平成30年度 食物アレルギー全国実態調査結果(消費者庁)

3年に1度、消費者庁から発表されている「食物アレルギー全国実態調査結果」の資料をご紹介します。

2019年5月末に発表された平成30年度の解説です。

原著では、調査方法などを含め細かく書いてありますので、詳しくは最下部にあるリンクから消費者庁PDFをご確認ください。

即時型食物アレルギーの原因物質

食物アレルギーの原因食物は、鶏卵が 34.7%、牛乳が 22.0%、小麦が 10.6%となり、主要3大原因食物で全体の67.2%を占めました。

即時型食物アレルギーの原因物質

木の実類のアレルギーが増加

今回調査では過去に比べて、「木の実類」の増加が著しく、8.2%と、前回 の3.3%から大きく増加しました。

木の実類は前回8位だったので、小麦に次ぎ第4位となったのは、特筆すべき点でしょう。

木の実類の内訳は、クルミが 251 例(木の実類の 62.9%)で最も多く、以下カシューナッツが 82 例(同 20.6%)、アーモンド 21 例(同 5.3%)となりました。

この他にもマカダミアナッツ、カカオ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ココナッツ、ペカンナッツ、クリの順で報告がみられたとのことです。

木の実アレルギー ナッツアレルギー

クルミ、カシューナッツは「木の実類」

余談ですが、筆者の子どもは6歳で初めて不意にクルミを食べて、アレルギー発症が認められました。

乳児期と違い、いろいろなものを食べていると思っており、親も安心していて、新しい食べ物であるという認識が弱いため、旅先などで発症してしまうこともあるかと思います。

乳児期にはアレルギーを心配する保護者も多いのですが、アレルギーは何時おきるかわからないということも併せて伝えていきたいものです。

落花生も依然として多い

落花生(ピーナッツ)は、アレルゲンの種類が違うため、木の実類とは別分類と考えます。

依然として多いので注意が必要です。

小麦、ソバ、落花生、木の実類は、呼吸器に出やすいのも特徴です。

キウイフルーツなどの果物も

果物類の内訳は、キウイフルーツが 77 例(果物類の 35.6%)で最も多く、以下バナナ、モモ、リンゴ、サクランボの順となりました。

サクランボまでの上位5種で全体の 74.1%です。

残りはほかの果物ということを考えると、アレルギーの原因食物の幅広さがうかがえます。

果物類はバラ科のものが多くみられ、これらは PFAS(Pollen Food Allergy Syndrome:花粉食物アレルギー症候群)の患者増加に関連していると考えられる明記されています。

花粉症の人は、野菜や果物を生で食べた時に唇・口・喉などの違和感や腫れなどアレルギー症状を引き起こす(口腔アレルギー)ことがあり、これを 「花粉食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼びます。

 

このPFASは、生の果物だと症状がでるものの、加熱する(ジャムやコンポート等)と、アレルゲン性が低下するため症状が出なくなるのが特徴です。

幼児期は、イクラなどの魚卵

前回調査でも幼児期の魚卵アレルギーの増加が指摘されていましたが、その傾向は引き続き認められました。

魚卵類の内訳は、イクラが 184 例(魚卵類の 94.8%)で最も多く、タラコが 10 例となりました。

魚卵とは別ですが、魚類の内訳では、サケが 14 例(魚類の 20.6%)で最も多く、以下サバ、ブリ、マグロ、アジ、シシャモの順で報告があったことから、サケ、イクラについては注意が必要です。

魚のアレルギーは寄生しているアニサキスに対するアレルギーもありますが、ヒスタミン中毒におよるものも多くみられます。
ヒスタミン中毒では、アレルギーのようなじんましんなどがみられますが、これは魚のアレルギーではありませんのでここには分類しません。

魚卵 アレルギー 平成30年度 アレルギー調査

消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」より

重症果物アレルギーに関する調査

この調査報告書には「重症果物アレルギーに関する調査」もあり、そこには、花粉症を持っている児が果物を摂取したあと運動したことで重症なアレルギー症状をみとめられた件について書いてあります。

モモととうがらしの交差抗原性などについても書かれていますので、給食などに関係する人は是非読んでおきたいものです。

参考文献

平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書

平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書 消費者庁

プロフィール

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
All About 「離乳食」「幼児食」「妊娠中の食事」ガイド

女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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