離乳食の冷凍保存(フリージング)のコツ

忙しい育児の中で、毎回離乳食を一から作るのはとても大変。そこで頼りになるのが「冷凍保存」です。もちろん市販のベビーフードでも全く問題ありませんが、ちょっと自分でカスタマイズしたいなというときにも、冷凍ストックはとても便利です。

今回は、「365日のフリージング離乳食(西東社)」等、複数の離乳食の冷凍レシピ本の著者・監修者である私が、離乳食を冷凍する際の基本的な考え方や、時期別の工夫、冷凍に向く・向かない食材、便利な容器や保存期間まで、まとめてみました。
離乳食は冷凍しても大丈夫?いつから始められる?
離乳食の冷凍保存は、初期(生後5〜6か月ごろ)から可能です。
ただし、赤ちゃんの発達に合わせて形状や食材を工夫する必要があります。
最初は、あまり味付けの必要はなく、素材単体で構いません。例えばやわらかくゆでたにんじんやたまねぎなどをブレンダーでつぶし、冷凍しましょう。
この頃の離乳食は、生協などでも冷凍された野菜ペーストも販売されているので、そのようなものをとりいれてもいいでしょう。
冷凍保存の基本ルールとポイント
- 清潔第一
調理器具や保存容器はよく洗って、しっかり乾かしましょう。 - 粗熱を取る
調理後すぐに冷凍せず、粗熱をしっかり取ってから保存します。 - 1回分ずつ小分け
赤ちゃんの食べる量に合わせて、製氷皿や小さな保存容器で小分け保存をしましょう。 - 保存期間の目安
- 冷凍庫で1週間を目安に、早めに使い切るようにしましょう。

初期・中期・後期別|離乳食冷凍の工夫
初期(5〜6か月)
・おかゆや野菜ペーストなどを製氷皿で冷凍
・裏ごししてなめらかにしてから保存
中期(7〜8か月)
・形状は粒感がある程度に
・複数の食材を混ぜたおかずも冷凍OK
後期(9〜11か月)
・手づかみ食べ用のやわらかいおやきや野菜スティックも冷凍可能
・肉や魚のおかずも作り置きして冷凍を活用

冷凍に向いている食材・向かない食材
向いている食材
- おかゆ
- にんじん、かぼちゃ、さつまいも
- 白身魚、しらす
向かない食材
- 豆腐(冷凍するとスポンジ状になりやすい)
- じゃがいも(食感が変わってしまい、モサモサしてしまいます。ペーストにしたらOK!)
解凍時のパサつきを防ぐには?
冷凍すると水分が抜けやすく、解凍時にパサパサすることがあります。これを防ぐには…
- 電子レンジ加熱時に少量の水や出汁をかける
- 解凍後に軽く混ぜる
- レンジ加熱はラップでふんわり包んで
といった工夫が有効です。特にたんぱく質系の食材(肉・魚)は水分を補うと食べやすくなります。
冷凍用の容器はどんなものが便利?どれくらい必要?
小分けタイプのフリージングトレー(25ml、50mlなど)や、フタ付きの耐冷容器が便利です。
1日2〜3回分×数日分を見越して、10個ほどあると安心かもしれませんね。
また、蓋つきのトレーから出して、ジッパー袋にいれて、冷凍前に日付を書いておくと使いやすくなります。
離乳食を冷凍保存することで、育児がぐっと楽に
離乳食の冷凍保存は、手間を減らしながらも栄養をしっかり届けられる、頼れる味方です。
赤ちゃんのペースに合わせて、無理なく取り入れてみてくださいね。
離乳食の冷凍保存や、ベビーフードを購入したりすることで、家族みんなが笑顔になれる日が、きっと増えるはずです。
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冷凍すると栄養が減りますか?
多少は減るものもあるかもしれませんが、そもそも野菜などの栄養は、時間が経つのとともに変化していくものです。また茹でたりすることでも減ります。収穫時と同じ栄養で食べることはほぼ不可能です。残っている栄養はたくさんあります。それよりも少しでも簡単により多くを食べていくことを考えていきましょう。
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冷凍(フリージング離乳食)は偏食になりますか?
いいえ。ありません。もちろんいろいろなものを少しずつチャレンジしていくことは大切なので、毎日ずっとおかゆだけで野菜をあげない…など偏った食事はよくありません。しかしそれは冷凍するか否かの問題ではありません。
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冷凍離乳食(フリージング離乳食)は、咀嚼の発達に悪影響がありますか?
いいえ。そのようなことはいえません。もちろんずっと1歳までペーストのものばかりを食べていたりすれば、多少の影響はあるかもしれませんが、冷凍するからではありません。冷凍すると硬くなる食材(豆腐など)と、柔らかくなる食材があります。 それぞれ異なります。一概にいえません。
著者のプロフィール

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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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