてください。

水出し麦茶の作り方

1.清潔な冷水ポットに水1リットルをいれ、お茶パック1袋をいれる

2.約2時間したら箸などでティーバッグを取り出す

3.作った麦茶は冷蔵庫で保管し、その日のうちに飲みきってください

などと書いているかと思います。

水出し麦茶の注意点

水出しの利点は、沸かさなくて良いので手間が少ないことです。しかしながら、ポットが汚れていたり、冷蔵庫に保管しなかったり、1日で飲みきらず翌日も飲んでしまったりすることで腐ってしまう(=細菌が繁殖していまう)ことになりますので注意しましょう。

知ってますよ!簡単ですよね。これなら放っておくだけでもいいから私でもできています。

管理栄養士

そうですか!それならよかったです!

「清潔な冷水ポット」「約2時間で」「箸などで」「その日のうちに飲みきる」
が大切
なことは、ご理解いただいていますか?

あ。。。。気づきませんでした。そこがポイントなのですか?
気がついたら最後までパックが入っていたり、翌朝も飲んだりしちゃっています。

管理栄養士

プラスティックのボトルは細かい傷がついて細菌が繁殖しやすくなるので、ちょっと衛生面に自信がない場合は、ガラスポットがオススメです

水出し 煮出し 麦茶 赤ちゃん 乳児 ポット
真ん中が「ガラスポット」、右がプラスティック。真ん中のボトルは麦茶用ではなく出汁をつくるときに使っているので、麦茶用ではありませんがイメージとして利用しています

湯出し麦茶の作り方と注意点

水出し麦茶のパック(粒が砕かれているもの)はお湯でも出せるものがあります。煮沸するのではなく、お湯でだしましょうと書いてあるものがありますのでパッケージを必ず確認してください。

湯出し麦茶の作り方

1.お湯を沸騰させたら火を止める

2.1-1.5リットルのお湯に対してお茶パックを1袋いれる

3.10分~1時間*したら箸などでかき混ぜてから取り出す(*時間は商品による)

(別容器に移し替える)

これは電気ケトルのお湯などでもいいのでしょうか。

管理栄養士

メーカーのパッケージには書いてはありませんが、電気ケトルやウォーターサーバーのお湯でも原理は一緒ですので、清潔な耐熱のボトルにいれればよろしいかと思います。水出しよりも早くできますが、熱いまま冷蔵庫にいれてしまうと庫内の温度があがってしまって他の食品が悪くなってしまうことも考えられますので、水をはったところにいれてあら熱をとってからにしてくださいね。

煮沸用の麦茶の作り方と注意点

煮沸用の麦茶は、湯だしとは違い、丸い粒の状態になっているのが特徴です。一度沸かす手間がかかるのが面倒ですよね。

湯だしはお湯につけるものですが、煮出しは、文字通りお湯から煮出す必要があります。

麦茶 煮出し 赤ちゃん
砕かれている麦は「煮出し」ではなく「お湯だし」の可能性も。必ずパッケージをよく見て。

煮出し麦茶の作り方

1.鍋ややかんにお湯を沸かす

2.沸騰したお湯にお茶パック1パックをいれ、3分ほど煮立たせる(量や時間はパッケージをご確認ください。)

3.パックを取り出す

煮出し麦茶の注意点

煮出した後は熱いので、あら熱をとるために大きな桶などに水を張り、その中で急速的に冷やしましょう。その際に

赤ちゃんには水出し麦茶でもいい?煮沸する必要は?

では赤ちゃんには水出しと煮沸とどちらかいいのでしょうか。答えは1つではなく、「どちらでも構いません」となります。

昔と違い近年の日本の水はかなり綺麗で安心な物でしょう。井戸水などを使っていない限りは問題はありません。

ただしこの記事を読んで、少しでも「うちの水は不安」という懸念事項がある場合は、煮沸をして使うといいでしょう。

参考記事:https://boshieiyou.org/mineralwater_for_baby

水出し麦茶を赤ちゃんにあげるときに気をつけたいポイント

水出しの麦茶を赤ちゃんにあげるときに、気になる点はありますか?

気になる点について上記に書いてきたことをまとめていきます。

水出しでもいい? 気になる点別 おすすめ方法

気になる点おすすめ理由
『水出し』『お湯出し』煮出すと苦いこともありますが、水出しは薄くてマイルドなので、水出しのほうが煮出しよりかはおすすめ
塩素『煮出し』カルキ(塩素)が気になる場合は煮沸されるとやわらぎます。しかし、一方で日持ちもしにくくなるため、品質保持が難しいです。カルキ臭は作ってから少し時間をおくと減っていきますので、いろいろ試してみてください。もしカルキ臭が気になるなら一度煮沸したお湯で割るのもいいでしょう。
衛生面どれでも基本的に日本の水道水は赤ちゃんでもそのまま飲めるようにできています。粉ミルクを70℃以上のお湯で溶かなければいけないのは、水の問題ではなく、粉ミルクのほうにサカザキ菌という細菌がまれに含まれることがあり、それを死活化させるためにお湯を使っています。日本の水道は水道局で毎日検査され管理されていますので安心ですが例えば「マンションなどの共同住宅の貯水槽に不安がある」「水道管が不安である」などがあれば煮沸されるといいと思います。

浄水器やウォーターサーバーの場合

浄水器の水をつかったり、ウォーターサーバーの水を使うこともあるでしょう。これらは塩素が含まれていないので安心できると思われているかもしれません。

塩素はある程度の細菌の殺菌能力があるため、浄水器やウォーターサーバーの水は細菌汚染には弱いことは覚えておきましょう。

水道水よりも浄水器やウォーターサーバーんほうが味が美味しいと感じる方は多いので、それは利点ですね。

注意したいのは、そのフィルターやボトルからの管などが清潔であるかということです。定期的にカートリッジを取り替えたり、内部洗浄をしてください。

さいごに

赤ちゃんに気をつけなければいけないのは「衛生面」です。これは「つけない・ふやさない・やっつける」がポイントとなります。

つけない・・・・清潔なポットで、清潔な箸でとりだすなど、細菌をつけないようにする工夫を

ふやさない・・・麦茶パックなどを長くいれっぱなしにしない、冷蔵庫に入れるなど、細菌がもし入っていても増やさないようにする工夫を

やっつける・・・もし心配なことがあったら煮沸する

ことを注意すれば、特に水出しでも煮出しでもどちらでも構いません。

ですが、このような書き方をすると、「最後までわからなかった」という読者の方もいらっしゃるかもしれませんね。(ごめんなさい)

気になる点やご事情はひとそれぞれなので、難しく本当にどちらでも構いません。

赤ちゃんがいらっしゃれば電気ポットなどがあるでしょう。

潔なボトルやマグカップに麦茶パックとお湯を入れ、少し濃く煮出してから人肌になるまで水を足してもいいかもしれませんね。味は薄くなりますが、赤ちゃんにはほどよいかもしれません。

衛生面に気をつけながらも、赤ちゃんには「人肌くらい」を「食事や授乳に響かない程度」を心がけましょう。

参考文献

1)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報「ハトムギ」  https://hfnet.nibiohn.go.jp/

プロフィール

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
All About 「離乳食」「幼児食」「妊娠中の食事」ガイド

女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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