離乳食を食べない時に考えたい3つのポイント

「離乳食を食べない!」というのは、ママのお悩みで一番多いものです。
赤ちゃんは言葉を話さないので、なかなか意志の疎通ができず、
「せっかく作ったのに!」
「食べないと大きくならないのに!」
などと、親はついついイライラしてしまいがちです。

そのような時に
”ちょっと考えたい3つのポイント”
がありますので、ご紹介します。

1.離乳食の食感は大丈夫?

早く離乳食をあげようとして、出来立ての熱いものをあげてしまったりすると、
もちろん赤ちゃんは食べません。

少し温かいというくらいの温度が最適です。

さて、温度はわかりやすいのですが、ベーっとだしてしまうだけでわかりにくいことがあります。


こういうときは食感が問題であることが多いです。

パサパサ、ツブツブなどですね。

離乳食 食べない 理由

よくあるのは、
「うちの子お肉が嫌いみたい」「野菜が嫌いみたい」
という好き嫌いと判断される方が多いのですが、実は、食感が問題のことも多いものです。

離乳食はとろみをつけて食べやすく!

お肉がぱさぱさ、お野菜が飲み込みにくいなど、食感が悪いと思っていることが多いです。

ぱさぱさや飲み込みにくいなどが問題かもしれないときは、「とろみ」を見直してみてください。
とろみで、ぱさぱさ感をやわらげて飲み込みやすくすることができます。

スプーンの材質をちょっと見直し

また、金属製のスプーンなどの食具の感触にも反応することがあります。

冷たい!熱い!と赤ちゃんがびっくりしてしまわないように、
熱がつたわりにくい材質のベビースプーンがよいでしょう。

2.「楽しい食卓」を演出して離乳食を楽しみましょう

皆さんに伝わりにくいのは、この「楽しい食卓」づくりです。
「おいしいね」という言葉をかけたり、大人も一緒に食べてみたり、周りに気が散るようなモノがなく

食事タイムに集中できるような「食卓」を作ることがとても大切です。

いまはご飯の時間だということがわかるようにしてあげましょう。

また、大人がイライラしてしまうと赤ちゃんにもわかってしまいますので、

「頑張って作ったの!どう!?」と言いたくなるところですが、
「食べて!」という気合をだしすぎると赤ちゃんは察してしまいます。

「おいしいけどなー食べますかー食べないんかーい(笑)」くらいの、優しい気持ちで接しましょう。

実は、赤ちゃんの栄養は母乳やミルクでも補えますので、生後9ケ月くらいまではおおらかに見守っていただければと思います。

発育が不安であれば、成長曲線をみて、先月より大きくなっているかで確認してくださいね。

3.離乳食以外はどう過ごしたか確認を。運動は?ミルクは?

赤ちゃんの食べムラをなくそう

まず1や2を考えてみても思い当たることがないようであれば、
離乳食タイムまで、赤ちゃんとどうやって過ごしたのかをもう一度考えてみましょう。

・外出が少ない/外出時間が長くて疲れすぎた
・授乳との間隔があいていない

などが多い要素です。

外出があまりにも長すぎたり、慣れない環境で赤ちゃんが疲れすぎている時もあります。

そんな時は無理してあげなくても大丈夫。大人でも疲れすぎて食べられない時がありますよね。

まずはゆっくり休憩させてから、落ち着いた環境で時間をずらしてあげてみましょう。

赤ちゃんの体調もあります。

おとなにも体調や食欲の波(ムラ)があるように、赤ちゃんにも食欲のムラあります。
そのことを理解し、無理にあげることのないようにしてください。

1回くらいごはんを食べなくても大丈夫。

心配のようなら、ミルクのタイミングや量などもメモしておくと
お医者さんにかかるときも伝えやすく安心です。

楽しい離乳食タイムになりますように。

【関連記事】授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂

参考文献

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂」:子ども家庭庁 (2024年5月再閲覧)

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川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている