子育て家庭の防災、非常食などのポイント
日本はいろいろな災害がありますので、日頃から災害を考えて備えておきたい物です。
しかしながら、なかなか子育てをしながら災害の備えまで難しいのではないでしょうか?
今回は、子育て世帯の災害食について考えてみましょう。
子育て世帯の災害食とは
赤ちゃんが生まれたら赤ちゃんの食事も考えていかなければいけません。
災害食はきちんと考えていますか?
乾パンやアルファー米などを用意されている方も多いかと思いますが、
お菓子などのご準備も多いかもしれませんね。
お菓子は子どものメンタルには良い影響があると思いますが、
長く続くと糖分の取り過ぎや栄養の偏りが気になります。
災害時にもある程度の栄養バランスを
最近では、おかしやごはんなどの糖質だけではなく、
野菜やタンパク質をバランス良くとることが大切だと言われています。
災害時の最初はエネルギーをしっかりとっていくことが大切になりますが、4日目以降になると、タンパク質やビタミン類が少なくなってきます。炊き出しなどもはじまる頃ではありますが、自分でもしっかりと蓄えをしておくとより安心です
缶詰や常温保存可能品を使ったローリングストック
おかゆやごはん、お菓子などのストックもいいのですが、タンパク質と野菜のストックもおいておきましょう。
缶詰は長く常温で持ちますので、特に災害用ではなくても、日々の食事にも使えて、なおかつ災害にも役立ちますので、ストックしておきたいものです。
ローリングストック法
ローリングストックとは、普段から日持ちのするものをある程度多く備蓄しながら、少しずつ日常でも使うという考え方です。普段から食べている缶詰や乾物などがオススメです。
災害対策目的だけで備蓄するのは、いつか無理に消費しなくてはいけないときがやってくるので、たくさん備蓄するには限界がありますよね。
特に、さばなどの青魚の缶詰は、普段の料理にも使いやすいので、
「ローリングストック法」のように、食べたら買って備蓄するということを繰り返すことで、
災害のためだけではなく、常に備蓄ができます。
無理なく常備できるものを考えてみましょう。
管理栄養士
サバ缶、やきとり、ツナ缶、トマト缶、フルーツ缶は常に人数分×2回分ほど用意しておくと安心ですね
常備したいものリスト
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飲料水 ・・・1人1日3L程度
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缶詰 …パン、ツナ、鯖・鮭の水煮、焼き鳥、蒲焼き、スープ、コーン、トマト水煮、フルーツ等
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レトルト(お湯であたためるもの)…カレー、シチュー、牛丼・中華丼の具、おかゆ 、ご飯等
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お湯を注ぐだけのもの …ご飯、インスタントラーメン、インスタントみそ汁等
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普段使いの常備食 …粉類(小麦粉、ケーキミックス等)、麺類(うどん、そば、スパゲティ等)
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常温保存可能な根菜類 …じゃがいも、さつまいも、たまねぎ等
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嗜好品 …チョコレート、飴、クッキー、ようかん、常温保存ができる野菜ジュースなど
赤ちゃんがいる場合はこれに加えて、市販のベビーフードをもっていると安心です。
大人用のレトルトの白がゆの場合は、上の方をすくってあげることで、
離乳中期以降は食べることが出来ますので、常備しておくと大人も幼児も赤ちゃんも安心です。
ビタミンやミネラル、タンパク質をとるために、
缶詰はバラエティ豊富にそろえておくと安心です。
お湯をそそぐだけでできる具だくさんのフリーズドライ味噌汁なども重宝しそうですので、
カセットコンロとあわせて常備しておきましょう
日本では災害時に要請によって動く、
社団法人日本栄養士会の「JDA-DAT」というの活動があります。
施設や地域で栄養的な支援が必要な場合は、
このような団体の取組みがあることを思い出して利用できるといいですね。
もし避難することになったら、保護者の方に心がけて欲しいこと
避難するようなことになったら、少しでも元気に過ごすために、
パパママに心がけて欲しいことがあります。
国立健康・栄養研究所と、公益社団法人 日本栄養士会が書いてるマニュアルに
一部加筆修正をしてお伝えします。
≫原本はこちら
1.がんばりすぎずに、医療や食事スタッフに相談
困ったことは、医療・食事担当スタッフに相談しましょう。
2.とれるときに水分を
飲み物が十分なかったり、トイレに行く回数を減らすため水分を控えがちですが、
母乳のためにもママがしっかり水分補給を!
3.食べられるチャンスに少しずつでも
食欲がないこともあったりしますが、食べられる時に、食べることを心がけ、
栄養をしっかり補給しましょう。
4.食べ物の種類が増えてきたらビタミンを
食べ物の種類が増えてきたら、おにぎりやパン以外に、野菜、果物、果実ジュースや、
栄養を強化した食品などをとり、ビタミンを補給しましょう。
普段から常温で保存できる野菜ジュースや、野菜や果物の缶詰を常備しておくといいでしょう。
5.母乳がでなくても吸わせることも大切です
液体ミルクでもいいのですが、一時的に母乳が出なくても、赤ちゃんはママのお乳を吸っているだけで安心します。
また、吸わせ続けることで、また出てくるようにもなることもあるので、
吸わせてあげるようにできたらいいでしょう。
また、授乳ケープなど安心して母乳をあげられるものを避難用袋にいれておくといいでしょう。
6.赤ちゃんやママはできる範囲であたたかく
ママの抱っこで、赤ちゃんは安心するので、出来るだけ抱っこをして暖めてあげましょう。
妊婦さんは、重ね着や毛布などで自分自身を巻いて温めることで、
おなかの赤ちゃんと自分の体調を整えることにつながります。
周りの人は妊婦さんや乳児ママに毛布をわけてあげられるといいですね。
まとめ
災害時にあわてないように、普段から備えておくことがとても大切です。
この記事を御覧いただいたきっかけを大切に、ストックの確認などをお願いいたします。
【関連記事】栄養士が考える防災-災害対策(東日本大震災経験から)
参考文献
・災害時の栄養・食生活支援マニュアル 日本栄養士会 平成23年 https://www.dietitian.or.jp/assets/data/learn/marterial/h23evacuation5.pdf
・赤ちゃん、妊婦・授乳婦リーフレット 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所、栄養士会
著者執筆の記事一覧
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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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