1歳のご飯は大人と同じでいいの?食事量の目安やレシピ
離乳食は、どんな食事を何g食べるという目安があったけど、1歳半をすぎたら何も目安がなくなるの?食事量はどのくらいなの?と気になりますよね。
今回はそのような時に考えたいポイントをご紹介します。
1歳のごはん(米)は、大人と同じ白飯でOK!
まず、ごはんの形態は、おかゆではなく、食べられるようであれば、いわゆるふつうの「ごはん」で構いません。
授乳離乳の支援ガイドには
12カ月~18ヶ月頃 軟飯90~ごはん80g
厚生労働省 授乳離乳の支援ガイド
とありますが、これは、ごはんなら65~80g程度、 軟飯なら 90~110g という意味になります。
つまりごはんでもいいし、軟飯でもいいという意味です。
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いつになったら、軟飯やおかゆではなく、普通のごはんに移行できますか?
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「軟飯90~ごはん80g」というのは、軟飯90gが食べられたら、ごはん80gに移行するという意味ではありませんので、軟飯90gも食べられない!と思ったら、ごはん65gでも同じエネルギーが摂れますので試してみください。また食べにくそうにしていたり、口からだしてしまうようなら、お湯をかけてふやかすという程度で様子をみながら徐々に移行でいいですし、一度ごはんにして、難しそうなら軟飯に戻してもいいのです。明確な基準が欲しいお気持ちはわかりますが、赤ちゃんにも気分などもありますので、あまり●カ月からごはん!など決めないでくださいね。

管理栄養士
食事に長時間集中できないけど、しっかり噛んでいそうという状態ならごはんでOKです!

1歳に大人と同じごはんをあげるときのポイント
軟飯は水分を多く含むので、どうしてもボリュームが増えますので、1歳ごろから普通のごはんでも歯ぐきでつぶしながら食べていくことができるでしょう。
ただし、水が少ないと、米粒がボソボソしてしまって、喉につかえてしまうような異物感を感じる赤ちゃんもいます。
- 食べにくそうにしていたら、なめらかなおかずとまぜてみる 例)あんかけごはんなど
- ごはんを一度にたくさん口にいれすぎないようにして、スプーンに小さく盛って食べるように心がける
ようにしましょう。
一度にたくさん口にいれてしまうと、そのまま飲み込んでしまいがちです。
ごはんは、案外飲み込めてしまう食材ですので、飲み込まないように噛む習慣をつけていきましょう。

管理栄養士
軟飯110gはなかなかボリュームがありますので、小食であればごはん80gでしっかりエネルギーを摂れるようにしたいですね。
軟飯がいいケースとは
もし、赤ちゃんが普通のごはんを食べにくそうにしていたり、むせたりしていたら、「やわらかめのごはん(軟飯)」がいいでしょう。いわゆる「軟飯(なんはん・なんめし・なんぱん)」といわれるものですね。
授乳・離乳の支援ガイドでは、先ほどもご説明のとおり1歳~1歳半だと軟飯なら 90~110g となります2)。軟飯110gはけっこうなボリュームになります。
軟飯なら普通のごはんより、少し多めに食べられるといい と考えておきましょう。
軟飯の作り方
細かい定義としては、”米1に対して水2~3で炊いたもの” とありますが、離乳食や幼児食を家庭でおこなう上ではそこまで厳密にする必要はありません。火加減や調理法で蒸発量が大きく変わります。それよりも形状が食べやすそうかで判断すればOKです。

管理栄養士
軟飯は、割合ではなく、やわらかめのごはんと考えておきましょう。
水分量は加熱の火加減や置いておく時間で大きく異なるためです。
だいたいごはんの1/2~1/3くらいの量のお湯を加えて、電子レンジでも鍋でもいいので、少し加熱してから冷ましておくと、ほどよく水を吸ってやわらかいごはんになります。これが軟飯です。
軟飯の米と水の割合(鍋で米から炊く場合)
米1:水2
軟飯のごはんと水の割合(電子レンジでごはんから作る場合)
ごはん1:水0.3
ごはんの1/3くらいの量のお湯をまわしかけて、電子レンジで約1分半加熱してから3分ほど室温におき、かき混ぜてからさらに1分ほど加熱すると、ごはんが適度に水分を吸ったらできあがり
軟飯のごはんと水の割合(鍋でごはんから作る場合)
ごはん1:水0.5
ごはんの約半量くらいの水を加えて鍋で水分が少なくなるまで加熱したらできあがりです。

管理栄養士
そもそも炊いてからどんどん水も吸いますし、米の炊き方や品質によっても水加減は異なります。
軟飯の量とごはんの量の違い
食品成分表上は、軟めし と ごはん のエネルギーの差でみるとわかりやすいです。
ごはん100gと同じエネルギー(カロリー)を軟飯でとるには135gとなります2)。
普通、このような数字は必要ありません。それは作る量や水分蒸発量などによって大きく変わってくるためです。これが120gだったり140gだったりすることもあるでしょう。どちらも正解です。
軟飯はいつからいつまで?
軟飯はその水分量によっても差があるので、その月齢などの目安をお伝えするのは困難です。
強いて言うなら、軟飯は9ヶ月ごろ~1歳半ごろまで、赤ちゃんの様子をみて使うといいでしょう。
授乳離乳の支援ガイド1)では離乳後期(9-11ヶ月)では
全粥90g~軟飯80g
授乳離乳の支援ガイド
とされています1)。
これは、だいたいすべて軟飯であるなら50~80g 、全がゆ(5倍がゆ)なら90~140gとなります2)。
もし、9ヶ月頃から軟飯と思ったら、この量を目安にしてみてくださいね。
1歳のごはんの目安量は65-100g
食事の量は●gという量が正しいわけではなく、私たち大人のごはんも量ではなく体重で判断するのと同様に量を厳密に計る必要はありません。
子どもの食事の目安量は
・赤ちゃんの体重が増えているか
・元気でいるか
で判断しましょう。
とはいえ、何gがいいの?という質問はよくある問答の1つです。だいたいの目安が欲しくなりますよね。
もし、どうしても数値が知りたいということでしたら、
12-18ヶ月頃の目安量はごはん65~80g、それ以降なら80~100gくらいでしょうか。
1歳のおかずの目安量は65~100g
おかずは、ごはんとだいたい同じくらいの量がとれるといいでしょう。
例えば、ごはんがだいたい65gなら、おかずもだいたい65gということになりますね。
肉や魚・卵などのたんぱく質 と、野菜類がありますが、少し野菜が多めだといいでしょう。
数字は細かくはいえませんが、だいたい例えば65gなら、肉が25gくらいで野菜が40gなどがいいかもしれませんね。
Twitterでご紹介した絵をご紹介します。

もちろん、野菜を入れ込んだ卵焼きなどのように、入れ込んで1つのレシピにしてもOKです!
野菜が多めといってもなかなか食べないというのであれば、カレーにしてもいいですね。もちろん、毎回カレーばかりということだと、噛まずに飲み込めてしまうので、いろいろな食べ方ができるようにしていきたいものです。

うどんが好きでよく食べてしまうのですが、どうしたらいいですか?
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うどんが好きでよく食べてしまうのですが、どうしたらいいですか?
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うどんばかり という日もありますよね!
私もありますよ!
そういう時は次に気づいたときにおかずを多めに食べるようにすれば全然OKです。
うどんだから何gというのではなく、うどん茶碗1杯くらいなら、同じくらいの量のおかずをどこかで食べさせたいなぁと思っておいてくださいね。少しずつおかずを多めにとる習慣があれば、「うどんだけの日」があっても大丈夫そうですよね。
2-3日のうちにどこかで食べられたり、副菜として考えられるといいでしょう。
野菜も一緒にとれるおすすめレシピ
野菜とうどんをあわせて、一緒におやきにすると、主食と野菜を一緒にとることができるのでおすすめです
参考文献
1)厚生労働省,授乳離乳の支援ガイド2019年改定版(閲覧日:2022年7月18日)
2)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ごはんの量などはエネルギー量と炭水化物量より同等値で表記しています
著者

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
著者の記事
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