いちごの離乳食 いつから?赤ちゃんには加熱が必要?

クリスマスの季節が近づくと、店頭にはたくさんの「いちご」が並び始めます。

みんなが大好きないちごですが、離乳食期の赤ちゃんも一緒に食べられるのか
と心配になることもありますよね。

そこで本記事では、「離乳食ではいちごはいつから?」という疑問にお答えします。

また、どのようなことに気をつければいいのも、管理栄養士が解説します。

いちごはいつから離乳食に使える?

離乳初期(5~6ヶ月頃)から食べることができます。

季節を感じることができ、見た目もかわいらしい果物、栄養価も高く、家族の食卓に並ぶときは一緒に楽しみたい食材です。

いちごを離乳食であげるときのポイント

つぶしがゆにも慣れ、野菜もいくつか挑戦しはじめたら果物も少しずつあげてみましょう。そのときのポイントをまとめてみました。

1.食中毒予防のために加熱すると安心

生でも食べることができる食材ですが、赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いため、
加熱することで食中毒のリスクを軽減することができます。
はじめは加熱することがおすすめ、慣れてきたら生のいちごにも挑戦してみましょう。

管理栄養士

管理栄養士

特に何ヶ月まで加熱が必要ということはありませんが、
皮をむかない食べ物なので、
加熱しない場合はしっかり水洗いしましょう。

2.赤ちゃんが苦手な酸味は加熱がやわらげて

甘酸っぱさが魅力のいちごですが、赤ちゃんはこの酸味に驚く場合があります。

5つの味(甘味・塩味・旨味・苦味・酸味)の中でも、
苦い味や酸っぱい味は、からだに必要のない味と連想し、小さい頃は苦手に感じやすいと言われています。

加熱することでこの酸味は和らぎ食べやすくなります。

3.アレルギーが心配なら最初は少量から

アレルギーの原因として発症件数が多いもの、発症した時に症状が重いものとされている特定原材料27品目には、キウイフルーツ・バナナ・もも・りんご・オレンジの果物も含まれています。 赤ちゃんに多いのは「鶏卵・牛乳・小麦」であって、野菜や果物は多くありません!

いちごは、特定原材料27品目に含まれていませんし、繰り返しになりますが野菜や果物のアレルギーは乳児には多くありませんが、はじめは加熱したものを1さじくらいにしておくと安心です。

4.赤ちゃんの咀嚼に合わせた調理を

初期から食べることはできますが、種のつぶつぶ食感や繊維の部分は食べにくいため、初期の頃は裏ごしにすると、とろーっと食べやすくなります。

まだまだ舌で送り込むことしかできないので、初期は「ヨーグルト状」にするためにとろーっとした形状にできるといいですね。

また、大きいままだと丸呑みしたときに喉につかえてしまうので、気を付けましょう。ある程度噛めるようになっても、薄切りなどにするといいですね。

いちごを離乳食で使う利点

ビタミンCが豊富な野菜や果物の中でも、いちごはトップクラスです。
1~2歳ならいちご4個くらいで1日のビタミンCの摂取推奨量を摂ることができます。

また、水溶性食物繊維のペクチンも多く含まれています。

現在は、一概に不溶性だから水溶性だからとその作用機序をわけることができませんが、
水溶性は便を柔らかくしてくれる方向にはたらくので、便秘解消にも役立ちます。

(メモ)栄養バランスより大切なこと

栄養価が高いという説明をしましたが、ビタミンCは加熱することで損失してしまいますし、しっかり洗ってしまうと水溶性の栄養素は流れ出してしまいます。

離乳食では食べやすさや衛生面を優先した調理を心がけましょう。

栄養素もいいですが
それよりも、離乳食を楽しむこと、様々な味や食感の経験が大切な時期
です。

いちごの1日の摂取目安量

東京都幼児向け食事バランスガイドでは、
3~5歳児の1日のいちごの目安量を6個しています。

厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドでは、
子ども(1歳)の果物の摂取目安量は大人の1/2程度
また、1日の食事摂取基準が1~2歳は、3~5歳の約3/4ということから考えると、
離乳完了期頃のいちごの1日の摂取目安量は3-4個くらいと考えます。

甘くておいしい果物は、お気に入りになるとたくさん欲しがってしまいますが、量は適度に取り入れていきましょう。

おすすめレシピ「いちごのくずとろりん」

葛粉は食べやすくとろみをつけるだけではなく、ほんのり甘みもある食材です。

いちごの酸味をよりマイルドに食べやすくなります。

材料

・いちご 1個(後期は2個)
・葛粉    1g
・水       30㏄

*くず粉ではなく、片栗粉などでもとろみの形状が違うだけで代替可能です

作り方

初期(5~6ヶ月頃)

1、 いちご1個はヘタをとり、つぶします
2、 水に葛粉をまぜ、葛粉が溶けたら1を加えます
3、 お鍋に2を入れ、加熱します
4、 透明になり、とろみが出てきたら火をとめます
5、 裏ごしをして粗熱をとります

中期(7~8ヶ月頃)以降

<作り方>
1~4まで初期と同様に作り、裏ごしはしなくて大丈夫です。

ちょっとしたトッピングにも

加熱したイチゴになれたら、ヨーグルトに沿えたりするだけで、見た目もかわいくて栄養面でも嬉しい一品ができます。

旬である時期に思いっきりイチゴを楽しみたいですね。

離乳後期以降になれば、薄切りにしたものをかじるのもオススメですよ。

【関連記事】 柿はいつから食べられる?離乳食での注意など

【参考文献】

文部科学省 日本食品標準成分表
東京都幼児向け食事バランスガイド
厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド
消費者庁 アレルギー表示について