ルイボスティーは妊婦や赤ちゃんでも大丈夫?

ルイボスティとは、南アフリカの高地に生息するマメ科の低木の葉っぱを発酵させてできているお茶です。

緑茶や紅茶に使われるような、いわゆる「お茶の葉」ではないので、カフェインを含んでいないのが特徴です。

ルイボスティの効能はある?

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性情報」*1によりますと、
2020年10月時点では、有効性については見当たらないとされています。

注)上記サイト*1は引用やページへの直リンクを禁止しているため、詳細は下記参考文献より研究所TOPページより「ルイボス」を検索してください

赤ちゃんがルイボスティを飲む時の注意点

上記のとおり、ルイボスティには、効能や有効性は認められていませんので、
健康のためにたくさん飲むようなことは避けましょう。

それでも何らかの理由でどうしてもルイボスティを飲ませたいと思ったとするならば、
先ほどの健康食品の安全性・有効性情報*1)を参考にするなら、
一般のお茶として摂取する場合には安全であるが、多量に飲んだ場合や濃縮物を摂取した場合は安全性データがないとしています。

被害事例として、8歳でも突発性中枢性尿崩症を起こした事例なども書いてあります。

管理栄養士

管理栄養士

数は多くはないかもしれませんが、有効性がみられない飲料をそこまでたくさん飲む必要性と天秤にかけて考えてみましょう。

ルイボスティは、他のお茶類と比べてカフェインを含んでいませんので、
興奮などの作用がなく、安心ともいえますが、
とにかく安全データがありません。

基本的には水や麦茶がもっとも望ましいですが、
どうしても飲みたいという場合には薄めて少量
毎日ではなく時折飲むこともあるかもしれないという程度にとどめておきましょう。

妊婦がルイボスティを飲む時の注意点

上記のとおり、カフェインを含んでいないので、問題なく飲むことができますが、飲み過ぎには注です。


しかしながら、胎児動脈管早期収縮が複数例*2)*3)みられていることから、
偏ってたくさんルイボスティを飲むようなことや、
他にもポリフェノールを多く含む飲料や食品と
ルイボスティを併用して摂取しないことを意識できるといいでしょう。

先ほどの研究所のデータをみると、妊娠中や授乳中の摂取に安全データが見当たらないとされています。

本データにはいくつかの被害事例も掲載されているので、安全とは言い切れません。

他にも高ポリフェノールのものを摂取したりしている場合はとても注意が必要です。特に妊娠後期はプルーンなどは1日4-5個までにとどめておきましょう。毎日食べ過ぎには注意です。

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実際に質問されたらどう答えたらいいかしら?

ルイボスティに関する よく質問

妊娠中のルイボスティに関する質問

妊娠中は、ルイボスティをどのくらいの量飲んでもいいですか?

飲んでも大丈夫ですが、水分補給のほとんどがルイボスティというようなことになった場合には、
特に妊娠後期には望ましいとはいえません

そうすると、どのくらいの量までなら飲んでもいいですか?という質問になるのですが、
発症事例があったのは1日500ml*4)というものもあります。濃さなどもわからないので、この答えはとても難しいです。

他にもポリフェノールを含んだものを摂取したりするとこの限りではないことがあるので、
この数量だから大丈夫とも言い切れないんですよね。

プルーンや高カカオポリフェノールチョコなどとの併用には気を付けましょうね。
できたら、ルイボスティじゃない水や麦茶などにできるといいのと、
もしルイボスティを飲むならなるべく薄めて飲めるといいかもしれません。

妊娠時期は気分転換も大切です。カフェインも多すぎなければ大丈夫ですので、
ノンカフェインだから大丈夫ということではなく、1つのものに偏らないということを意識して、
いろいろな飲み物を楽しめる時期と考えてみてくださいね

乳幼児のルイボスティに関する質問

ルイボスティを赤ちゃんに飲ませてもいいですか? 

「ルイボスティ!あら!それは目新しいものを見つけたのですね。
麦茶とかではなく、ルイボスティなのですね!おしゃれな感じですね。」 
などととお返しすると、その理由が返ってくると思います。

SNSで流行っているから / からだにいいから 
などその理由はさまざまかもしれませんね。

まず、「からだにいいから」が理由だった場合は、
現在、研究機関においては 有効性は確認できていないのこと
からだにいいという効能を求めるくらい濃縮したり多飲した場合は、なんらかの害も生じるかもしれないこと
をお答えするといいでしょう。

そうでない場合は、それほど多量に飲むことが考えにくいので、問題ないことが多いとは思いますが、他にも水分はとれることや、ミルクや母乳が一番の水分源であり、大切であることを伝えられるといいでしょう。

管理栄養士

管理栄養士

もし、「流行っているから」という程度であれば、お試しで飲んでみるくらいだと楽しいかもしれないですが、
あまりたくさんのんだり、そのものに偏ったり、効果を期待するほど飲みすぎないようにしたいですね。

ノンカフェインですので、多少であれば問題はありませんが、効果を期待するほどではないので、「楽しむ程度」であればいいですよね。

最後に

ルイボスティは、「ノンカフェインだから大丈夫」と多飲してしまうのは妊婦や赤ちゃんにとっては、望ましいとは言えません。

また、健康に良いからといってその効果を期待するくらい飲むと、かえって

1つ覚えておきたいのは、現時点では、
下記研究機関では認められていないこと、仮にもし有用だとしてもその有用性を得るレベルまで飲用すると
何らかの害が生じる可能性も高くなるということを覚えておきたいですね。

*なお、本執筆は2020年10月(2021年8月加筆)であり、
今後変更される可能性もあります。内容について引用できないので、詳細は必ず下記参考文献*1)にて「ルイボス」を検索してください。

参考文献

1)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性情報」 https://hfnet.nibiohn.go.jp/
2)宮副ら,ルイボスティー摂取により胎児動脈管早期収縮をきたしたが中止後改善し生児を得た1例,周産期医学 50(7): 1143-1146, 2020.
3)加賀ら,妊娠中にポリフェノール高含有飲料 (ノンカフェインコーヒーや緑茶) を摂取していた母より出生した胎児動脈管早期収縮の2例,日本周産期・新生児医学会雑誌 54(3): 891-897, 2018.
4)新田ら,動脈管早期閉鎖・右心不全の新生児例 : 妊娠中のルイボスティー飲用は動脈管早期閉鎖のリスク因子となり得る,日本新生児成育医学会雑誌 31(3): 876-876, 2019.

著者

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている