【離乳食のお悩み】卵はいつから食べられる?
離乳食をはじめると、卵をどのように始めたらいいのかと不安になりますよね。
実際の細かい説明は こちら(参照 【詳細版】離乳食の卵はいつから)で説明していますが、
では詳しく、いつから、どうやって赤ちゃんに食べさせていったらいいのか具体的にみていきましょう。
*皮膚疾患やアレルギーを疑うような疾患がない児を対象とした、湿疹などのない赤ちゃんの場合の卵のすすめ方であり、
家庭で実践しやすい方法を考えたものです。湿疹があり、治療中などの場合は医師にかならずご相談ください
Q.卵は赤ちゃんにいつからあげるのがいい?
様々な情報により「卵は1歳から」や「卵は6ヶ月から」と言われていますがどちらがいいのでしょうか。
A.6ヶ月頃からあげられます。1才以降まで遅らせる必要はありません。
卵は赤ちゃんの成長に必要なタンパク源の1つで、鉄分も含まれています。6ヶ月頃からとれるといいでしょう。
アレルギーが心配とは思いますが、しっかり保湿をして、心配しすぎずに6ヶ月から微量の加熱全卵をあげましょう。
(*卵黄でも下痢や嘔吐などアレルギーのような症状は出る可能性はあります)
Q.卵は離乳食でどうやってあげるのがいいの?
実際にどのように調理をしてあげればよいのでしょうか。
A.卵黄から卵白にすすめます しっかり加熱して
生卵はアレルギーにもなりやすく、衛生的にもよくないので絶対に避けます。
加熱時間が長いとアレルギーになりにくいので、なるべくじっくり加熱を心がけましょう。
STEP 1:固茹でしたゆで卵の卵黄(6ヶ月頃~)
1.15分~20分 しっかり茹でます。
2.すぐに卵黄だけ取り出します
卵白アルブミンは水溶性なので、卵白から卵黄に移行します。放置せずに、なるべく早く卵黄だけ取り分けましょう
3.なめらかになるようにつぶします
裏ごしすると、このようになります。おかゆなどの料理にまぜてあげてくださいね。
食べない分は、このままラップに包んで冷凍できます。
卵黄は最初は、耳かき1杯と俗に言われていますが、明確な基準はありません。
心配な場合は、それでもいいですが、卵黄1個分くらいまでは気になる症状がなければ、倍量ずつどんどんすすめていきましょう。
固茹で卵の卵白も少しずつとりいれていきます
STEP 2:生卵の状態で卵黄を分けたりして、薄焼き卵にします
固茹で卵の卵黄になれたら、固茹で卵の卵白がいちばん安心です。ですが、固茹で卵は作るのに時間がかかるため、この時点で疲れてしまう方も多いかもしれませんね。疲れたらStep3にすすんでもいいでしょう。ただしアレルギーのちからは固茹で卵よりも強いので、
STEP3が、心配な場合は、このSTEP2を試すと安心かもしれません。
生の状態で卵黄だけをとりだし、微量の卵白で薄焼き卵を作ってみましょう。
1.生卵の状態で卵黄だけを分けます
少量の卵白がついているところがポイントです
2.フライパンで両面薄く、じっくり焼きます
卵黄だけなので焦げ付きやすいですがなるべ長い時間じっくり焼いていきます
3.薄く切り分けます
心配な方は、まず1本。そのつぎは5本くらいと、すすめていくことができます。
冷凍できるので、毎日ではなくても、1週間少しずつ食べきるくらいを目安にできるといいでしょう
STEP3.慣れたら全卵の薄焼き
1.全卵をよくかき混ぜ、フライパンで全卵1/3量くらいを薄くしき卵をじっくり両面焼きます。
両面、しっかり時間をかけて焼きましょう
2.せん切りにして少しずつ食べます
Q.赤ちゃんに茶碗蒸しやプリンはどうですか?
茶碗蒸しやプリンは、少量であれば食べさせてもいいでしょうか?
A.プリンや茶わん蒸しは加熱が不十分。全卵の薄焼き卵やゆで卵に慣れてから
茶碗蒸しやプリンは加熱が不十分であったり、加熱温度が低いことや、中まで火が通りにくいためアレルゲンの残存量が多いと想定できます。
加熱時間の長いものに慣れてからのほうが安心です。
最初に卵を少しずつ試す時期にはオススメできません。
Q.卵は毎日食べさせなくてはいけませんか?
A.毎日でもそうでなくてもOK.調子が悪いときはお休みを
タンパク質群の中には、卵だけではなく、肉や魚や豆腐などいろいろな食材があります。
そのローテーションの中で卵を無理なく1日のどこかで食べられたらいいかもしれませんね。
でも食べられない日があってももちろんOK。
(わたしたち大人が朝ご飯に卵を食べる日があったりなかったりすることと一緒と考えてみては?)
また、体調がよくないときは、卵はお休みしてみましょう。普段は大丈夫でも、症状が出やすい場合があります。
お休みから復活したあとは、また最初からということではなく、食べられるものから食べ始めて構いませんよ。
数年前の指導と大きく変更されています。古い情報に惑わされることなく、
離乳食は大人の食べているものからのとりわけが一番良いとも言われています。
家族が食べていればそのものを少し分けてみるという感覚で、無理なくすすめていきましょう。
卵ボウロなど詳細は下記でも説明しています>>
参考文献
鶏卵アレルギー発症予防に関する提言,日本小児アレルギー学会2017
食物アレルギー児の食事と治療用レシピ 診断と治療社2014
著者執筆の記事一覧
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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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