栄養士、管理栄養士、保育士など、学校で「離乳食」を学んでそのまま現在に至る方はいませんか?

つい日々の仕事に追われ学びが止まりがちですよね。昔の考えと今の考えが違うのだと、再確認してみましょう。
「日本の食卓をもっと元気にもっと笑顔に」が当協会のモットーです。
もっと子育てしやすい社会を、離乳食は手抜きしても、コツさえつかめば大丈夫だよといえる社会を一緒に作っていきたいですね。

以下は栄養士 ほか専門家向けです。事前にご了承ください。

離乳食指針の変遷

日本で最初に離乳食を指針のように定めたのは、昭和33年からです。

・昭和33年 「離乳基本案」(文部省科学研究費による離乳研究班)

①開始時期:満5か月から穀類より開始
②完了時期:1歳 (このときでエネルギーの60-70%を離乳食、牛乳か粉乳300ml)
③断乳:1歳以降は断乳するとよい
④食事回数:全期ともにミルクを含めて5回食とし、そのうち5か月は1回、6-8か月は2回、9か月以降は3回が離乳食である
⑤すすめ方:穀類→卵黄→野菜、魚
⑥調理目安:10倍がゆ、7倍がゆという定義を作った

・昭和55年「離乳の基本」厚生省 心身障害研究

①開始時期:満5か月からとしたが、前後1か月くらいのゆとりをもたせ、4か月から開始できるとした
②完了時期:1歳 (このころからミルクで400ml)
③断乳:1歳以降は断乳するとよい
④食事回数:5か月は1回、6-8か月は2回、9か月以降は3回
⑤すすめ方:食品の順序にこだわらず、少しずつ食べやすく調理すればいいとした
⑥調理目安:固さの目安として5か月ドロドロ、7-8か月舌でつぶせる、9-11か月「歯ぐきでつぶせる」と示した

・平成7年「改訂・離乳の基本」厚生省

①開始時期:「早くても4か月以降が望ましい」とし、「発育が良好ならば6か月中」とし、表は5か月から始まっている。
②完了時期:15か月(牛乳やミルクを1日300-400ml)
③断乳:1歳以降は断乳するとよい
④食事回数:5-6か月は1回→2回、6-8か月は2回、9か月以降は3回
⑤すすめ方:アレルギーに留意し、タンパク質を食品ごとに明記した。離乳完了期の概念が生まれた。
⑥調理目安:10倍がゆ、7倍がゆではなく、全がゆの表記のみとし、咀嚼にあわせて濃度を変えるとした
<その他>
分量表記:始まりと終わりを明確にするために量の変化を”~”から”→”で表記にした
改訂離乳の基本

・平成19年「授乳・離乳の支援ガイド」

①開始時期:表は5~6か月から始まっているのは前回と同様であるが、4か月という表記を削除した
②完了時期:18か月
③断乳:授乳については明確な規定をせず、「離乳の完了は、母乳またはミルクを飲んでいないことではない」とした
④食事回数:大きな変更はないが、授乳の回数の目安を削除した
⑤すすめ方:初期の目安量、各期の油脂量を削除し、たんぱく質欄を魚から始めた
⑥調理目安:10倍がゆ、7倍がゆではなく、全がゆの表記のみとし、咀嚼にあわせて濃度を変えるとした
<その他>
分量表記:数の変化をやわらげるため、”→”から”~”で表記にした
授乳・離乳の支援ガイド

基準にない塩分について

本国においては、塩分についての規定が当初からありません。
コーデックス(FAO/WHOの下部組織)の規格に「ベビーフードのナトリウム量は100g中200㎎(喫食時)を超えないこと」というのがあり、これにならって本国のベビーフード協議会のベビーフード自主規格 が同様のものを作っているのが、日本では1つの基準となっています。

これは食塩濃度に直すと0.5%以下となることから、だいたいこれを基準にすればいいという判断にはなりますが、いずれにしても明確な規定はありません。

まとめにあたって

本まとめは、あくまで時系列に完結にまとめたものであり、経緯などはとても長く、語りつくせません。

記載がない変更ポイントもたくさんあることをご承知ください。

【参考文献】
1)「離乳食、幼児食に関する研究」-我が国の離乳の経緯- ,今村栄一,平成3年度厚生省心身障害研究
2)離乳の基本―離乳食幼児食研究班報告と解説,今村栄一
3)改定「離乳の基本」の通知とその背景について,戸谷誠之 水野清子 他,栄養学雑誌Vol. 56 No.331
4)厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
5)ベビーフード協議会「ベビーフード自主規格」

 
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