子どもの水分補給で気を付けたいこと(乳児・幼児)
熱中症対策に、水分はこまめにしっかり摂る必要があります。
しかし、その水分の摂り方に気を付けたいですね。
赤ちゃんの水分補給での注意点
実際に水分補給をするときにどんなことに気を付けたらいいのかみてきましょう
冷やしたものをたくさん飲むのはNG
冷たく喉ごしが良い水分はとてもおいしいですね。
しかし、冷たいということは、消化管への刺激が胃腸の働きを低下させ、食欲が落ちてしまうことも考えられます。
ポイントは、
・こまめに少しずつ補給するすること
・冷蔵庫から出したて、氷を入れるなどせず、ほどよく冷えたものにすること
です。
冷たいものが美味しい気持ちはとてもよくわかります。
最初は冷たいものにして、口の中でゆっくり楽しんでから飲み込んでみたり、途中から常温の水に切り替えたりできるといいかもしれませんね。
スポーツドリンクなどのイオン飲料には注意
暑くてたくさん汗をかくと、ミネラルの摂取も気になりますが、汗として出ていく多くの成分は水です。
糖分の多いイオン飲料は、エネルギー量があるため、食欲低下の原因になることも考えられます。
管理栄養士
ポイントは
日常の水分補給はお茶か水など、エネルギー量の少ないものにすることです!
汗をかいて失われる少しのミネラルは、食事からしっかり摂れるように、水分補給の方法は気をつけたいですね。
糖分だけを摂るのは危険
スポーツドリンクやジュースなど、糖分が入っている水分を多量にとり、
糖を代謝するために欠かせないビタミンB1を補給しないと、ウェルニッケ脳症など、
重篤な栄養バランス欠乏が起きるため、危険です。
エネルギーは、糖分だけではなく、しっかり食事をとれるようにすることで、
他ビタミンやミネラルをとることができます。
糖分だけにしないようにしましょう。
管理栄養士
食事がとれない場合は、経口補水液(ORS)がオススメ! それ以外は水で大丈夫です。低年齢の場合はとにかく母乳やミルクです
脱水が心配な時
赤ちゃんや子どもには水分補給が必要といわれますが、脱水が必要なのはどんな時なのでしょうか。
脱水を気を付けたい時
・下痢 ・嘔吐 ・発熱時
脱水のサイン
・尿が少ない ・泣いても涙がでない ・元気がなく、皮膚や唇などが乾燥している
上記のようなサインがみられたら、こまめに水分補給をし、
食べられるのであれば何か無理なく食べさせてあげるようにしましょう。
赤ちゃんの脱水予防
赤ちゃんの脱水予防にはどんな方法があるのかみていきましょう。
乳児の場合は母乳やミルクが最適
1歳未満の場合は母乳やミルクが最適の水分補給です。
栄養も入っているのでカロリーなどもしっかりとれます。
特にミルクを薄めたりせず、少量ずつでいいので頻回に摂らせましょう。
乳幼児用経口補水液(ORS)
赤ちゃんの脱水予防には乳幼児用経口補水液(ORS)も販売されています
どうしても飲みにくい場合は多少のりんご果汁で薄めながらでも構いませんが、医師の診断のもとに利用していけるといいですね。
幼児の場合でもスポーツドリンクは注意!
幼児や小学生だからといって、ペットボトルでごくごくとスポーツドリンクを飲み、食事に影響してしまうようなことがあれば問題です。
ペットボトル症候群とも呼ばれる糖質の過剰摂取やビタミンB1欠乏も心配です。
水や麦茶で水分をとり、あとは食事をしっかりとることを守ってくださいね。
参考文献
イオン飲料水の多飲による ビタミンB1欠乏症 - 日本小児科学会
著者執筆の記事一覧
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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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