離乳食のおかゆの進め方:7倍がゆは必要?離乳中期
「7か月になったのですが、7倍がゆにしたほうがいいですか?」
といった質問がよくあります。
確かに多くの雑誌や本には、7か月から7倍がゆと書いてあります。
7倍がゆとはどのようなものなのでしょうか、本当に必要なのでしょうか。
厚生労働省が指導しているおかゆの目安に7倍がゆはない
日本では、離乳食に関する目安「授乳・離乳の支援ガイド」が厚生労働省から発表されています。
これをみると、
米がゆは乳児が口の中で押しつぶせるように十分に煮る。初めはつぶしがゆとし、慣れてきたら粗つぶし、つぶさないままへと進め、軟飯へと移行する
授乳・離乳の支援ガイド2019年版
としています。
表にあるのは、「つぶしがゆ」「全がゆ」「軟飯」「ごはん」だけです。
おかゆの区分は、つぶしがゆ、全がゆのみで7倍がゆはありません
厚生労働省のガイドラインをみても、「つぶしがゆ」の次は「全がゆ」となっていて、
「10倍がゆ」「7倍がゆ」「5倍がゆ」などの表記がないのがわかります。
しかし、「全がゆ」というのは「5倍がゆ」のことになりますので、これはあるともいえますね。
しかし、「7倍がゆ」 は、厚生労働省が推奨しているものではなく、雑誌や本などにおいて、さらにわかりやすく解説するための目安にすぎません。
ですから、あまり厳密に「7倍がゆ」を考えすぎる必要はありません。
厚生労働省の表をみると、離乳中期から全がゆと書いてあるので、離乳中期は全がゆ(5倍がゆ)がいいのです。
離乳食のおかゆのすすめ方
まとめると…
・10倍程度のおかゆをつぶしたもの(5・6か月頃で初めて1か月くらいまで)
↓
・おかゆをつぶさずそのままにしたり、少し水を減らして濃度を濃くしたもの(5・6か月頃で初めて2週間くらいたったら少しずつ)
↓
・全がゆ:5倍がゆ(7か月頃~)
とステップアップできるといいですね。
何倍と考えるよりも、赤ちゃんが飲み込めそうかを加減して、状況に応じてお湯を混ぜてあげたり、ふやかしてあげたりするといいですね。袋におかゆをいれて上から指でつぶしてみたりするのもいいでしょう
はじめてのおかゆ「つぶしがゆ」
最初は「つぶしがゆ」です。明確な区分はありませんが、10倍がゆ(米1:水10)をつぶしたものをあげるくらいがいいでしょう。
<10倍がゆ>
お米1に対して水10の割合なので、
・米 大さじ1
・水 150ml
になります。
なるべく小さなお鍋でふたをして作りましょう。
実は、つぶしがゆは10倍に限った話ではなく、ドロっとしたポタージュ状になっているかがポイントです。
薄すぎて水みたいにならないように気を付けましょう。
作るたびに、おかゆの仕上がりが違うなぁと思っていたのですが、
・蓋をしているか
・吸水時間
・火加減
などによって変わってしまう ということですよね。
そうですね!食べにくそうならお湯で薄めますね
仕上がりは、粒がなく、どろっとしたポタージュやヨーグルト状になればOKです
できあがりがとろみがきつそうなら、お湯を少し足したりして調節することも必要です。
まずは、つぶしがゆにして、そこから少しずつ、スプーンなどで軽くつぶしたものをあげてみるなど半つぶしを試し、離乳食をはじめて1カ月くらいすぎたら、徐々につぶさないおかゆをあげてもいきましょう。
離乳中期頃(7ケ月頃)から5倍がゆ(全がゆ)を
そこから少しずつ水の量を減らしたりして、様子をみていきましょう。
7カ月頃になったら一度、全がゆ(5倍がゆ)を目安として作ってみてもいいかと思いますが、あくまでも目安です。
おかずでいろいろな食感なども経験するので、水の分量などにシビアになりすぎなくてもいいでしょう。
赤ちゃんが丸のみしていないか、飲み込みにくそうにしていないかなど、個々の赤ちゃんの状況をみて進めていきましょうね。
著者執筆の記事一覧
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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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