離乳食のお悩み:落ち着きがない、食べない
よくある離乳食のお悩みについて、小児栄養学のエキスパートである 管理栄養士が解説します。
お悩みの解決策は1つではないので、あくまでも一例にすぎませんが、参考にされてみてください。
Q.落ち着きがなく、ゆっくり座ってくれません(10ヶ月)
食事中にゆっくり座ってくれず、あちこちが気になってしまって食べ物のほうをむいてくれません。遊んでしまいます。
A.椅子や周囲の環境を見直せるといいですね
・食事の椅子は大丈夫?
食事の椅子は、赤ちゃんの足をしっかり足置きにのせられるよう、位置を調節して、おちついて食べられる環境を作ってあげることが大切です。
足がぶらぶらとしていると、集中しにくく、口に集中することができないので気を付けたいですね。
一方で、その位置によっては、足台の上に立とうと飛び上がるような仕草を繰り返してしまうこともあるので様子をみながら足台が調整できるといいでしょう。
・集中できる環境?
テレビを消したり、おもちゃを片付けたりすることが理想ですが、実際にはおもちゃを片付ける余裕がないことが多いですよね。
例えばおもちゃから背が向けられるようにリビングのテーブルや赤ちゃんの椅子を、遊び場とは背を向けるように配置しておくのも良いでしょう。
それでも気が散るようであれば、食欲がないのかも。「ごちそうさまだね」と声をかけて食事をさげることを何回かやってみると、食事は集中して食べなくてはということがわかってくれるかもしれませんね。
Q.朝は私も忙しく、赤ちゃんも食べてくれません。それでも食べさせるべきですか?(10ヶ月)
朝は忙しいので、私もバタバタしてしまったりします。
パンをかじらせてから保育園に送っていますが、パンだけじゃダメだと言われました。でも限界です。食べさせなきゃダメですか?
A.起きる時間を少し早くできますか?
そうですね。朝は何かと忙しいものです。
・朝ごはんの大切さをちょっと考えて
でも、幼児や小学生になったら朝ごはんは習慣的に食べておきたいものですよね。
それまでの間、少しずつでもいいので朝ご飯をどうやったら食べるようになるのか考えていきましょう。
早朝に授乳などをしている場合は、その授乳を白湯などに変更してみてから、少し時間をおいて朝ごはんをあげたりするといいかもしれません。
起きたあと少し動く時間があると食べることが多いので、起きる時間を少し早めにしましょう。
・手づかみで食べやすいものがオススメ
もし食べられない場合でも、バナナやパンケーキなど簡単に食べられるものを少しだけでも用意して、1歳すぎたくらいには「朝ごはんは食べる」という風習を少しずつみにつけていきましょう。
できたらお好み焼きや野菜入りパンケーキのように中に野菜をいれたものだと理想的!
一度に作って冷凍しておけば朝はレンジでチンするだけで食べさせることができますね
朝をしっかり食べることで昼、夜としっかり食べ、生活のリズムがつきやすくなります。
Q.好きなモノしか食べてくれません(1歳)
A.好きな食べ物が発見できたのはいいことですね!
好きな食べ物が出てくる時期です。
おなかが空いているときに、好きな食べ物をみせてしまうとそればかり食べてしまうので、最初は、ちょっと苦手なものからあげてみて、最後に好きな食べ物を食卓にならべてもいいかもしれませんね。
でもあまり気にしすぎず「好きな食べ物がみつかってよかった」というスタンスで、その好きな食べ物を上手に利用して、いろいろな食材を混ぜてつかってみたりしてもいいでしょう。
「好きなモノしか食べてくれない」と思うか、「好きな食べ物がみつかった」と思うかでも異なります。
好きな食べ物も次第に変わってくるので、次のブームがくるまで上手にその食べ物を利用していくのもいいですよ。
著者執筆の記事一覧
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一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている
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