赤ちゃんの水分補給 飲まない時どうする? 量はどのくらい?

夏は汗をたくさんかくので、水分補給はしっかりしたいですよね。
まず、気を付けて欲しいのは、母乳をあげているお母さんの水分補給です。
水分をしっかりとらないと母乳の出に影響しますので、この時期はいつもよりもさらに水分補給を心掛けましょう。

また赤ちゃんもからだの約80%は水分です。その組成がくずれないように水分補給には気を付けましょう。

水分足りてる?

 

基本的に、赤ちゃんの場合は、母乳やミルクで水分量は足ります。
しかし、夏の外出のように、暑い場合は別です。

赤ちゃんもお母さんも水分足りてるかな?と不安になったら、まず尿の回数を考えましょう。
・いつもより回数がかなり少ない
・おしっこの色が濃い

ようであれば水分が不足しているのかも。

赤ちゃんの水分補給の量は?

母乳やミルクもあわせて、体重1㎏あたり1日100ml程度といわれています。

つまり、体重7㎏であれば、700mlの水分が必要となります。

ミルクや母乳でほぼそのくらいの量を日々摂取していると思いますが、暑い日の外出時などでは、それより多くの水分が必要となります。

ただし、1回に多くの量は必要ではなく、1回20-30mlくらいを1日に何度もわけて200mlほど足してあげるといいでしょう。

何を飲ませたらいいの?


繰り返すようですが、母乳やミルクでも水分補給になります。

しかし、暑い中の外出や、発汗時などのときにさらに飲ませるなら、白湯(湯冷まし)、麦茶などにしましょう。

カフェインや糖分を含まないものであることが基本です。

また暑い時は冷たいものをあげたくなってしまいますが、2才未満だとお腹を壊してしまう可能性があるので、
必ず常温のものをあげましょう。
冷蔵庫で冷やしていたら、お湯でわるなどの工夫が必要です。

どうやって飲ませたらいいの?飲まないときは?

赤ちゃんの水分補給といっても、
どうしたらいのかわからないものですよね。

哺乳瓶の乳首で飲めるようであれば、哺乳瓶を使うと便利ですが、
母乳育児の場合、乳首がうまく使えなかったり、
外出先でちょっと飲ませたいときに哺乳瓶だと何かと大変だったりもします。
5カ月からはスパウト、またはスプーン
9カ月からはストロー

がオススメです

うまく飲めない場合は、まずは月齢にみあったものを試してみてください。

スパウト(5か月頃~)

 

5-8カ月頃はスプーンであげてもいいのですが、「スパウト」でもいいでしょう。

離乳食を食べ始める頃になると少しずつ「口をすぼめる」ことができるようになってきます。

スパウトは、おっぱい飲みで起こる舌の蠕動様運動ができないように
吸い口を短く、赤ちゃんの上顎にあるくぼみにはまらない大きさや長さの設計になっているので、哺乳瓶の乳首などからステップアップがしやすいかもしれません。

ストロー(9カ月頃~)

ストローはかなり口をすぼめなければならないので、9カ月頃にならないとなかなかできないものなのです。

ストローを上手に飲めるようになっても、赤ちゃんはついついストローを噛んでしまいます。
これはストローは口をすぼめて飲むものだと理解せずに食べ物などのように噛んでしまうためにおこります。

ストロー噛みをなくすためにもスパウトで練習しておくと、口をすぼませるということが意識しやすくなるといわれています。

うまくストローで飲めない場合には、ストロー付の紙パック麦茶を購入し、紙パックを少しだけ押してあげると、赤ちゃんがその要領をつかむことができるかもしれません。

最近の研究では、赤ちゃんの粗大運動(全体の動き)と関係するという説もありますので、ハイハイなどがまだであれば、「そのうちできるようになるかなぁ」くらいにどっしり構えておくのもいいかもしれませんね。

コップ(12カ月頃~)


コップで飲めるようになると外出先などでも困らずに便利ですが、実は口の脇からこぼれてしまったりしてなかなか難しいものです。
最初のうちはうまく飲めないものです。
遊びも兼ねてお風呂場で練習してみるのがオススメです。

赤ちゃんにとって得意不得意がありますので、少しずつ楽しんでチャレンジしてみてくださいね。

 

著者

川口由美子
川口由美子
一般社団法人 母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師
NHK「すくすく子育て」他 出演
女子栄養大学 卒(小児栄養学研究室)。企業にて離乳食の開発を行ったのち独立、管理栄養士として多くの離乳食相談を聞き、母親に寄り添った講演会を開いている