注意)これは管理栄養士、栄養士、離乳食アドバイザーなど小児栄養に関わる方へのコラムであり一般的ではありません。また、学会発表先生のご発表そのままではないことを、あらかじめご了承ください。

新しい授乳離乳の支援ガイドに関する提言

2007年「授乳・離乳の支援ガイド」*1)が策定されてから10年が経ち、アレルギーの新しい見解や平成27年度乳幼児栄養調査*2)などを踏まえて、改定されることが予定されています。

2018年1月、日本小児科学会「第12回子どもの食育を考えるフォーラム~授乳・離乳~」が行われ、その中で、「新しい授乳・離乳のガイドについて」として、「授乳の支援」清水 俊明(順天堂大学)*3)、「離乳の支援」堤 ちはる(相模原女子大学)*4)の両先生よりそれぞれ提言がなされました。

その後、2018年10月 日本臨床栄養学会にてパネルディスカッション「離乳・授乳のガイドライン改訂に向けて」が行われました。

本記事はそのパネルディスカッションの内容を簡単にご紹介します。(非公式であり、専門家にむけてのものですので、一般の方は以下拝読をご遠慮いただきますようお願いいたします)

離乳・授乳のガイドライン改訂に向けて の先生方の提言

2018年10月 日本臨床栄養学会にてパネルディスカッション「離乳・授乳のガイドライン改訂に向けて」で発表された、先生方の主な提言を簡単にまとめます。
*先生方の提言を厚生労働省に提出し、それをガイドラインにまとめて発表するのが2018年度中を目標にしているとのことですので、このまま反映されるわけではありません!

あくまでも、筆者が聞き取って簡単にまとめたものであり、オリジナルではないので、ご承知おきください。

授乳離乳の支援ガイドに関する提言1.母乳栄養の大切さと混合栄養の方への寄り添った指導を

母乳栄養の場合は過体重のリスクを下げたり2型糖尿病の発症リスクをさげるが、混合栄養とは有意差がないため、少しでもミルクをあげると肥満になるという誤解は避けるように

2.生後5-6ヶ月頃からの離乳の開始が望ましい

生後4ヶ月以前だと小児肥満のリスクがみとめられたことから、現状通り生徒5-6ヶ月頃からの開始がよい。
これは現行どおりなので、問題ありません。

離乳食アドバイザーでは、体重だけによらない、BMIや発育曲線、双方をみて指導をするようにしているので、ここも大きな違いはありませんが、栄養士さんなどで、体重だけでみている人がまだいらっしゃるとするならば、この機会にご留意いただきたいところです。

乳児のエネルギー不足推移

離乳食の開始

3.鉄分は6ヶ月からしっかり摂る必要がある

鉄分不足 母乳

母乳には鉄分が少ないこと、鉄分不足による発達遅延が起きると幼児期にはキャッチアップ(フォロー)できないということが認められたため、しっかりこの時期に鉄分を補うことが必要とのことでした。

しかしながら、筆者が考えるに、この鉄分の値については離乳食で補うことができない範囲であり、鉄分においてはその吸収率もしっかり考えていかないと、この不足分をすべて離乳食で補うには無理が生じると考えます。
発表ではフォローアップミルクを用いて鉄分を補うようにとありました。

確かにその鉄分を補うにはそれしかないと思う反面、どうしてもミルクを使いたくない人などもいるでしょう。

食材でしっかり補えるレベルであり、保育者(家族、保護者)の負担にならないような離乳食づくりの参考となるべき、目安量の策定を筆者としては提言いたします。

例えば、妊産婦においては「鉄分が必要なはずであるが、現行そこまでの貧血患者がみられないことから妊婦は鉄分の吸収率が非妊娠時より高くなると想定」してガイドラインが組まれています。それと同様に乳児期においても、現行、母乳から一般的な離乳食を始めた場合における貧血患児がそれほど多くないことから、吸収率についてのさらなる研究が望まれるのではないでしょうか。

鉄分の目安の書き方やガイドの書き方が今回の改定の大きな課題となりそうなので、近々コラムの続きとして鉄分について書きたいと思います。

【参考文献】
*1)「授乳離乳の支援ガイド」 厚生労働省(リンクページはすこやか親子21)
*2)平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要 厚生労働省 
*3)新しい授乳・離乳の支援ガイドについて -授乳の支援ー 清水俊明
*4)新しい「授乳・離乳の支援ガイド」について 離乳の支援 堤ちはる
*5)World Health Organization,Complementary feeding: family foods for breastfed children,2000

 

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