妊活・妊娠期に葉酸が必要な理由と摂り方

妊娠時期に葉酸が必要というのは、見聞きしたことがあるかもしれませんね。

なぜ必要であって、どのようなものに含まれているのか、妊娠時期だけ摂ればいいのかなど考えてみましょう。

妊娠初期に葉酸が必要な理由

葉酸(Folic Acid)は、ビタミンB群の1つで、細胞を作るために必要な核酸を合成したり、赤血球の形成に大きく関わるビタミンです。

神経をつくる時期に欠かせないため

妊娠初期(妊娠4~12週)には、胎児の脳や脊髄を作るために葉酸が大きな役割をします。

これはごく初期であり、妊娠に気づかない時期でもあることと、葉酸はすぐには作用しないため、赤ちゃんが欲しいなと思ったら、葉酸をしっかり摂っていく必要があります。

しっかり葉酸を摂ることで、二分脊椎症や無脳症などの神経管閉鎖障害の発生リスクが減らせます

日本では1万人のうち6人という比率で現在もなお発生していますが、葉酸をしっかり摂ることで、そのリスクを減らすことができます。諸外国では、葉酸を小麦などに添加することでこの病気を減らすことに成功していますが、日本の小麦には添加されていないため、発症率は減少していません。

 

葉酸を多く含む食品

「葉酸」と書きますが、葉っぱだけではなく、レバーやいちごなどにも多く含まれるので、見た目で判断しにくいため、栄養指導も難しい栄養素の1つです。

葉酸が多い食品

葉酸を多く含む食品は、

・緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガスなど)

・果物

・レバー

などが挙げられます。

このうち、レバーは妊娠時期はビタミンAの過剰摂取が心配なので、焼き鳥の串なら1/3程度にとどめておきましょう

また、葉酸は、調理や長期間保存による酸化によって壊れてしまいます。

なるべく、野菜や果物を生で摂れるとよいのですが、緑黄色野菜は生で食べにくいものが多いのが難点です。

なかなか意識して摂るのも難しい栄養素といえます。

望ましい量

妊娠を計画していたり、妊娠初期の女性は、通常の240㎍にプラスして、プテロイルモノグルタミン酸という食事性の葉酸ではなくサプリメントなどに含まれる葉酸のプラス摂取を推奨されています。

葉酸 どれだけ 1日 妊婦

食事性葉酸と狭義の葉酸(食事に含まれる葉酸)は、からだの中での利用効率が大きく異なります。

そのため、両者をくらべるのではなく、妊活中、妊娠中、授乳中は上の図でいうオレンジの部分はサプリメントで補うとおぼえましょう。

先ほども説明したとおり、調理に弱いため、240μgを摂取するのも大変です。

しっかり野菜や果物を摂るほか、葉酸米など手軽にとれるものもオススメです。

からだの中での働き

通常の食品に含まれている葉酸 は、ほとんどが「ポリグルタミン酸型」 ですが、加工食品などに添加されている葉酸は「モノグルタミン酸型」(プテロイルモノグルタミン酸) です。

葉酸サイクル

葉酸は、細胞をつくるタンパク質である「メチオニン」を合成するのですが、日本人の多くはMTHFRという酵素がCT/TT型という形で持っているため、摂取した葉酸を利用しにくい特性を持っています。

なので、このCT/TT型の場合は、よりたくさんの葉酸を摂らないといけません。

葉酸が利用されるとうまく、ホモシステインが、メチオニンに変わってサイクルがまわっていきますが、葉酸が足りないと、ホモシステインが増えて血中ホモシステイン濃度があがり、これにより冠動脈疾患などにもつながります。

すなわち、葉酸は、妊娠時期だけではなく、普段からしっかり摂ることで、冠動脈疾患などを防ぐことができます。

普段の食生活の中で「野菜はたくさん摂りましょう」「果物も摂りましょう」とよく聞くと思いますが、その裏にはこんな栄養学があります。

妊活期や妊娠期、授乳期はサプリメントを上手に使いながら、そして普段はしっかり緑黄色野菜や果物も摂っていけるといいですね。

 

【参考資料】

日本人の食事摂取基準2020年版 厚生労働省

・日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年

プロフィール

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
All About 「離乳食」「幼児食」「妊娠中の食事」ガイド

女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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