玄米は何才からたべられる?

栄養が豊富な玄米。 美容や健康が気になる人が、白米から玄米に主食を替えた、という方も増えてきていますね。

玄米にはどんな栄養があり、何才から食べられるのでしょうか?

玄米はいつから?

玄米の栄養

お米に豊富に含まれる糖質は、エネルギー源として重要な栄養素です。

玄米には、糖質がエネルギーになるのを助けるビタミンB群が含まれていますので、玄米を摂ることで効果的に糖質をエネルギーに変えてくれてくれる利点があります。

お米の種類

米には、下記のような種類があります。
玄米と精白米の違いとその間にあるものは下記の通りです。

玄米

お米の栄養や食物繊維を残した状態のもの

分搗き米(ぶづきまい)

3分搗き、5分搗き、7分搗きなどの違いは栄養のある部分をどのくらい残したか、です。

3分搗きは7割程度残っていて5分搗きで約半分。
7分搗きだと残った栄養は3割ほどで、一般に胚芽米として販売されているお米は7分搗きと同じです。

胚芽米・胚芽精米

胚芽米、胚芽精米とは、玄米から「ぬか」を除いた米です。
胚芽は残していますが、食べやすくなっています。

精白米

玄米から、ぬかと胚芽の部分を取り除き、食べやすくしたもので、いわゆる「白米」と呼ばれます。

無洗米

無洗米とは、
精白米の精白度合いを、より多く削ったものになります。

玄米は何才から いつから食べられる?

玄米は消化しづらいと言われることがありますが、その理由は食物繊維です。

100g当たり白米玄米
エネルギー358Kcal353Kcal
食物繊維
(総量)
0.5g3.0g

腸の中で水分を吸ってふくらみ便通を促進してくれますが、繊維質が強いため、よく噛む必要があります。

大人は満腹感が得られて食べ過ぎ防止にもなりますが、
まだ歯が生え揃っていなかったりよく噛むことが習慣になっていない子どもには、
かえって消化不良で下痢や便秘になってしまったり、
栄養も吸収されないまま、便として出てしまったりします。

管理栄養士

管理栄養士

消化器が未発達な赤ちゃんの離乳食は、白米で作るのが良いですね

咀嚼の発達には個人差があるので玄米を何才からあげていいという明確な基準はありませんが、
奥歯まで生え揃い、ご両親から見てもよく噛む習慣がついてきたと思われる幼児や、
学童期以降の子には食物繊維の量が少ない胚芽米を混ぜるところから始めてみてはいかがでしょうか?

玄米の糠に含まれる無機ヒ素

玄米の外側についている糠(ぬか)の部分には、無機ヒ素が含まれています。

ヒ素は、自然環境中にありますので、完全に除去は難しいのですが、欧州食品安全機関(EFSA)や米国食品医薬品局(FDA)などは警鐘をならしています。

そのため、玄米を食べたい時には、米をしっかり研いでぬかを落とすことで、
無機ヒ素の濃度を少しでも減らし、
あまり多く長期にわたって食べ続けない方がいいかもしれませんね。

しかし、農林水産省では、
「食品を通じてヒ素を摂取することによる健康への問題はない」「バランスよく」と提唱していますので、
必要以上に気にすることなく、うまくつきあっていきたいものです。

つまり、玄米は何才からという基準はありませんが、
小学校入学前後に胚芽米を混ぜたりしてみたらどうでしょうか。

管理栄養士

管理栄養士

分づき米や胚芽米は、特に決まりはありませんが、6歳前後からが安心かもしれませんね。

【関連記事】1歳のごはん は大人と同じでいいの?食事量の目安やレシピ

おわりに

白米は、食べやすいものの、玄米から糠と胚芽を取り去ったものなので、
糠や胚芽に含まれているビタミンなどの栄養を捨ててしまっていることになります。
一方で無機ヒ素などの害も除去されています。

いろいろ迷いますが、上胚芽米や金芽米、ロウカット玄米など、食べやすいお米も増えているので、そろそろ食べてもいいかなと思ったら、手にとってみてもいいかもしれませんね。

白米だけだと、噛む力も鍛えられないかもしれません。

しっかり噛んで食べるという意味でもたまには混ぜてみてもいいでしょう。

テレビやスマホを見ながらの[ながら食べ]も増えてきていますが、『あれ?ごはんかわった?』なんて会話をしながら、皆でよく噛んで、素材の味とご家族等との団欒を楽しんでみてくださいね。

管理栄養士

管理栄養士

ポイントは「バランスよく」食べることと、「よく噛む」ことであることをお忘れなきよう、楽しく食事を選択していきましょう。

参考文献

日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年
農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」

著者

松ノ内理亜
松ノ内理亜
母子栄養指導士 (東京都)
お料理教室 -LiaZen- 主宰
体のための美味しそうなごはん
すべての料理に愛を込めて。